新西脇駅【兵庫県】(加古川線。2018年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
兵庫県中部の西脇市中心市街地南東端に位置する加古川線の駅で、市街地から見て加古川の対岸に位置するからなのか、はたまた列車本数が非常に少ないからなのか、1日平均乗車人員が一桁と低迷している、
新西脇駅 (しんにしわきえき。Shin-Nishiwaki Station) です。
 
 
駅名  
新西脇駅 (駅番号なし)  
  
所在地  
兵庫県西脇市    
  
乗車可能路線  
JR西日本:加古川線  
  
隣の駅  
加古川方……西脇市駅  
谷川方………比延駅  
 
訪問・撮影時  
2018年3月  
 
 

 

 

新西脇駅は地平駅で、ホームに面した北側に駅舎がありますが奥まった場所に位置しており、加古川方(西)で線路と交差する幹線道路(県道347号線)から線路沿いの路地を入った場所に駅舎が鎮座しています(上写真)。駅への出入口は県道沿い(東)と、駅舎左側で接続している路地(北)の2ヶ所ですが、南側からは右手に写っている踏切を渡れば容易にアクセス可能です。
駅舎は大正14年(1925年)10月の開業当初からのもので、小さな木造平屋建てです。修繕しながら使い続けています。
出入口は傾斜が急なものの段差がなく、また改札口とホームの間の段差は階段およびスロープで解消されているため、車いすは通行可能です。但し、点字ブロックは改札内しか設置されていません。バリアフリーは部分対応といったところでしょうか。
駅前広場は整備されておらず、駅舎手前に自動車が待機できるスペースはありませんが、駅舎裏手でUターンが可能です。駅近くを走るバス路線は存在しません。
写真は3枚とも東方向を望む。
 
 

駅前です。駅舎前より西を望む。
奥を左右方向に延びる県道347号線までは80mほどあります。
右後方には右(北)へ延びる路地があり、約70mで加古川(河川名称)沿いに出られます。
 
 

駅出入口より南方向を望む。
奥に延びる道路は県道347号線です。踏切手前の左手に駅舎があります。
駅周辺は住宅地ですが、商店は少ないです。
写真奥で県道347号線から続く道路が国道175号線西脇バイパスをくぐっており、この交差部からバイパスに出入り可能です(ランプウェイがあります)。
バイパスの向こう側は山地が広がっていて、県道から続く道路は最終的に行き止まりになります。
 
そして、県道は後方(北方向)で加古川を渡って、対岸に広がる西脇市街へ通じています。
 
 

こちらは県道347号線の加古川に架かる重春橋上より北方向を望む。後方が新西脇駅方面です。
加古川の対岸には西脇市の中心市街地が広がっています。商店も多いですが、空洞化により元気がありません。
かつて市街地には播州織などの繊維工場が多かったのですが、現在は情勢の変化により減少しています。
また、西脇市街地の道路割は幹線道路などから斜めに路地が分岐するY字型の交差点が多いのが特徴で、西脇市出身の美術家・横尾忠則氏はこの交差点のある風景を描き上げた作品「Y字路」を発表しています。過去には加古川線を走る103系にも「Y字路」のラッピング編成がありました。
 
そして、約1.5km北北西には1990年まで営業していた鍛冶屋線の西脇駅があり、現在は新西脇駅が市街地東部からの最寄駅になっていますが(中央部は西脇市駅もほぼ同距離で、西部は西脇市駅が最寄)、新西脇駅の利用は場所が加古川の対岸で不便なこと、列車本数が少なくて不便なことなどから低迷しています。西脇駅跡に設置されたバスターミナルからは西脇市駅をはじめ神戸へ向かう特急バス(一部は社で乗換)や大阪へ向かう高速バスが発着しており、新西脇駅でも西脇市駅でもなく、西脇駅跡が実質的な西脇市の玄関口になっています(長距離バスは西脇市駅近くを経由)。尚、西脇駅跡と新西脇駅を直接結ぶバス路線はありません。
 
 

 

駅舎内の様子です。2枚とも出入口前より上写真は東方向を、下写真は南方向を望む。
新西脇駅は無人駅で、車内収受方式(車内精算方式)が採用されています。国鉄時代は有人駅で、改札口左側には窓口がありましたが、無人化後はカーテンに覆われています。しかし他の一部の駅のように、窓口が板で完全には塞がれてはいません。
無人化後の駅舎は実質的に待合室として使用されており、上写真左、下写真後方の壁際にはベンチが設置されています。窓口跡近くの壁面には時刻表と運賃表が掲示されています。
改札口跡はラッチが撤去され、車いすが通行可能な幅です。アスファルトで段差が解消されています。また、点字ブロックはホーム側にしか設置されていません。自動改札機は存在しません。
尚、加古川線の西脇市~谷川間は『ICOCA』のエリア外なので、当然ながらICカード簡易改札機も設置されていません。また、『ICOCA』エリア内から新西脇駅へお越しの場合は必ず乗車前に紙のきっぷを購入して下さい。もしICカードで当駅まで乗り越してしまうと、下車時に乗車駅から新西脇駅まで全区間の運賃が現金精算になってしまいます。隣の西脇市駅まで『ICOCA』エリアなのですが…。
当駅には自動券売機もありませんので、きっぷをお持ちでない場合は乗車時に車内の整理券を受け取った上で、下車駅、車掌乗務列車、途中の主要駅で精算して下さい。また、当駅は車内精算が徹底しているのか、改札口部分にきっぷ回収箱が存在しません。
トイレは駅構内にありませんのでご注意下さい。
そして駅舎を出るとホームですが、段差があります。階段(正面)とスロープ(右側)で繋がっており、新西脇駅は段差に対するバリアフリーに完全対応しています(点字ブロックは改札内のみ対応)。
尚、駅および駅前に売店・コンビニはありません。最寄りのコンビニは約360m北西、加古川の対岸に位置する「ファミリーマート」になります。
 
