藤並駅【和歌山県】(紀勢本線【きのくに線】。2022年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】シリーズは、
和歌山県中部、有田川町西端部近くに広がるみかん畑の中に形成された住宅地に位置する紀勢本線【愛称:きのくに線】の駅で、現在は橋上駅舎となり綺麗になった駅、そして2002年までは内陸の金屋口とを結ぶ有田鉄道線が分岐していた、
藤並駅 (ふじなみえき。Fujinami Station) です。
 
尚、2022年には2011年に藤並駅を訪問した際の写真を使用した簡易版記事をUPしています。
内容はほぼ同じです⇒記事はこちら
 
  
駅名  
藤並駅 (駅番号なし)  
  
所在地  
和歌山県有田郡有田川町 (旧・有田郡吉備町)   
  
乗車可能路線  
JR西日本:紀勢本線【愛称・きのくに線】    
 
隣の駅    
新宮方・亀山方……湯浅駅    
和歌山市方…………紀伊宮原駅    
  
訪問・撮影時  
2022年8月  
 
 
駅概要  
駅形態……………地平駅(1926年開業)。
駅舎………………2008年完成の橋上駅舎。東西自由通路を兼ねています。
出入口……………西口、東口。
バリアフリー……○(エレベーターを設置。但し改札内外兼用)。
点字ブロック……各出入口~改札口~各ホーム間に設置。
駅前広場…………東西に設置(ロータリー・バス停留所・タクシー乗り場併設)。
 
 


西口です。上写真は南を、下写真は南東を望む。
かつては西口側に駅舎および出入口がありました。
階段出入口とエレベーター出入口がありますが、EVは改札内(改札口~和歌山方面ホーム)と共用なので、改札内で使用している時は使えないので注意が必要です。
出入口部分はビルになっていて、1階に冷暖房完備の待合室が、2階にコミュニティスペース「有田川町少年センター」があります。
駅舎の手前(西)に無料駐輪場があり、北側には駅前広場ロータリーがあります。
 
 

西口の北側には駅前広場ロータリーがあり、バス停留所とタクシー乗り場が設けられています。
尚、ロータリーは不完全形態で、奥から手前に向けての一方通行になっています。

写真は北を望む。
 
 

西口駅前です。西を望む。いかにも後方に木造駅舎がありそうな昭和チックな風景です。
駅西側は小さな市街地になっていて、突き当たりを左右方向に延びる県道22号線沿いには商店街が形成されています。
県道22号の裏手には国道42号線が並行しています。国道の向こう側は山地になっていて、斜面にはみかん畑が広がっています。
 
 



東口です。上写真は北を、中写真と下写真は西を望む。
以前は「駅裏」で、出入口すらありませんでしたが、橋上化により東口が開設され、完全形のロータリーを有する駅前広場が整備されています。バス停留所とタクシー乗り場も併設されています。
階段出入口とエレベーター出入口があり、やはりEVは改札内(改札口~新宮方面ホーム)と共用です。
 
 

東口側も出入口部分はビルになっていて、1階に有田川町観光案内所、トイレ・多機能トイレ、空調完備の待合室があり、2階は橋上駅舎の駅事務室などで使用されています。
 
 

東口より南を望む。右側に橋上駅舎があります。
駅前広場が南方にかけて設置されています。
左側には緑地帯があり、そこを通って東側にある住宅地とを結ぶ歩行者自転車用通路が延びています。
前方には紀勢本線を跨ぐ県道22号と阪和自動車道・有田インターチェンジのランプウェイの陸橋が見えます。
 
 

東口駅前です。東を望む。左手に駅舎があります。
駅東側は住宅とミカン畑が混在した農村地帯で、起伏に富んだ地形です。
約100m東には(実際は迂回しなければならないため500mほど歩く必要あり)、有田自動車学校があります。
そして、約400m東に阪和自動車道の有田ICと有田南ICがあり、その周囲に商店や飲食店が点在しています。
 
