妻鹿駅【兵庫県】(山陽電鉄本線。2019年訪問)     | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
兵庫県姫路市南部に広がる飾磨区東側の住宅地に位置する山陽電気鉄道本線(山陽電車)の駅で、すぐ西側には市川が流れている難読駅で、ローマ字表記が「巨大な」や「100万倍」などを意味する「Mega」である駅、
妻鹿駅 (めがえき。Mega Station) です。
  
 
駅名  
妻鹿駅 (SY 39)  
 
所在地  
兵庫県姫路市  
 
乗車可能路線  
山陽電気鉄道:本線   
 
隣の駅  
西代方…………白浜の宮駅  
山陽姫路方……飾磨駅  
 
訪問・撮影時  
2019年5月  
 
 

 

妻鹿駅は地平駅で、山陽姫路方(西)の南側(海側)に駅舎が設置されています。
北側(山側)には駅舎・正式な出入口が設置されておらず、駅舎へアクセスするにはすぐ西にある踏切を渡って南側へ回る必要があります。
駅舎は1983年に改築されたもので、平屋建てかつ簡易な構造です。出入口が広く取られています。出入口には郵便ポストと飲料自動販売機が設置されています。
出入口に段差がありますが、階段のほかにスロープが設けられており、バリアフリーに対応しています。
上写真は北方向を、下写真は東方向を望む。
 
 

また、駅舎の南側築堤下には駅前広場(ロータリー)が整備されていて、駅舎前との間はスロープで結ばれています。
ただし、ロータリー内にバス停留所とタクシー乗り場は設けられていません。駅近くにバス停はありません。
ロータリー南側には立体式の無料駐輪場があります。
写真は南東を望む。
 
 

駅前です。駅舎出入口より西方向を望む。
前方には市川が右から左へ流れており、その市川の左岸道路(県道517号線)に面して駅舎が設置されています。
右側には山陽電車の市川橋梁があり、それに並行して歩行者自転車用の「なかよし橋」が架けられていて、市川の対岸からも容易に妻鹿駅へアクセス可能です。
市川西岸は多少農地が残っているものの住宅地が広がっていますが、市川近くの地区は飾磨駅から若干距離がある事から、なかよし橋を渡って妻鹿駅を利用する人も結構見受けられました。
 
 

駅前です。南方向を望む。
左手に駅舎と駅前広場があり、後方に踏切があります。
右側を市川が流れており、山陽電車の市川橋梁と歩行者自転車用の「なかよし橋」が架けられています。
駅南側は妻鹿地区の中心部で、古くからの町並みが広がっています。商店は昔と比べて減少しているようですが…。
駅前の案内板によると、町並みの中には「妻鹿町史料館」「神宮寺と屋台蔵」「教念寺仏足石」「固寧倉」「御幸岩神社」があります。最も遠い御幸岩神社でも850m程度と、全て徒歩圏内です。
また、町並みの南側は播磨灘に面した港湾地区で、工業地帯になっています。
約1.9km南の播磨灘沿い市川河口付近には「パナソニック液晶ディスプレイ」の本社工場があります(写真奥)。妻鹿駅は徒歩での最寄駅ですが、工場へのバスは1駅東の白浜の宮駅前からしか出ていないため、公式なアクセス駅は白浜の宮駅になっています。その白浜の宮駅では朝夕(土休日を含む)に直通特急が停車しています。
 
 

駅前です。北方向を望む。
右手に駅舎と駅前広場があり、前方に踏切があります。
左側を市川が流れており、山陽電車の市川橋梁と歩行者自転車用の「なかよし橋」が架けられています。
駅北側は田園風景が広がっていましたが、昭和後期より徐々に宅地化されました。商店は少ないです。
約650m北東には姫路市立飾磨高等学校がありますが、妻鹿駅では通学生の利便性を図るため写真右前方、踏切を渡った先の右側には学生専用出口が設置されています(後述)。
飾磨高校の南側には元宮八幡神社があり、飾磨高校の裏山に相当する御旅山には多数の古墳が存在します。御旅山はハイキングコースにもなっています。
また、写真奥に見える甲山(標高98m)の山頂には妻鹿城(国府山城、功山城)の城址が存在します。妻鹿城跡(妻鹿城址)へは市川沿いにの南西側山麓に鎮座する荒神社から登山する形になりますが、駐車場がありませんので、ぜひ山陽電車の妻鹿駅をご利用下さい。
 
 

