西小坂井駅【愛知県】(東海道本線【東海道線】。2020年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】シリーズは、
愛知県南東部、豊川市南部(旧・小坂井町)の豊橋市との境界近くに広がる住宅地に位置する東海道本線の駅で、名鉄名古屋本線の伊奈駅や飯田線の小坂井駅が近くにある駅、そしてJR東海管轄区間の東海道本線では最東端の無人駅である(Wikipediaより)、
西小坂井駅 (にしこざかいえき。Nishi-Kozakai Station) です。  
  
  
駅名  
西小坂井駅 (CA 43)  
  
所在地  
愛知県豊川市 (旧・宝飯郡小坂井町)   
  
乗車可能路線  
JR東海:東海道本線【東海道線】  
  
隣の駅    
熱海方・東京方……豊橋駅  
米原方・神戸方……愛知御津駅  
 
訪問・撮影時  
2020年7月  
 
 
駅概要  
駅形態……………地平駅(1945年に信号場として開業、1948年に駅として開業)。
駅舎………………あり(信号場時代の1945年完成の木造平屋建て駅舎を改修しながら現在も使用)。
出入口……………北側のみ。南からは東約370mまたは西約340mの踏切を渡って北側へ。
バリアフリー……非対応(跨線橋は階段のみ。車いすでご利用の場合は事前にJR東海へ連絡を)。
点字ブロック……駅前広場~改札~各ホーム間に設置。
駅前広場…………小さなロータリーあり。バス停留所とタクシー乗り場を併設。
 
 

 

駅舎です。上写真は南を、下写真は西を望む。
古い木造駅舎が現役ですが、改修されているため古く見えません。
出入口に段差はありませんが、跨線橋にエレベーターがないため西小坂井駅はバリアフリー非対応です。
また、出入口前には郵便ポストと飲料自動販売機が設置されています。
駅舎前には小さなロータリーがあります。
 
 

駅前です。北西を望む。左手に駅舎があります。
周辺は住宅地で、駅前には商店が点在しています。
約300m北の一帯には軍需工場があり、貨物輸送のため西小坂井駅の前身となる信号場および引込線が開設されました。
戦後は富士紡績(現・フジボウ)小坂井工場になり、引込線は専用線となりましたが、専用線は廃止となりました。現在、フジボウ小坂井工場は規模を縮小して、その跡地は他社の工場、そして宅地や店舗に転用されています。
 
一方、駅裏の南側も住宅地が広がっていますが、1kmほど南下すると一帯が田畑になっていて、ビニールハウスも多いです。また、駅の約500m南まで隣接する豊橋市の市域が迫っています。
そして、約900m南を東海道新幹線が並走しています。
 
 

駅前です。北東を望む。後方に駅舎があります。
「西小坂井」の駅名が示す通り、西小坂井駅は旧・小坂井町の(中心部)西寄りに駅があります。
写真奥へ延びる道路を進むと旧・小坂井町の中心部方面へ行けますが、実際は中心部も豊川市小坂井庁舎(旧・小坂井町役場)など公共施設があるものの、豊川市中心部と豊橋市に挟まれているためか商店は多くなく、さほど栄えていません。
現在の旧・小坂井町中心部に最も近いのは名鉄名古屋本線の伊奈駅で、西小坂井駅から700mほど北北東です。
また、飯田線の小坂井駅は昔の中心部に近く、西小坂井駅から1.3kmほど東です。
わずか1.3kmほどの範囲に豊橋へ向かう3路線の駅が並んでいます。乗降客が多いのは名古屋への利便性が高い名鉄線の伊奈駅で、その次が西小坂井駅です。
一方、豊橋への利便性が高いのは意外と飯田線の小坂井駅で、西小坂井駅や伊奈駅は豊橋方面列車が日中毎時2本なのに対し、小坂井駅は日中でも毎時4本が確保されています。なのに小坂井駅の乗降客は他の2駅と比較して圧倒的に少ないです…。
 
 

改札口です。出入口より南方向を望む。
 
駅員配置………なし(無人駅。集中旅客サービスシステム導入駅。改札内外にインターホン有)。
自動改札機……あり(3通路。但し扉のない簡易型です)。
ICカード………利用可能(『TOICA』エリア内)。
幅広通路………あり(中央通路。点字ブロック設置)。
有人通路………なし(かつては窓口跡に面した右端が有人通路でした)。
窓口……………なし(2017年、無人化に伴い改札窓口を閉鎖)。
自動券売機……あり(改札口の右手前。ICチャージ可。指定席券売機なし)。
自動精算機……なし(IC残額不足や乗り越しの場合はインターホンでお問い合わせ下さい)。
トイレ…………改札内(多機能トイレなし)。 
付帯設備………飲料自動販売機(改札外)、きっぷ回収箱・ベンチ(改札内)。  
売店……………なし(2009年まで改札外に「キヨスク」が営業していたそうです)。  
コンビニ………なし(最寄店舗は約600m北、伊奈駅西側の「ローソン」)。
 
そして改札を通って左へ曲がり、跨線橋(階段のみ)を渡ると各ホームに到達できます。
西小坂井駅はバリアフリー非対応です。
 
 

下り3番線ホームに設置の建植式駅名標です。非電照式です。
JR東海・在来線の標準デザインで、国鉄タイプと同じく所在地も併記されています。
アルファベット部分にはJR東海のコーポレートカラーであるオレンジが塗られています。
右端には東海道本線の駅ナンバリング「CA 43」が併記されています。
 
 