 

また、東口北側(写真左)の無料駐輪場や、その右側の駅前広場の場所にはかつて有田鉄道線のホームや線路がありました。
ホームはJR線の2番のりばの反対側を使用していました。出入口は西側にしかありませんでした。廃止後にホームや線路が撤去され、用地は駐輪場や駅前広場の一部に転用されました。
そして奥に延びる廃線跡は現在、サイクリングロードとして、終点だった金屋口駅跡の手前に開設された有田川町鉄道公園まで整備されています。
⇒有田鉄道線の廃線跡探訪記事はこちら
 
写真は東口前より北を望む。
 
 


橋上駅舎2階(実際は東口2階)にある改札口です。上写真は北を、下写真は東を望む。
上写真左・下写真後方が西口、上写真右・下写真前方が東口です。
 
駅員配置………あり(業務委託駅。但し無人時間帯あり。改札内外にインターホン有)。
自動改札機……△(ICカード簡易改札機のみ設置。
          紙のきっぷは駅員に要提示、無人時間帯はそのまま入場してOK)。
ICカード………利用可(『ICOCA』のエリア内)。
幅広通路………窓口に面した右側通路。点字ブロック設置。
窓口……………改札窓口のみ。『みどりの窓口』は2019年に閉鎖。
自動券売機……あり(改札口の右手前。『みどりの券売機プラス』を併設)。
自動精算機……なし(窓口まで。無人時間帯は集札箱にきっぷと不足運賃を投入して下さい)。
トイレ…………あり(改札外東口1階のみ。多機能トイレ併設)。
他改札設備……きっぷ回収箱(改札内)。コインロッカー(改札内)。ベンチ(改札外)。
付帯設備………コインロッカー(改札内)。ベンチ(改札外)。
売店……………東口1Fの観光案内所でコーヒーやソフトクリームを販売しています。  
コンビニ………なし(最寄店舗は約350m南西の「ファミリーマート」)。
 
そして1階にある各ホームとは階段・エレベーターで結ばれていて、藤並駅はバリアフリーに対応しています。
尚、エレベーターは改札外(2階~1階各駅前広場)と共用なので、改札外で使用している時は空くまで待たなければなりません。
 
 

改札口です。改札内より南を望む。
後方が新宮方面2番のりば、右手が和歌山方面1番のりばで、通路沿いにコインロッカーがあります。
改札を出て右が西口方面、左が東口方面です。
 
 

下り和歌山方面1番のりばに設置されている建植式駅名標です。非電照式ですが、反射材が使用されています。
JR西日本の標準デザインで、サイズが地方路線仕様です。
下部は「きのくに線」のラインカラーであるアクアマリンが使用されています。JR西日本のコーポレートカラーである青とは違います。
尚、きのくに線において駅ナンバリングは導入されていません。 
 
 

上り新宮方面2番のりばに設置されている縦型の駅名標です。
こちらもアクアマリンが使用されています。
 
 


駅構造……地平駅(南南西~北北東方向)。
配線………相対式ホーム2面2線。
 
右ホーム(西)が1番のりばで下り和歌山・和歌山市方面、左ホーム(東)が2番のりばで上り御坊・紀伊田辺・新宮・亀山方面です。
2番のりばから見て1番のりばは亀山方(前方)にずれています。
また、2番のりばの左側には有田鉄道線の3番のりばがありましたが、有田鉄道線廃止後に橋上化され、ホームも改良されたため、有田鉄道線が走っていた頃の面影は見られません。
そして、1番のりば和歌山市方(手前側)の右側には、国鉄時代に貨物側線が存在していた可能性があります。直接的な痕跡は見られません。
 
ホーム有効長……9両分(特急『くろしお』の停車に対応)。
ホームドア………なし。
ホーム幅…………標準レベルですが、両端は狭いです。通過列車に注意。
上屋(屋根)………1番のりばは中ほどの2両分、2番のりばは亀山寄り(奥側)の2両分に設置。 
ホーム上設備……ベンチ・飲料自動販売機。
 
