美作河井駅【岡山県】(因美線。2016年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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知和駅にて撮影。

 

今回の【駅】コーナーは、
岡山県北東部、津山市北部山間部の、矢筈川の北側山麓に広がる集落近くに位置する因美線の駅で、転車台が残存している事で有名な秘境駅、
美作河井駅 (みまさかかわいえき。Mimasaka-Kawai Station) です。
 
 
駅名
美作河井駅 (駅番号なし)  
 
所在地
岡山県津山市 (旧・苫田郡加茂町)       
 
乗車可能路線
JR西日本:因美線  
 
隣の駅 
鳥取方………那岐駅 (鳥取県)  
東津山方……知和駅  
 
訪問・撮影時
2016年7月  
 
 

美作河井駅は地平駅で、北側のみに駅舎と改札口があります。
南側に駅舎・改札口はありません。南側は一帯が矢筈山の山林になっており、民家がありません。矢筈山の山頂には矢筈城跡(高山城跡)がありました。
開業年の1931年(昭和6年)に完成した古びた木造駅舎が現役で使用されています。
駅外と駅舎の間に段差はなく、また駅舎とホームの間もスロープで結ばれているため(手すりはありませんが)、一応、車いすでも通行可能です(しかし、改札口が狭いため当駅はバリアフリー非対応)。
尚、駅前広場はありません。駅前の道路沿いにバス停留所、矢筈城跡の案内板、石碑があります。右側にバス転回場があります。
写真は南東を望む。
 
 

駅前です。北を望む。右後方に駅舎があります。
駅のすぐ北側は加茂川の谷になっており、谷には民家と田園が混在しています。商店はありません。
駅から右(東)へ進むと坂を下って駅前の集落へと至ります。
また、駅の約800m北東には河井神社があります。
 
 

駅舎内です。後方に出入口があります。
美作河井駅は無人駅です。窓口が残っています。駅事務室は地元の交流施設として使用されています。
尚、自動改札機、自動券売機は無く、きっぷ回収箱もありません。この区間は車内精算方式で、乗車時は整理券をお取りください。
改札口は車いす対応幅ではありません。
また、駅舎内の立入可能なスペースは待合室として使用されており、ベンチが設置されています。
トイレは改札を入って右側にあります(多機能トイレはありません)。
そして改札を通ると構内踏切があります。構内踏切を渡って右へ曲がり、スロープを登るとホームに到達します。
尚、駅周辺に商店・コンビニは存在しません。駅には飲料自動販売機もありません。ご注意下さい。
 
 

建植式駅名標です。電照式ではありませんが、反射板が使用されています。
JR西日本の標準デザインで、撮影した2016年当時は下部の隣駅欄にJR西日本のコーポレートカラーである青が使用されていましたが、今は因美線のラインカラーである茶色に変更されていると思われます。
尚、美作河井駅に駅ナンバリングは導入されていません。
 
 

 

現在の美作河井駅は単式ホーム1面1線の地平構造で、概ね東西方向にホームが延びています。カーブ地点にホームがあります。
左側のみを使用しており、番線は設定されていません。下り東津山方面・津山方面、上り智頭方面・鳥取方面とも同じホームに発着しますので、乗り間違いに注意が必要です。特に津山方面へ向かうのに上り列車に乗ってしまうと鳥取県まで行ってしまいますw
また、右側の線路は1997年の陰陽連絡急行『砂丘』が廃止された際に使用停止となり、さらに右の側線も現在は使用されていません。これらの線路は途中でレールが剥がされています。
ホーム有効長は4両分で、ホーム幅はやや狭いです。上屋は存在せず、ホーム中ほどに待合室(冷暖房なし)が設置されています(中にベンチあり)。
そしてホームの鳥取方の端(手前側)にスロープがあり、構内踏切により右側にある駅舎と繋がっています。
写真は2枚とも東津山方・津山方を望む。
 
 

こちらは智頭方・鳥取方を望む。
右側が客扱いホームで、左側は使用停止状態です。
左側の旧上り線と側線跡は一部レールが残っていますが、現在は本線とレールが繋がっていません。
ホームの鳥取方の端(奥)の左側に駅舎があります。
 
 

鳥取方を望む。ホーム端にスロープと構内踏切があり、その左側に駅舎があります。
左側で旧上り線と側線跡が繋がっていますが、今はその先で本線(旧下り線)とは繋がっていません。
 
この先、並行していた加茂川は北へ離れ、物見川の谷を上り勾配で東へ走ります。次第に山深くなると全長3,077mの物見トンネルに入り、鳥取県智頭町へと変わります。そしてトンネルを出ると山あいの田園風景の中を下り勾配で東へ走り、約150m南を国道53号線が並行するようになると那岐駅へと至ります。
 
 

東津山方を望む。
かつては左前方に側線がありましたが、全て撤去されています。
また、その側線跡には除雪車用の転車台が現存しています(左側に少しだけ写っています。)。おそらく国鉄時代に使用停止になり、その後は土中に埋まっていましたが、2007年4月に掘り起こされました。この転車台は2009年2月に近代化産業遺産の認定を受けました(Wikipediaの本文を引用)。
 
この先、加茂川を渡ると大ヶ原トンネルなどで山間部を抜けます。その後は左へカーブして加茂川の谷を南西へ走り、左へカーブするともう一度加茂川を渡ります。そして今度は右カーブが始まり、県道6号線をアンダーパスして進路を西南西に変えると秘境駅として有名な知和駅へと至ります。
 
 
あとがき
私が美作河井駅で下車した事は……ありません。2016年、近くをドライブした際に立ち寄ったのみです。古い木造駅舎、ホームが残っていて、近年になって土中に埋まっていた転車台が掘り起こされました。一方、駅前は加茂川沿いに小さな山村があるのみで、まさに岡山県の果てにある駅といった印象でした。
   
東京からですと東京駅から東海道・山陽新幹線に乗り岡山駅で下車します。そして津山線に乗り換えて津山駅まで行き、さらに因美線の智頭行きに乗り換えて当駅下車です。あるいは新大阪駅または姫路駅から智頭急行線経由の特急『スーパーはくと』で智頭駅まで行き、因美線の津山行きに乗り換えてもアクセス可能です。タイトな日程になりますが、日帰り訪問可能です(最大滞在時間:約5時間程度)。
一方、大阪からですと新大阪駅から山陽新幹線に乗り岡山駅で下車、以降は上記のルートで到達可能です。あるいは上記のように智頭急行線経由でも到達できます。じゅうぶん日帰り訪問可能です(最大滞在時間:8時間少々)。
(飛行機の利用は考慮していません)
 
食料・飲料について、駅前にコンビニ、気軽に入れる商店・飲食店は一切ありません。必ず事前に用意して下さい。
  
東京、大阪とも到達難易度が高いですが、因美線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は美作河井駅でも途中下車されてみて下さい!
 
(参考:JR西日本のHP、地理院地図、Google地図、Wikipedia)