木津駅【兵庫県】(神戸電鉄粟生線。2017年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
兵庫県神戸市西区北東端の山あいに広がる農村部に位置する神戸電鉄粟生線の駅ですが、駅南側山間部を切り開いて神戸複合産業団地が開発されたため、全体的な利用者数が減少傾向にある粟生線において唯一利用者数が増加傾向にある駅、そして六甲国際ゴルフ倶楽部の最寄駅であるため、毎年6月に開催される「宮里藍 サントリーレディスオープンゴルフトーナメント」の際は多くのギャラリーが押し寄せる、
木津駅 (きづえき。KIZU Station) です。
 
 
駅名  
木津駅 (KB 44)  
 
所在地  
兵庫県神戸市西区  
 
乗車可能路線  
神戸電鉄:粟生線  
  
隣の駅  
鈴蘭台方……藍那駅    
粟生方………木幡駅    
 
訪問・撮影時  
2017年11月  
 
 

 

木津駅は地平駅で、橋上駅舎を有しています。1999年に橋上化されました。
屋根なしの南北自由通路東側に橋上駅舎の出入口があります。出入口に段差はありません。出入口前には飲料自動販売機があります。
南北自由通路は北口に階段とエレベーターがありますが、南口は地形の関係もあり、丘陵地に位置する出入口と橋上駅舎の間はスロープ状のデッキで結ばれています。バリアフリー対応です。尚、南口出入口と橋上駅舎の間は谷になっていますが、谷から直接デッキへ上がる階段がないため、この谷(民家はありません)から木津駅を利用するには木津川を渡って下り線ホーム裏手を西へ進み、駅西側にある踏切を渡って北口を利用する必要があります。
上写真は南を、下写真は北東を望む。
  
 

こちらは北口です。南を望む。昔は北側のみに駅舎または出入口があったと思われます(昔に駅舎が存在したかどうかは不明ですが…)。
北口は一般的な橋上駅舎の外観・雰囲気であり、右側に屋根なしの階段が、中央部にエレベーターがあります。
右手には電話ボックスと無料駐輪場があります。
尚、北口には駅前広場がありません。バス停留所は後述の南口側にあります。
 
 

北口駅前です。南北自由通路より北北西を望む。右手に北口があり、後方に橋上駅舎出入口があります。
駅北側は駅改良後も昔ながらの里山風景が広がっています。明石川の谷に集落と田園風景が混在しています。商店は見られません。
写真奥にはシブレ山などの山並みがそびえています。
約2km北東の山中には「六甲国際ゴルフ倶楽部」があり、毎年6月第2週に行われる「宮里藍 サントリーレディスオープンゴルフトーナメント」の際は当駅が観戦客で混雑するため、西鈴蘭台止まりの列車を押部谷まで延長運転することで多客対応しています。
 
 

 

こちらは南口です。北東を望む。
南口駅前は丘陵上の橋上駅舎2階よりやや高い位置にあるため高低差が小さく、出入口と橋上駅舎の間は緩勾配のスロープで結ばれています。手すりと点字ブロックもあり、バリアフリー対応です。
スロープを下った先の右手に橋上駅舎があり、そのすぐ先に北口があります。
出入口の右側には無料駐輪場があります。
また、スロープは陸橋になっており、谷を跨いでいます。谷底には線路に沿って木津川が流れており、その南は田んぼになっています。
谷底へ行くには、北口から出て駅西側の踏切を渡り、南へ回る必要があります。
 
 

また、南口には大きなロータリーを有する駅前広場があり、バス停留所が併設されていますが、タクシー乗り場はありません。
このロータリーは2車線あり、中にはタクシープールと思われる空間もある大規模なものですが、タクシーの需要がほとんどなく、またトラックや乗用車の違法駐車が絶えなかったのか、内側車線を含むロータリー内部をガードレールで包囲して、違法駐車対策をしています。
写真は南を望む。左後方に南口出入口があります。
 
 