改札口です。出入口より東方向を望む。
妻鹿駅の正式な改札口はこの1ヶ所のみです。
妻鹿駅は無人駅です。窓口はシャッターが下ろされており、そこに掲示板が設置されているため、臨時で窓口が開く可能性もほぼゼロです。改札内外にインターホンが設置されています。
交通系ICカード『PiTaPa』などに対応の自動改札機が2通路あり、左が幅広通路、右が点字ブロック設置通路です。窓口に面した右端は有人通路だったと思われますが、時刻表(改札外)と掃除道具入れ(改札内)により通行不能になっています。
改札口の右手前には自動券売機があり、改札内には自動精算機があります。いずれもICカードのチャージが可能です。
そして、改札口を通って前方の階段またはスロープを登ると下り山陽姫路方面ホーム、改札口を通ってすぐ左の構内踏切を渡り、右へ曲がって階段orスロープを登ると上り西代・神戸方面ホームです。妻鹿駅はバリアフリー対応です。
トイレは上り線ホーム側にあります(多機能トイレはありません)。
尚、妻鹿駅構内および駅前に売店・コンビニはありません。最寄りのコンビニは約700m南西、市川対岸の旧・国道250号(旧浜国)沿いにある「ファミリーマート」になります。
 
 

こちらは踏切北側(上り線ホーム側)にある学生専用出口です。東方向を望む。
おそらく駅北側にある姫路市立飾磨高等学校の通学生用に設置された出口と思われますが、改札設備は一切ありません。
現在はICカード定期券が主流になってきているため、この出口が現在も使用され続けているかどうかは不明です。
この出口の先(改札内)は通路で、通路沿いには物置やトイレがあります。さらに先には各ホームと構内踏切があり、反対側の下り線ホーム側からもこの出口へアクセス可能です。
また、出口と線路の間にある架線柱の土台は明らかにホーム跡で、昔はどのような駅構造だったのか気になります…。
 
 

こちらは構内踏切です。北方向を望む。
手前左側に駅舎・改札口があり、手前右側に下り線ホームがあります。
構内踏切を渡って右手に階段が、左奥にスロープがあり、右側にある上り線ホームに繋がっています。
さらに構内踏切を渡って左側にはトイレと前述の学生専用出口があります。
構内踏切の先の左側にある配電盤は、ホーム跡に設置されています。
上り線ホームが構内踏切によって遮断されているようにも見えますが、元からあった構内踏切を拡幅したのか、はたまた昔は学生専用出口の場所に上り線駅舎があり構内踏切が存在しなかったのか、真相は不明です。
 
 

上り線ホーム側壁に設置されてい駅名標です。コードが伸びているので電照式と思われます。
山陽電鉄の標準デザインですが、書体が新しいです。駅番号導入後に取り替えられた可能性もあります。
また、ローマ字表記(アルファベット表記)が「Mega(メガ)」で、インパクトが大きいです(私だけがそう思っているかもしれませんがw)。
駅ナンバリングも併記されています (SY 39)。
ちなみに、「妻鹿」という地名について、Wikipediaの本文を引用しますと(一部編集)、
『このあたりに住んでいたつがいの鹿のうち、牡鹿が播磨灘に浮かぶ家島諸島へと渡り牝鹿が残ったことに由来するという。対応して家島諸島に男鹿島(たんがじま)がある。妻鹿地区は、灘のけんか祭りで知られる松原八幡神社の氏子の旧七カ村の一つである』
との事です。
そして妻鹿地区も含む広域地名「飾磨(しかま)」もその昔は「鹿間(しかま)」と表記されていたようで、鹿と関係しています。
 
 

上り線ホームに設置されている建植式駅名標です。非電照式です。
こちらも書体が新しいです。ローマ字表記は「Mega」です。
右下の「しらはまのみや」がシール貼りされていますが、推測ですと白浜の宮駅は文字数が多くて後から駅ナンバリングを貼付するスペースがなかったため、文字の間隔を詰めて駅番号を併記したシールを貼り付けたと思われます。
「しらはまのみや」のみが青字になっています。
 
 

 