こちらは下り3番線ホームに設置の吊下式駅名標です。非電照式です。
結構年季が入っており、所在地がシール貼りされていることから、旧所在地の宝飯郡小坂井町が豊川市に編入された2010年以前より使用されているはずです。
 
 

 

駅構造……地平駅(概ね南東~北西方向)。
配線………単式ホーム・島式ホーム各1面の計2面3線プラス側線複数本。
 
左ホーム(北)の左側は1番線ですが、Wikipediaではこちらも島式ホームで1番線側が柵で閉鎖されていると書かれているものの、現地で確認するとホームが線路に接している部分が極端に短く(神戸方の1両分のみ)、実際にホームとして使用されていたかどうか疑わしいです。もしかしたら後にホームが削られたかもしれませんが…。尚、1番線の線路は存在しており、回送列車などが使用しています。ちなみにホーム右側は2番線(上り本線)で上り豊橋・東京方面です。
右ホーム(南)の左は3番線(下り本線、下り通過線)、右は4番線(下り副本線、下り1番線)で、いずれも下り名古屋・神戸方面です。4番線で普通列車が長時間停車して3番線を通過する快速を待避する光景が日常的に見られます。
1番線の左、4番線の右にはそれぞれ側線が1本あります。回送列車の待避や保線用側線として使用されています。4番線南の側線の外には、さらにもう1本、東京方が行き止まりの保線用側線があります。
 
ホーム有効長……12両分。
ホームドア………なし(2020年7月時点)。
ホーム幅…………2番が標準レベルで3・4番が広いですが、いずれも豊橋方(奥側)がやや狭いです。
上屋(屋根)………神戸寄り(手前側)の約1両分。跨線橋に接続しています。
ホーム上設備……ベンチ(風除け設置)。
 
各ホームの神戸方に跨線橋(屋根付き、階段のみ)があり、左側に駅舎があります。
また、2番線の神戸方の端には係員詰所があります。
 
写真は2枚とも2番線より東京方を望む。
 
 

 

2枚とも2番線より神戸方を望む。右から2番線~4番線の順です。
右の1番線は手前の東京方で線路とホームが離れています。過去の空中写真を見ても2番線は島式ホームではなく単式ホームである可能性が高いです(まぁホーム両側に線路があるため、広い意味で島式ホームであると言えますが…)。
また、現在の東海道線名古屋地区で運行される列車は最大8両編成なので、手前側のホーム東京方に発着する定期列車は存在しません。
 
 

2番線より東京方を望む。
側線を含めて計6線あるため、広々としています。すぐ先で2線(複線)に収束し、その先に下り線(右)から上り線(左)への片渡り線があります。
この先、畑の中を右へカーブしながら走り、右から飯田線(下り線)と名鉄名古屋本線(下り線)の兼用線路が寄り添うと三線区間になって豊川放水路を渡り、豊橋市に変わります。その後は左から飯田線(上り線)と名鉄名古屋本線(上り線)の兼用線路が寄り添い、飯田線・名鉄線との線路別複々線の形になって田園風景を見ながら築堤区間を南南東へ走ります。その後、飯田線・下地駅の横を通過すると豊川を渡って住宅街に入り、飯田線・船町駅の脇を通過すると右から東海道新幹線が寄り添い、地平区間になります。最後は市街地に入って新幹線も地平区間になり、左手に豊橋運輸区の車庫を見て走ると豊橋駅へと至ります。
  
  

2番線より神戸方を望む。
かつてはホーム端に構内踏切があったようですが、古い跨線橋も存在する事から、この構内踏切は業務用で使用されていたと思われます。
こちらも広々としていますが、かつては約600m先で専用線が右へ分岐し、富士紡績小坂井工場へと延びていました。戦時中は軍需工場の引き込み線だった線路でしたが、1972年頃に廃止になったようです。西小坂井駅は軍需工場への引込線の分岐点として1945年に貨物用の西小坂井信号場として開業したのが始まりで、戦後の1948年に旅客駅へと昇格しました。後に貨物取扱が終了し、現在の西小坂井駅は旅客のみの駅になっています。
 
この先、住宅地の中を北西へ走りますが、やがて沿線は畑の割合が高くなってきます。その後は国道23号名豊道路をアンダーパスして、左手に集落が見えてくると左へカーブして進路を西北西に変え、音羽川を渡って住宅地の中を走るようになると愛知御津駅(あいちみとえき)へと至ります。旧国名の「三河」ではなく県名を冠する駅で、しかも難読駅名です。
 
 
あとがき  
下車(乗車)時・・・2020年          
 
普通列車のみの停車駅ながら島式ホーム2面4線を有していて、側線も多く構内が広いですが、これは駅北西部にあった軍需工場(戦後は富士紡績)へ引込線(専用線)が分岐していた名残です。駅舎は駅構内の広さとは裏腹にコンパクトです。駅前は住宅地ですが、旧・小坂井町の中心部から西へ離れた位置に駅があるためか、中心部に近い伊奈駅と比較して乗車人員が少ないです(飯田線の小坂井駅よりは多いですが)。
  
鉄路のみで  
東京から・・・当日中に到達可能、日帰り往復可能。新幹線~豊橋で東海道線に乗換。 
大阪から・・・当日中に到達可能、日帰り往復可能。新幹線~名古屋or豊橋で東海道線に乗換。
 
食料・飲料 (500m以内)  
コンビニ・・・・・・なし   
飲食チェーン店・・・なし   
 
東京・大阪とも到達難易度はさほど高くありません。東海道本線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は西小坂井駅でも途中下車してみて下さい!
 
(参考:JR東海のHP、Google地図、Wikipedia)