向河原駅【神奈川県】(南武線。2020年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
神奈川県川崎市中原区東部の多摩川近くに広がる住宅街に位置する南武線の駅で、西側には川崎市内にある南武線の駅では数少ない高架駅であり、駅西側には日本電気(NEC)の事務所が入居する高層ビル「NEC玉川ルネッサンスシティ」や工場で構成されるNEC玉川事業場の敷地が広がっている、
向河原駅 (むかいがわらえき。Mukaigawara Station) です。
 
 
駅名  
向河原駅 (JN 06)  
 
所在地  
神奈川県川崎市中原区   
 
乗車可能路線  
JR東日本:南武線  
 
隣の駅  
川崎方……平間駅  
立川方……武蔵小杉駅  
 
訪問・撮影時  
2020年6月  
 
 

 

向河原駅は地平駅で、線路東側の上り川崎方面ホーム立川方(北端部)に駅舎・改札口があります。
線路西側に常設の改札口はなく、西側から駅へアクセスするには駅のすぐ北側にある踏切(上写真右)を渡って東側へ回る必要があります。
 
駅舎は東西方向に延びる駅前通りから少し入った場所にあります。
出入口は歩道に面していないため、飛び出し注意です。
駅舎は見るからに相当古く、もしかしたら1930年の開業当初からのものかもしれませんが、詳細は不明です。
駅舎出入口は開口部が広く取られており、駅外と駅舎内に段差はなくバリアフリーに対応しています。
出入口の通路には横浜銀行のATMがあり(キオスク跡)、駅舎出入口右側には飲料自動販売機と証明写真発行機があります。
尚、向河原駅には駅前広場やロータリーがありません。バス停留所は約220m東の南武沿線道路沿いに設けられています。
また、右側の踏切を渡って左側のNEC敷地内には向河原駅前広場公園があり、ロータリーも併設されていて事実上の駅前広場になっています。
この向河原駅前広場公園の東側線路沿いには後述のNEC専用改札口があります。
 
写真は2枚とも南を望む。
 
 

駅前です。北を望む。駅舎を出た地点のの風景です。後方に駅舎があります。
正面を駅前通りが左右方向に延びていて、左手に踏切があります。
右側には「セブンイレブン」があり、事実上の駅ナカコンビニとしても機能しています。
ちなみに駅構内にJR東日本系のコンビニ「ニューデイズ」はありません。
 
 

駅前です。東を望む。
右手に駅舎があり、後方に踏切があります。
東へ延びる駅前通りには商店街(向河原商栄会)が形成されていて賑やかですが、道幅が狭く、自動車の通行量も多いため、危険な面もあります。
駅東側は古くからの住宅街で、戸建住宅とマンションが混在しています。
約160m先(奥)で南武沿線道路(川崎市道)と交差します。さらに200mほど東へ歩けば多摩川の河川敷に到達します。対岸は東京都大田区の住宅街で、付近には東急多摩川線・鵜の木駅があります。
 
 

 

駅前です。西を望む。上写真が暗くて見づらく申し訳ありません。
左手に駅舎があり、前方には踏切があります。この踏切は「開かずの踏切」として有名で、そのため2022年には踏切遮断時間を調整できる新タイプの踏切に置き換えられています。
踏切を渡って左手には向河原駅前広場公園とNEC専用改札口があります。
駅西側一帯は住宅や商店が存在せず、NEC(日本電気)の玉川事業場で占められています。
事業場の中央部を駅前道路が横切っており、右(北)の「くすのきエリア」にはNEC玉川事業場の工場などがあり、左(南)には2つの高層事務所棟で構成される「NEC玉川ルネッサンスシティ」やNEC中央研究所などがあります。
駅舎が線路の東にあり、NEC玉川事業場が線路の西にある事から、NEC関係者の利便性を確保するため、通勤時間帯のみ線路西側に設置されているNEC専用改札口が営業します。
また、約750m南の南武線沿いには川崎市立橘高等学校があります。
 