妻鹿駅は相対式ホーム2面2線の地平構造(一部盛土高架構造)で、南東~北西方向にホームが延びています。ホームはカーブを描いています。
番線は設定されていません。
駅舎に面した右ホーム(南)が下り山陽姫路方面で、構内踏切を挟んで反対側にある左ホーム(北)が上り西代方面・神戸方面です。
ホーム有効長は4両分です。ホームドアはありません。ホーム幅は一部盛土上という制約もあり、山電の駅にしては結構狭いです(それでも一定の広さは確保されています)。
上屋ですが、上下線ホームとも山陽姫路寄り(手前側)の1両弱分とスロープにしか設置されていません(改札口~下りホーム上家下まではスロープ経由で雨に濡れずに移動できますが、上り線ホーム~駅舎間は構内踏切が雨ざらしになります)。ホームには雨ざらしの部分が多いので、雨天時の乗降は要注意です。
各ホームとも上屋下にはベンチがあります。上り線ホームの山陽姫路方の端(構内踏切の後方)にトイレと学生専用出口があり、下り線ホームの山陽姫路方の端(構内踏切の後方)に駅舎・改札口があります。妻鹿駅はバリアフリーに対応しています。
 
上写真は構内踏切より、下写真は上り線ホームより、いずれも西代方・神戸方を望む。
 
 

こちらは上り線ホームより山陽姫路方を望む。左側が下り線ホームです。
手前の西代方は築堤上にホームが設置されており、撮影地点の少し前方の直下を道路が交差しています。
左奥の下り線ホーム山陽姫路方の端に駅舎・改札口があります。
 
 

上り線ホームより西代方・神戸三宮方を望む。
この先、住宅街の中を南東へ走り、正面に迫る御旅山をトンネルで突き抜けます。トンネル左側の山上には松原八幡神社(松原八幡宮)の御旅所と白浜西山公園があり、妻鹿駅周辺を一望可能です。トンネルを出ると左へカーブして白浜地区の住宅街の中を東へ走ると白浜の宮駅へと至ります。「灘のけんか祭り」が行われる松原八幡神社への最寄駅です。
 
 

上り線ホームより山陽姫路方を望む。
各ホーム端の先に構内踏切があり、左の下り線ホーム側には駅舎・改札口があり、右の上り線ホーム側にはトイレと学生専用出口があります。線路とトイレの間の、配電盤があるスペースはホーム跡です。
この先、すぐに踏切を通過すると市川を渡ります。左側には歩行者自転車用の「なかよし橋」が並行しています。市川を渡り終えると下り勾配のち平坦になり、農地が一部残る住宅地の中を西北西へ走ります。そして緩やかに左へカーブして外堀川を渡ると市街地に入り、直通特急停車駅で網干線との分岐駅である飾磨駅へと至ります。車庫も併設されています。
 
 
あとがき  
私が妻鹿駅で下車(乗車)したのは2019年の1度きりです。兵庫県の全駅を訪問する目的の一環で下車しました(2019年7月全駅制覇)。駅名のインパクトが強くて以前より知っていましたが、なかなか途中下車できませんでした…。市川のほとりにある相対式ホーム2面2線の駅で、南側のみに駅舎があります。駅前は住宅地で、南側には昔ながらの集落が広がっています。
 
東京からですと東海道新幹線で新大阪駅まで行き、JR神戸線方面の下り新快速に乗り換えて明石駅で下車します。そして隣接する山陽明石駅から山陽電鉄本線の下り直通特急に乗車して大塩駅下車、さらに待避している普通車に乗り換えて当駅下車です。あるいは新幹線で姫路駅まで行き、隣接する山陽姫路駅から本線の上り普通車でアクセスしてもOKです。じゅうぶん日帰り訪問可能です。
一方、大阪からですと大阪駅からJR神戸線の新快速に乗り明石駅または姫路駅まで行き、以降は上記のルートで到達できます。あるいは阪神の大阪梅田駅から直通特急で大塩駅まで行き、普通車に乗り換えるルートもあります。こちらの方がJR経由より運賃が安く、フリーきっぷの「阪神・山陽 シーサイド1dayチケット」を使えば大人2,200円で往復可能です(正規の往復運賃:2,500円)。余裕で日帰り訪問可能です。
 
食料・飲料について、駅前にコンビニ、気軽に入れる商店・飲食店はありません。最寄りのコンビニは約700m南西、市川対岸の旧・国道250号(旧浜国)沿いにある「ファミリーマート」になります。必ず事前に用意しておいて下さい。
 
東京からの到達難易度はやや高いですが、山陽電鉄本線を乗り鉄される際は、ぜひ一度は妻鹿駅でも途中下車してみて下さい!
 
(参考:山陽電気鉄道のHP、Google地図、Wikipedia)