藍那駅【兵庫県】(神戸電鉄粟生線。2018年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
兵庫県神戸市北区西部、西区との境界付近一帯に広がる山間部に位置する神戸電鉄粟生線の駅で、周囲に民家が少なく秘境駅的なムードを醸し出していますが、実際は駅前に粟生線の天敵である路線バス・恵比須快速線が頻繁に通り交通量が多い県道が並行していて、秘境駅とは言えない、
藍那駅 (あいなえき。Aina Station) です。
 
 
駅名  
藍那駅 (KB 43)  
 
所在地    
兵庫県神戸市北区  
 
乗車可能路線  
神戸電鉄:粟生線  
  
隣の駅  
鈴蘭台方……西鈴蘭台駅    
粟生方………木津駅    
 
訪問・撮影時  
2018年5月  
 
 

 

  

藍那駅は地平駅で、駅北側、粟生線と並行する県道52号線に面して駅舎が設置されています。
駅舎は昭和中期~後期に改築されたものと思われ、鉄筋コンクリート造平屋建てです。
出入口に階段がありますが、一部を削ってスロープに改造しているため、駅外~改札口の間はバリアフリー対応です。しかし、改札内の段差には階段しかないため、藍那駅としてはバリアフリーに対応していません。車いすで藍那駅をご利用の場合は事前に神戸電鉄へお問い合わせ下さい。
出入口は県道の歩道に面していますが、歩道は狭いです。県道52号線は北区鈴蘭台と西区北部や明石方面とを結ぶ幹線道路で交通量が多く、神鉄粟生線の天敵とも言える神姫バスの恵比須快速線もこの県道を通っていますが、藍那駅前に他の系統を含めてバス停留所はありません。
また、藍那駅に駅前広場は整備されていません。
 
上写真は南西を、中写真は南を、下写真は南東を望む。
 
 

駅前です。北を望む。右手に駅舎があります。手前を県道52号線が左右方向に通っています。
駅周辺は山間部で、南北から山並みが迫っていて、藍那駅は東西に延びる木津川(明石川水系)の谷に位置します。
駅前には民家が少ないですが、約300m南東と約400m西には比較的大きな集落があり、約500m北にも集落があります。
駅すぐ北側(写真右外)には商店跡が見られます。
また、約1km南西の山中には「国営明石海峡公園 神戸地区 あいな里山公園」があります。
「あいな里山公園」は棚田、畑、里山林や茅葺きの民家など里山の風景を再生している有料の公園で、田植えや収穫といった農作業などのイベントも開催されています(一部Wikipediaの本文を引用)。
 
 

 

 

 

駅舎内、改札口です。
上1枚は南を、中2枚は西方向を、下1枚は東方向を望む。2枚目は撮影失敗です…。
藍那駅は無人駅で、駅務遠隔システム(駅集中管理システム)が導入されています。窓口は板で塞がれ閉鎖されています。改札内外にきっぷ確認用カメラ搭載のインターホンが設置されています。
少ない利用者数を反映してか、交通系ICカード『PiTaPa』などに対応の自動改札機が1通路しかありません。点字ブロック設置で車いす通行可能な幅広通路です。
改札口の後方東側には窓口跡が、その右後方(駅舎出入口東側スロープ前)には自動券売機が1台あり、改札内には自動精算機があります。いずれもICカードのチャージが可能です。
企画乗車券自動販売機はありません。
そして改札口の先にある階段を登ると上り鈴蘭台方面ホームに到達します。さらに前方にある跨線橋(階段のみ)を渡ると下り粟生方面ホームへ行けます。藍那駅はバリアフリー非対応です。
トイレは改札内、上り線ホームの跨線橋下にあります(多機能トイレなし)。
尚、藍那駅構内に売店・コンビニはなく、駅前や1km圏内にもコンビニがありませんのでご注意下さい。
上り線ホームの跨線橋前には飲料自動販売機が設置されています。
 
 

下り線ホームに設置されている吊下式駅名標です。電照式です。バックライトは不明です。
新タイプで、隣駅にもふりがなやローマ字が併記されています。
駅ナンバリングも併記されています (KB 43)。
 
 

下り線ホーム側壁には駅付近案内が掲示されています。標高219mで、意外にも鈴蘭台地区の各駅より標高が低いです。
寺院や史跡などが羅列されています。最後の「義経相談ケ辻(相談ヶ辻。そうだがつじ)」は、一の谷の合戦へと向かう源義経の一軍が藍那の古道を通って進軍し、軍議を開いた場所だそうです。「あいな里山公園」の中にその場所があるそうです。
(「あいな里山公園」HPの本文を引用)
 
 

 

 