南口駅前です。南西を望む。後方に南口出入口があります。
こちらの南口駅前は山林が広がっていましたが、1990年代に神戸市により山を切り崩して造成・開発され、1998年に内陸型の「神戸複合産業団地(神戸テクノ・ロジスティックパーク)」が誕生しました。愛称の通り多くの工場や倉庫が立地しており、この神戸複合産業団地の効果で木津駅が橋上駅舎化され、利用客が減少一途の粟生線各駅の中で、木津駅だけが大幅な利用者増を果たしています。
南口駅前は神戸複合産業団地の北東端に位置しています。駅前からも工場や倉庫が見られますが、空き区画もまだまだ多いです。
コンビニなど商店は駅前に存在しません。民家も南口側には見られません。
また、右手は工場ではなく神戸西インター自動車学校です。神戸西インターとは、産業団地を南北に貫く山陽自動車道木見支線と神戸淡路鳴門自動車道の接続地点にあるインターチェンジの事で、神戸複合産業団地は木津駅に近いことよりも高速道路の神戸西インターチェンジに近いことを「売り」にしています。
そして、約400m南の産業団地内には「こうべ環境未来館」があります。
 
 

橋上駅舎2階にある改札口です。出入口より南東を望む。左が北口、右が南口です。
木津駅は無人駅で、駅務遠隔システム(駅集中管理システム)が導入されています。窓口はシャッターが下りています。改札内外にきっぷ確認用カメラ搭載のインターホンが設置されています。
交通系ICカード『PiTaPa』などに対応の自動改札機が3通路あり、窓口に面した右端が点字ブロック設置で車いす通行可能な幅広通路です。
改札口の右手前には自動券売機が2台あり、改札内には自動精算機があります。いずれもICカードのチャージが可能です。
企画乗車券自動販売機はありません。
トイレ・車いす用トイレは改札内にあります(オストメイト設備なし)。
そして1階にある各ホームとの間は階段とエレベーターで結ばれており、バリアフリーに対応しています。
尚、木津駅構内に売店・コンビニはなく、駅前にもコンビニはありません。最寄りのコンビニは約1.5km南の神戸複合産業団地内にある「セブンイレブン」ですが、遠いです…。
改札口の左手前および出入口前には飲料自動販売機が設置されています。
 
 

上り2番線に設置されている吊下式駅名標です。電照式です。
書体が新しく、隣駅にもルビが振られていますが、最新タイプではなく、1990年代後半に採用された過渡期のタイプです。橋上駅舎化に更新されたっきりで、老朽化しています。
駅ナンバリングが追加されています (KB 44)。
 
 

木津駅は相対式ホーム2面2線の地平構造で、南東~北西方向にホームが延びています。
右(南西)が1番線で下り志染・粟生方面、左(北東)が2番線で上り鈴蘭台・新開地方面です。
ホーム有効長は5両分あり、以前の5両運転に対応していました(現在は4両編成が最長)。
ホームドアはありません。ホーム幅は全体的に狭く、奥の鈴蘭台方はかなり狭くなっています。
上屋は1番線が粟生方(手前側)の約4両分、2番線が粟生方の3両強分にそれぞれ設置されています。下り列車は全て上屋内に収まりますが、雨天時に上り列車に乗って木津駅で下車される際は粟生方の後方3両にご乗車下さい。また、ホーム中ほどは南北自由通路と橋上駅舎に覆われています。
1番線にはベンチが、2番線には飲料自販機と待合室(ベンチあり。空調の有無は不明)が設置されています。
写真は2番線より鈴蘭台方を望む。
 
 

2番線より粟生方を望む。
こちらの鈴蘭台方の端は5両編成の列車のみが停車していましたが、現在は5両運転の列車が廃止されたため、この場所は使用されておらず、点字ブロックが撤去されています。
また、写真左奥には橋上駅舎と南口駅前広場を結ぶ連絡橋が見えます。
 
 

