熊山駅【岡山県】(山陽本線。2021年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
岡山県南東部、赤磐市の東の外れに位置する山陽本線の駅で、市の中心部から相当離れているものの、市内唯一の駅であるため、赤磐市の代表駅として扱われている、
熊山駅 (くまやまえき。Kumayama Station) です。
 
  
駅名
熊山駅 (JR-S 08) 
 
所在地
岡山県赤磐市 (旧・赤磐郡熊山町)   
 
乗車可能路線
JR西日本:山陽本線  
 
隣の駅
神戸方……和気駅  
門司方……万富駅  
 
訪問・撮影時
2021年3月
 
 

 

熊山駅は地平駅で、西側に駅舎があります。
東側に駅舎と改札口はなく、東側から駅を利用するには約150m南のガードをくぐり抜けて西側へ回る必要があります。
国鉄時代からの古い木造駅舎が現役で使用されています。現在は手前に屋根が設けられています。出入口前には郵便ポスト、電話ボックス、飲料自動販売機があります。
出入口には段差はないものの、改札内の跨線橋に階段がないため、熊山駅はバリアフリー非対応です。車いすで熊山駅をご利用の場合は事前にJR西日本へお問い合わせ下さい。
駅舎の左側にはトイレがあります(多機能トイレの有無は不明。おそらく有ると思います)。駅舎右側には障がい者用の一時駐車スペースがあります。
また、駅舎の手前にはロータリーを有する駅前広場が整備されていて、ロータリー内にはバス停留所と一般車一時駐車スペース、そして郵便局が設けられています。
タクシーは右側に「熊山タクシー」の営業所があります。
写真は東を望む。
 
 

駅前です。西を望む。後方に駅舎があります。
かつては右側も左側と同じような住宅街でしたが再開発により駅前広場が整備され、その区画にあった郵便局はロータリー内に移設されました。尚、駅前に商店はありません。
写真前方には土手が見えますが、その先では吉井川が左(南)へ流れています。
ちなみに熊山の中心市街地は吉井川の対岸にあり、駅前は街外れに相当するため民家自体が少ないです。すぐ近く(左)に吉井川の橋(熊山橋)があり、対岸との行き来は比較的容易ですが、中心部は約1.5km北西に位置しており、近くありません。
そして、赤磐市の中心部は約9km西で、最寄駅は瀬戸駅になります。ちなみに熊山駅は赤磐市唯一の駅ですが、赤磐市の玄関口としては機能していないようです…。
 
また、約800m南の線路東側には岡山白陵中学校・高等学校があります。兵庫県高砂市・同じ山陽本線の曽根駅の近くにある白陵中学校・高校の姉妹校で、進学校です。兵庫県からの越境通学生も多く見られます。
 
一方、駅東側は田畑が広がっており、小さな集落もあります。すぐ近くまで山並みが迫っています。
 
 

改札口です。東を望む。後方に出入口があります。
以前の熊山駅は有人駅でしたが、2019年に無人駅になりました。左側の旧窓口部分にインターホンがあります。
交通系ICカード『ICOCA』などに対応の簡易型自動改札機(ゲートなし)が2台設置されているのみです(ICカードは入場・出場の両方が備わっていますが、磁気券は入場のみで、出場側には「きっぷ回収箱」があります)。いずれも車いすが通行可能な幅で、旧窓口に面した左側通路には点字ブロックもあります。
改札機の左手前には簡易型自動券売機と点字運賃表があり、自動券売機はICカードチャージが可能です。尚、改札内にはきっぷ回収箱があるものの自動精算機は設置されていません。精算が必要な場合は降車前に車掌に申し出て下さい。ICカード残額不足の場合は一旦改札外の自動券売機でチャージしてから自動改札機の出場部分にタッチして下さい。
そして改札を通った先は上り1番のりばです。改札口と1番のりばの間に段差はありません。また、1番のりばに出て右へ進むと2番のりばに通じる跨線橋がありますが、階段しかありませんので、車いすでは自力で2番のりばへは行けません。事前にJR西日本へお問い合わせ下さい(上り列車の乗降は可能ですが、お帰りの際は2番のりばを利用しなければなりませんので事前連絡が必要です)。
改札口の右側は待合室になっていて、ベンチが置かれています。
また、改札口の上部には運行情報表示モニターがあります。
トイレは改札外に設置されています(多機能トイレの有無は不明)。
尚、熊山駅構内と駅前に売店・コンビニはありませんので、ご注意下さい。
 
 

旧・2番のりばに設置されている建植式駅名標です。

電照式ではありませんが、反射板が使用されています。
JR西日本の標準デザインで、下部は山陽本線(三石~岡山)のラインカラーである黄緑色に塗られています。
尚、熊山駅の駅ナンバリングは「JR-S 08」ですが、この駅名標には記載されておらず、柱に掛けられている縦型の駅名標のみに記載されています。
 
 

 