そして、駅前道路を奥(西)へ進むとJRの品鶴線(横須賀線・湘南新宿ライン)と東海道新幹線をくぐり、すぐに右へ曲がるとJR線の武蔵小杉駅新南口に到達します(向河原駅から約400m)。場所によっては横須賀線、湘南新宿ライン、相鉄・JR直通線の電車に乗車する場合は向河原駅から南武線に乗って武蔵小杉駅で乗り換えるより、直接武蔵小杉駅新南口へ行った方が便利なケースがあります(武蔵小杉駅の南武線ホームと横須賀線ホームが離れているため)。一方、東急線の武蔵小杉駅は約800m、南武線の武蔵小杉駅は約1km離れており、特に駅東側からですと東急線にご乗車になる場合は向河原駅から南武線で武蔵小杉駅まで行った方が楽です(但し、南武線の運賃が別途必要になりますが)。
武蔵小杉エリアには多数のタワーマンションが林立しており、向河原駅前からも武蔵小杉のタワーマンション群を望めます。東急線や南武線の武蔵小杉駅前には商店や商業施設が多数あります。
 
 

改札口です。出入口より南を望む。
向河原駅は有人駅(業務委託駅)ですが、早朝に無人時間帯があり、一部の自動券売機が稼働しないため、自動券売機前には乗車駅証明書発行機があります。早朝にきっぷを購入できない場合は乗車駅証明書を所持の上で入場し、途中駅できっぷを購入、または下車駅で精算する事になります。改札内外にはインターホンが設置されています。
交通系ICカード『Suica』などに対応の自動改札機が3通路あり、一番左の自動改札通路が幅広通路です。窓口に面した左端には点字ブロック設置の幅広有人通路があります。
改札口の左手前には指定席券売機がありますが、この付近には2007年まで『みどりの窓口』がありました。指定席券売機の手前には自動券売機があります。また、改札内には自動精算機があります。
そして改札口の先には手すり付きのスロープがあり、これを登ると上り川崎方面1番線ホームに到達します。1番線に出てすぐ左手にはトイレと多機能トイレがあります。
また1番線に出てしばらく直進すると跨線橋があり、下り立川方面2番線ホームに通じています。跨線橋にはエレベーターが併設されており、バリアフリーに対応しています。
尚、駅構内に売店・コンビニはありませんが、駅舎の目の前にコンビニエンスストア「セブンイレブン」があります。
 
 

 

こちらは向河原駅前広場公園東側の線路沿い、下り立川方面2番線ホームの立川方(北端)に位置するNEC専用改札口です。東を望む。
以前は文字通りNEC関係者の専用改札口でしたが、今は一般客も利用可能になっています。ホーム上屋と一体になった簡素な屋根に覆われています。
但し、開設時間はNECに合わせられていて、平日の7:00~10:00と17:15~19:00に限定されるので、注意が必要です。それ以外の時間帯は閉鎖されています。
簡易Suica改札機が入場用1台、出場用3台設置されていますが、出勤時間に降車客が集中する傾向と思われます。
左端にはプレハブ小屋がありますが、営業時間には係員が常駐しているかもしれません。
尚、IC専用とは大々的には書かれていないものの、このNEC専用改札口はIC専用改札口ですIC以外の定期券や乗車券をお持ちの場合は正規の改札口へお回り下さい。
ただし、NEC専用改札口にはICチャージ機が一切ありませんので、チャージが必要な場合も正規の改札口へお回り下さい。
NEC専用改札口はあくまでも定期券で通勤するNEC関係者をメインターゲットにしているため、一般客の肩身が狭くなるのも致し方ありません。一般開放されただけでも十分良心的です。
後方(西)には向河原駅前広場公園があり、さらに後方には「NEC玉川ルネッサンスシティ」があります。
 
 

下り2番線ホームに設置されている吊下式駅名標です。電照式で、バックライトはLEDですが、NEC製のLEDライトが使用されているかどうかは不明ですw
JR東日本の標準デザインで、矢印の中央には南武線のラインカラーである黄色が表示されています。
また、駅ナンバリングも併記されています (JN 06)。
 
 

向河原駅は相対式ホーム2面2線の地平構造で、概ね南北方向にホームが延びています。
左ホーム(東)が1番線で上り川崎方面、右ホーム(西)が2番線で下り立川方面です。向河原駅には各駅停車のみが発着します。
ホーム有効長は6両分で、1番線は7両弱あります。2020年6月時点においてホームドアは未設置でした。ホーム幅はやや狭くなっており、跨線橋の階段部分や2番線の川崎方の端(写真右奥)はかなり狭くなっています。
上屋は各ホームとも列車が停車する6両分に設置されています(各ホームとも列車が停車しない川崎方の端は雨ざらしになっています)。
各ホームにはベンチと飲料自動販売機があり、1番線にはトイレと多機能トイレも設置されています。
1番線の立川方の端(後方)にはスロープと駅舎・改札口があり、2番線の立川方の端(右後方)にはNEC専用改札口があります。
そして中ほどには両ホームを結ぶ跨線橋があります(階段・EV併設)。
 