2番線より鈴蘭台方を望む。複線区間は1.1km先の川池信号所まで続きます。
また写真奥では山陽自動車道木見支線の高架橋が左右方向に延びており、神鉄粟生線を跨いでいます。
この先、すぐに木津川を渡って、右へカーブしながら木津川の谷に形成された里山風景の中を走り、山陽道をくぐると一旦は南へ進みますが、すぐに左へカーブして東へ進路を変えます。そして左手にため池である川池が見えてくると川池信号所に差し掛かり、ここを境に複線から単線になります。その後は北区へと変わり、一気に山深くなってきます。単線ですが、複線化用の路盤も見えます。しかし、神鉄の懐事情や粟生線の利用状況を考えると複線化されることはないでしょうね…。そして東へ走り続け、短いトンネルを抜けて右へカーブすると山間部に民家が現われ、県道52号をアンダーパスしてその県道52号が左側を並走するようになりますが、この県道を粟生線の強敵である神姫バスの恵比寿快速線が通っています。最後は集落内を左へカーブして進路を南東から東へ変えると、山間部の駅である藍那駅へと至ります。
 
 

 

2番線より粟生方を望む。複線区間は3駅先の押部谷駅まで続きます。
各ホーム端には階段がありますが、橋上化以前はこれらの階段がホーム出入口だったかもしれません。構内踏切もあったかもしれません(駅出入口は北側のみだったと思われますが、橋上化以前に駅舎があったかどうかは不明です)。ホームの先には北口と駅南側の谷底を結ぶ道路の踏切があります。

 
この先、木津川を渡って左へカーブをしながら右手に里山風景を見て走ります。進路を西寄りに変えると右手に見津車庫が現われ、再び木津川を渡る地点で見津車庫の出入庫線が合流します(見津信号所)。その後も里山風景の中を走りますが、左前方の丘に住宅団地が見えてくると右へカーブして進路を北西に変え、木幡駅へと至ります。
 
 
あとがき  
私が木津駅で下車(乗車)したのは2017年の1度きりです。兵庫県の全駅を訪問する目的の一環で下車しました(2019年7月全駅制覇達成)。神戸市内の駅でありながら田舎の雰囲気が色濃い駅でしたが、神戸複合産業団地ができたことにより、駅南側は様子が一変しました。また、粟生線では希少な橋上駅舎を有しています。
 
東京からですと東海道・山陽新幹線で新神戸駅まで行き、神戸市営地下鉄西神・山手線の西神中央方面行き電車に乗り換えて湊川公園駅で下車します。そして隣接する湊川駅から神戸電鉄粟生線に直通する志染行き、三木行き、小野行き、粟生行き、押部谷行き(現在は設定なし)のいずれかに乗車して当駅下車です(種別は準急or普通。但し、西鈴蘭台行きは乗車不可)。あるいは新神戸駅から神戸市営地下鉄北神線で谷上駅まで行き、神戸電鉄有馬線の新開地行きに乗り換えて鈴蘭台駅で下車、粟生線に乗り換えてもOKです。じゅうぶん日帰り訪問可能です。
一方、大阪(梅田)からですと阪神本線の阪神特急・直通特急または阪急神戸本線の特急・新開地行きに乗って新開地駅まで行き、神戸電鉄粟生線直通の志染行き、粟生行き、小野行き、三木行き、押部谷行き(設定なし)のいずれか(準急or普通)に乗り換えて当駅下車です。余裕で日帰り訪問できます。
 
食料・飲料について、駅前にコンビニ、気軽に入れる商店・飲食店は全くありません。最寄りのコンビニは約1.5km南の「セブンイレブン」で、徒歩圏内とは言い難いです。必ず事前に用意して下さい。
 
東京からの到達難易度もさほど高くありません。神戸電鉄粟生線を乗り鉄される際は、ぜひ一度は木津駅でも途中下車されてみて下さい!
 
(参考:神戸電鉄のHP、Google地図、Wikipedia)