藍那駅は相対式ホーム2面2線の地平構造で、東西方向にホームが延びています。ホームは微妙にカーブを描いています。
番線は設定されていません。
右(南)が下り志染・粟生方面、左(北)が上り鈴蘭台・新開地方面です。
ホーム有効長は5両分あり、以前の5両運転に対応していました(現在は4両編成が最長)。
ホームドアはありません。ホーム幅は手前の粟生方こそさほど狭くないものの(跨線橋部分を除く)、奥の鈴蘭台方はかなり狭くなっています。
上屋は下り線ホームが中ほどの約0.5両分、上り線ホームが中ほどの約1.5両分に、それぞれ設置されています。上屋は跨線橋とつながっています。雨天時の乗降は要注意です。
下り線ホームにはベンチが、上り線ホームにはベンチ、飲料自販機とトイレが設置されています。
また、上り線ホーム中ほどに面して駅舎と改札口があります。改札口はホームより低い位置にあります。階段のみで結ばれています。
上2枚は下り線ホームより、下1枚は上り線ホームより、いずれも鈴蘭台方を望む。
 
 

こちらは上り線ホームより粟生方を望む。
右前方の県道沿いに商店跡が見えます。
また、駅南側(写真左)は山が迫っていますが、ホームと山の間に木津川が流れています。
川幅は非常に狭く、源流が近いです。
 
 

上り線ホームより鈴蘭台方を望む。
左手を県道52号線が並行しています。また、右前方の高台には集落があります。
また、粟生線は単線区間と複線区間が混在していますが、鈴蘭台方は藍那駅から次駅の西鈴蘭台駅まで複線区間です。
この先、右へ左へカーブしながら木津川の谷を東へ進みますが、山間部の風景が続きます。ひたすら上り勾配です。阪神高速7号北神戸線をくぐってしばらくすると山間部が終わり、いきなりニュータウンの住宅街に入るとすぐに西鈴蘭台駅へと至ります。西鈴蘭台駅から先は都市部の風景に変わり、昼間は列車本数が倍増します。
 
 

 

下り線ホームより粟生方を望む。右側を県道52号線が並走しています。
当駅より2.3km先の川池信号所までは単線区間ですが、大部分で複線分の路盤が整備されています。粟生線の輸送量が低迷している現状において複線化の予定はないようです。その複線化準備用地を利用して、当駅の少し先に新開地方面からの西鈴蘭台駅折り返し列車用の引上線1線が設置されています(下写真左前方の線路)。引上線で折り返すには藍那駅を経由することになるのですが、西鈴蘭台~藍那は客扱いせず、回送扱いです。「あいな里山公園」で大規模なイベントがあれば臨時で客扱いするのかどうか…。
 
この先、右へカーブして、右と左に藍那の集落を見て木津川の谷を北西へ走ります。引上線が途切れてしばらくすると県道52号線をアンダーパスして、右手に神戸市立藍那小学校が見えてくると藍那の集落が途切れます。そして左へカーブして本格的な山間部に入り、新しいトンネルをくぐり抜けますが、左に旧トンネルが残っています。これらのトンネルも複線化計画の名残です。その後も木津川に沿って山間部を西へ走りますが、西区に入ると山奥を出て川池信号所に差し掛かり、ここから押部谷駅まで複線区間が続くようになります。そして右へ左へ信号所名の由来となった木津川の途中にある川池を渡り、右へカーブして北へ進路を変えますが、さらに今度は左へカーブして山陽自動車道木見支線の高架橋をくぐり、進路を北西に変えて里山風景が広がるようになると木津駅へと至ります。
 
 
あとがき  
私が藍那駅で下車(乗車)したのは2017年の1度きりです。兵庫県の全駅を訪問する目的の一環で下車しました(2019年7月全駅制覇達成)。神戸市内の駅でありながら山奥にあり、民家も少なく確かに秘境駅のムードも感じられますが、駅前の県道を車がバンバン通っていて、のどかな雰囲気は感じられませんでした。ホームは2面2線で北側にやや古い駅舎があります。鈴蘭台方が複線、粟生方が単線です。
 
東京からですと東海道・山陽新幹線で新神戸駅まで行き、神戸市営地下鉄西神・山手線の西神中央方面行き電車に乗り換えて湊川公園駅で下車します。そして隣接する湊川駅から神戸電鉄粟生線に直通する志染行き、三木行き、小野行き、粟生行き、押部谷行き(現在は設定なし)のいずれかに乗車して当駅下車です(種別は準急or普通。但し、西鈴蘭台行きは乗車不可)。あるいは新神戸駅から神戸市営地下鉄北神線で谷上駅まで行き、神戸電鉄有馬線の新開地行きに乗り換えて鈴蘭台駅で下車、粟生線に乗り換えてもOKです。じゅうぶん日帰り訪問可能です。
一方、大阪(梅田)からですと阪神本線の阪神特急・直通特急または阪急神戸本線の特急・新開地行きに乗って新開地駅まで行き、神戸電鉄粟生線直通の志染行き、粟生行き、小野行き、三木行き、押部谷行き(設定なし)のいずれか(種別は準急or普通)に乗り換えて当駅下車です。余裕で日帰り訪問できます。
 
食料・飲料について、駅前にコンビニ、気軽に入れる商店・飲食店は全くありません。必ず事前に用意して下さい。
 
東京からの到達難易度もさほど高くありません。神戸電鉄粟生線を乗り鉄される際は、ぜひ一度は藍那駅でも途中下車してみて下さい!
 
(参考:神戸電鉄のHP、「あいな里山公園」のHP、Google地図、Wikipedia)