ちなみに発車メロディーは、
1番線……JR-SH2-1   
2番線……JR-SH5-1   
です。
 
写真は1番線より川崎方を望む。
 
 

こちらは2番線より立川方を望む。
2番線の反対側(左)にはかつて貨物側線が複数あり、昔存在した向河原駅と品鶴線の新鶴見操車場を結ぶ連絡線(貨物線)との中継や隣接する日本電気工場の貨物を取り扱っていた可能性がありますが、現在は痕跡がほとんど残っていません。跡地は駐輪場や駅西側の南北間を結ぶ通路などに転用されています。
 
 

 

こちらは2番線より立川方を望む。
2番線の立川方の端にはNEC専用改札口があります。
前述の通り営業時間が平日の7:00~10:00と17:15~19:00のみなので、それ以外の時間帯は閉鎖されています。
ホームと改札口の高低差は階段でしか結ばれていないため、バリアフリー非対応です。
階段を下りて左手に改札口があり、そのまま直進すると「NEC玉川ルネッサンスシティ」に到達します。
 
 

2番線より川崎方を望む。
ホーム端は立入可能ですが、列車が停車しないため、国鉄時代のままの姿が残っています。
また、ホーム端の先で右から貨物側線が合流していて、さらに右前方へは新鶴見操車場とを結ぶ連絡線(貨物線)が分岐していました(既に廃止)。
この先、左手に住宅街を、右手にNEC玉川事業場を見て南下しますが、やがてNEC玉川事業場が途切れると右側も住宅街へと変わります。約300m西を品鶴線(横須賀線)が並行しています。そして右手に川崎市立橘高等学校が見えてくると左へカーブして進路を南南東に変え、その後は右手にABCハウジング新・川崎住宅公園を見ながら住宅街の中を走ると、平間駅へと至ります。
 
 

1番線より立川方を望む。
ホーム端にスロープがあり、その先に駅舎・改札口があります。また、左の2番線ホームの端にはNEC専用改札口が見えます。
この先、右手に住宅街を、右手にNEC玉川事業場や武蔵小杉のタワーマンション群を見ながら北上すると大きく左へカーブします。そして進路を西寄りに変えると横須賀線、東海道新幹線、綱島街道(県道2号線)をアンダークロスして市街地に入り、武蔵小杉駅へと至ります。東急東横線、東急目黒線との乗換は楽ですが、横須賀線、湘南新宿ライン、相鉄・JR直通線との乗換は最短でも300mほど歩くことになるため、乗り換える場合は時間に余裕を持ってお出かけ下さい。
 
 
あとがき  
私が向河原駅で下車(乗車)したのは2020年の1度きりです。東京都の全駅を訪問する目的の一環とは別に、都内に近い駅なので下車しました。2面2線の駅で、古い駅舎が残っており、南武鉄道時代の雰囲気を色濃く残しています。駅前は東側が住宅街、西側が工業地「NEC玉川ルネッサンスシティ」と二分されています。NECの西側には武蔵小杉のタワーマンション群も望めますが、武蔵小杉駅も徒歩圏内にあります。
 
新宿駅からですと埼京線、湘南新宿ライン、相鉄・JR直通線に乗り武蔵小杉駅で下車、南武線上り川崎方面各駅停車に乗り換えて(快速はNG。行先不問)、当駅下車です。余裕で日帰り訪問可能です。
一方、大阪からですと東海道新幹線に乗り品川駅まで行き、横須賀線の久里浜方面行きに乗り換えて武蔵小杉駅で下車。さらに南武線の川崎方面各駅停車に乗り継いで(行先不問)、当駅下車です。あるいは品川駅から東海道線or京浜東北線で川崎駅まで行き、南武線下り各駅停車に乗り換えても到達できます。じゅうぶん日帰り訪問可能です。
 
食料・飲料について、駅前にコンビニがあるものの、駅前に飲食店は少ないです。気軽に入れるチェーン店は駅東側にある「ドトールコーヒーショップ」くらいでしょうか。心配な場合は事前に用意しておきましょう。
 
大阪からの到達難易度もそう高くありません。南武線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は向河原駅でも途中下車されてみて下さい!
 
(参考:JR東日本のHP、Departure Melody Room、Google地図、Wikipedia)