 

建植式駅名標です。電照式ではありませんが、反射材が使用されています。
JR西日本の標準デザインで、都市部のアーバンネットワーク区間と同じく横長のタイプですが、支柱の位置が両端ではなく奥で、内側に寄っています。
下部は加古川線のラインカラーである青緑に塗られています。
尚、加古川線に駅ナンバリングは導入されていません。
 
 

 

新西脇駅は単式ホーム1面1線の地平構造で、西南西~東北東方向にホームが延びています。当駅は開業当初より1面1線の棒線駅です。
番線は設定されておらず、下り谷川方面、上り西脇市・加古川方面とも同じホームに発着しますので、列車本数が少ないこともあり乗り間違いに要注意です。
ホーム有効長はわずか2両分で、電化時にホーム全長にわたり嵩上げされています。ホーム幅は全体的に結構狭いです。
上屋はホーム中ほどの駅舎に面した一部の範囲しか設置されておらず、しかも線路際まで届いていないため、雨天時の乗降は注意が必要です。
また、ベンチはホーム上にはありません。駅舎内にあるベンチをご利用下さい。
ホーム中ほどには駅舎とを結ぶ階段が、加古川方(手前)には駅舎とを結ぶスロープが、それぞれ設置されています。
写真は2枚とも谷川方を望む。
 
 

こちらは加古川方を望む。
手前の谷川方のホーム右側には駅舎裏の広いスペースがありますが、新西脇駅は開業以来貨物営業をしていなかった事から、側線は存在しなかったと思われます。
また、左手は崖になっており、崖上にも住宅が建ち並んでいるため現状では2線化は不可能です。まぁ、西脇市~谷川間は存廃問題が発生していることから、駅の縮小はあっても拡張することはないでしょうね…。
 
 

加古川方を望む。
この先、住宅地の中を西南西へ走り、県道347号線と踏切で交差して少し進むと左へカーブして加古川を渡りますが、支流の杉原川との合流地点で渡るため橋梁が長いです。加古川を渡り終えると工場と住宅が混在する中を西南西へ進み、やがて工場が途切れると大きく左へカーブします。そして右からやって来た鍛冶屋線の廃線跡を転用した遊歩道に寄り添って進路を南寄りに変えると、現在、西脇市の代表駅になっている西脇市駅へと至ります。当駅を境に加古川方は本数が大幅に増加します。
 
 

谷川方を望む。
この先、住宅地の中を東北東へ走ると国道175号西脇バイパスをくぐります。その直後に右から山地が接近し、左を流れる加古川も一時的に近づいて右へカーブしながら断崖区間を走るようになります。この区間にはJR西日本名物の速度規制がかかっています。加古川はすぐに離れて以後は支流の比延谷川と並走します。やがて左へカーブすると比延谷川が離れ、続いて右手の山地も付きつ離れつの状態になると農村風景の中を北東へ走ります。さらに左へカーブして比延谷川を渡ると進路を北寄りに変え、住宅と農地が混在した中をしばらく走ります。そして左手に播州織工業協同組合の工場が見えてくると比延駅(ひええき)へと至ります。
 
 
あとがき  
私が新西脇駅で下車(乗車)したのは2018年の1度きりです。兵庫県の全駅を訪問する目的の一環で下車しました(2019年7月全駅制覇済)。1面1線の棒線駅で、無人駅ですが古い木造駅舎が残っています。駅前は住宅地で、北側を流れる加古川の対岸は西脇市の中心市街地なのですが、新西脇駅の乗車人員は一桁と低迷しています。西脇市~谷川間は将来が保証されていない区間だけに、新西脇駅を含めて今後が心配です…。
 
東京からですと東海道・山陽新幹線で新大阪駅まで行き、JR神戸線の新快速に乗車して加古川駅へ。新幹線で西明石駅まで行って在来線に乗り換えてもOKです。そして加古川駅から加古川線の西脇市行きに乗車して西脇市駅で下車し、さらに谷川行きに乗り継いで当駅下車です(谷川行きの場合は加古川駅から乗換なしで到達可能)。厄神行きまたは粟生行きには乗らないで下さい。尚、西脇市~谷川間は本数が非常に少ないため、ダイヤ次第では新大阪から福知山線経由で谷川駅から加古川線に入った方が早く到着する場合もあります。若干タイトな日程になりますが、日帰り訪問可能です。
一方、大阪からですと大阪駅からJR神戸線の新快速で加古川駅まで行き、以降は上記と同じルートで到達できます。あるいはJR宝塚線~福知山線で谷川駅まで行き、加古川線に乗り換えてもOKです(谷川駅に停車する特急『こうのとり』は本数が少ないのでご注意下さい)。余裕で日帰り訪問可能です。
 
食料・飲料について、駅前にコンビニや気軽に入れる商店・飲食店はありません。最寄りのコンビニは約360m北西、加古川の対岸にある「ファミリーマート」で、ファミマの少し東にはラーメン店の「一番」があります。まぁ事前に用意しておいた方が無難でしょう。
 
東京からの到達難易度はやや高いですが、加古川線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は新西脇駅でも途中下車してみて下さい!
 
(参考:Google地図、Wikipedia)