1番のりば側が西口、2番のりば側が東口です。
  
2枚とも2番のりばより新宮方・亀山方を望む。
 
 


2枚とも1番のりばより和歌山方・和歌山市方を望む。左が1番のりば、右が2番のりばです。
 
 

1番のりばより新宮方・亀山方を望む。
この先、丘陵地の間を縫うようにミカン畑が広がる農村風景の中を南下し、湯浅町に入ると下り線と離れて短いトンネルを2本くぐります。そして丘陵地を出て平地に広がる住宅地の中を南西へ走るようになると、準主要駅である湯浅駅へと至ります。尚、戦前には有田鉄道線が紀勢本線と並行するように南下して、湯浅町の市街地や港へと線路が延びていましたが、戦時中に休止、戦後の1959年に正式に廃止されました。
 
 

2番のりばより和歌山方・和歌山市方を望む。
右側には有田鉄道線の廃線跡を転用したサイクリングロードが並行しています。
この先、郊外風景の中を左へカーブしながら走ると高架区間になり、並走していた有田鉄道線の廃線跡は右へ離れます。その後はみかん畑や田園の中を高架区間で北西へ走ると有田川を渡り、有田市に入ります。その後は地平に戻り、右手に山並みを遠望しながら平地に広がるミカン畑の中を西北西へ走ります。最後は左へカーブして住宅地の中を西へ走るようになると、紀伊宮原駅へと至ります。
 
 
以下は2001年訪問の写真です  
  
  

駅舎です。当時は木造駅舎で、西側にしか出入口がありませんでした。
出入口上部の駅名看板は、和歌山地区ではおなじみの仕様です。
 
 

有田鉄道線ホームです。北(金屋口方)を望む。左側にJR線の2番のりばがあります。
廃止後に有田鉄道線の設備は撤去され、東口駅前広場の一部へと転用されました。
末期の運用車両は写真の元・樽見鉄道のレールバス(ハイモ180形)が主力で、キハ58系タイプの単行気動車(キハ58003)は予備車でした。
現在はどちらの車両も有田川町鉄道公園にて動態保存されています(キハ58003はエンジン故障により、ディーゼル機関車にて牽引の上で稼働しています)。
 
 
あとがき  
下車(乗車)時・・・2002年、2011年、2022年。          
 
2002年は有田鉄道線を乗りつぶすため、2011年は有田鉄道線の廃線跡探訪のため、そして2022年は駅巡りで、それぞれ下車しました。2002年時点では西側に木造駅舎が健在でしたが、2011年訪問時には新しい橋上駅舎へと生まれ変わっていました。昔は2面3線でしたが、有田鉄道線が廃止された今は相対式ホーム2面2線へと縮小されています。駅は旧・吉備町の外れに位置しますが、駅前にはそこそこの規模の集落が形成されています。尚、広域的に見ると、ミカン畑の中に藤並駅と藤並の集落がある、といった感じでしょうか。
   
鉄路のみで(ルートは一例です)  
東京から・・・当日到達可能、日帰り往復可能。

       新幹線(新大阪)紀勢本線特急『くろしお(一部は藤並駅通過)』。 
大阪から・・・当日到達可能、日帰り往復可能。大阪環状線~阪和線(和歌山)きのくに線普通。
 
食料・飲料 (500m以内)  
コンビニ・・・・・・あり (最寄店舗は約350m南西の「ファミリーマート」)      
飲食チェーン店・・・あり (最寄店舗は約450m東の「松屋」)   
 
特に東京からの到達難易度が高いですが、紀勢本線【きのくに線】を乗り鉄の際は、ぜひ一度は藤並駅でも途中下車してみて下さい!
 
(参考:JR西日本のHP、地理院地図、Google地図、Wikipedia)