熊山駅は単式ホーム、島式ホームとも各1面の、計2面3線の地平構造で、概ね南北方向にホームが延びていますが、中線の旧2番線は架線が撤去されて使用停止になっており(保線用で使用しているかもしれません)、現状は単式ホーム2面2線として運用されています。
 
左側(西)の単式ホームが1番のりばで上り相生・姫路・神戸方面です。左側(東)の島式ホームは右が使用停止中の旧2番線、左が2番のりば(下り岡山・下関・門司方面)の順です。中線が使用されていた頃は旧2番線が2番のりば、現・2番のりばが3番のりばでした。
また、1番のりばの神戸方(右側)に貨物設備跡があり、レールもホームも残っていますが、レールは本線と繋がっていません。
 
ホーム有効長は1番のりばが12両分、2番のりばが13両分ありますが、現在の停車列車は最長7両で、両端は使用停止状態です。但し、両端部近くまで立入可能です。ホーム幅は1番のりばがやや狭く、2番のりばは普通です。
上屋は各ホームとも中ほどの約0.5両分しか設置されていません。雨天時の乗降は要注意です。
1番のりばの中ほどに面して駅舎と改札口があり、改札口の門司寄り(奥側)には両ホームを結ぶ年季が入った跨線橋があります(階段のみ)。
各ホームにはベンチがあり、2番のりばの神戸方(手前側)には空調なしの待合室も設置されています。
写真は1番のりばより下関方・門司方を望む。
 
 

こちらは旧・2番線より神戸方を望む。左から1番のりば(上り線)、旧・2番線、現・2番のりば(下り線)の順です。
両ホームを結ぶ跨線橋はトータルでは100年以上使用され続けていますが、実は瀬戸駅に設置されたものを1960年に当駅へ移設したものです。
(跨線橋側面にある登録鉄道文化財の説明プレートより)
熊山駅に移設されてからも60年以上使用されています。
 
 

 

この跨線橋は1912年(明治45年)に完成しました。
平成20年度(2009年2月)に近代化産業遺産の認定を受けて、2年後の2011年には登録鉄道文化財に登録されました。
 
 

1番のりば(上り線)より神戸方を望む。
以前は右から旧・2番線が、左から貨物側線が上り線に合流していましたが、現在は分岐器が撤去され、どちらも上り線とは繋がっていません。ちなみに旧・2番線は下り本線と繋がっています。
この先、左を流れる吉井川と右に迫る山地の間を右へカーブしながら走り、やがて東へ進路を変えます。しばらくすると和気町に入り、吉井川と山地が離れると国道374号線と同和鉱業片上鉄道の廃線跡をアンダーパスして住宅地に入り、左へカーブして進路を北東へ変えると和気駅へと至ります。かつては同和鉱業片上鉄道の駅が南側に併設されていました。
 
 

旧・2番線より門司方を望む。右が1番のりば(上り線)、左が2番のりば(下り線)です。
中央の旧・2番のりばがカーブの先で上り線や下り線と繋がっているかどうかは不明です。
また、前方の山のふもとには岡山白陵中学校・高等学校が見えます。
この先、右へカーブして右を流れる吉井川と左に迫る山地の間を南南西へ走ります。そして山陽自動車道をアンダーパスすると右へカーブして吉井川を渡り、岡山市東区に入ります。その後は山あいの田園風景の中を南西へ走り、右手に住宅地が、左手にキリンビール岡山工場が見えてくると万富駅へと至ります。
 
 
あとがき
私が熊山駅で下車(乗車)したのは2021年の1度きりです。岡山地区を乗り鉄した際に途中下車しました。駅は旧態依然としていて国鉄時代の雰囲気が残っていました。また、旧・熊山町の中心部は吉井川の対岸にあるため、駅前は民家も少なく閑散としていました。
 
東京からですと東海道・山陽新幹線の『のぞみ』で姫路駅まで行き、山陽本線の普通・播州赤穂行きに乗り換えて相生駅まで行きます(相生駅にも新幹線駅がありますが、停車列車は少ないです)。そして相生駅で山陽本線・岡山方面行き(上郡行きはNG)の普通列車に乗り継いで当駅下車です。尚、この岡山方面列車は『青春18きっぷ』期間になると乗車率が上昇し、着席できない場合もあるため、例年相生駅では乗換時に「相生ダッシュ」とも呼ばれる座席争奪戦が繰り広げられ、さながら椅子取りゲームの様相を呈しています。乗換時はケガをしないように注意して下さい。あるいは、新幹線で岡山駅まで行き、山陽本線上り普通列車に乗り継いで当駅下車のルートもありますが、新幹線の本数がやや多くて利便性が高い反面、運賃・特急料金が高くなります。じゅうぶん日帰り訪問可能です(最大滞在時間:10時間弱)。
一方、大阪からですと大阪駅からJR神戸線の新快速(早朝は快速or普通)に乗車して姫路駅まで行き、以降は上記のルートで到達できます。新大阪駅から山陽新幹線で岡山まで行って山陽本線で戻るルートもあります。余裕で日帰り訪問可能です(最大滞在時間:14時間弱)。
(飛行機でのアクセスは考慮していません)
 
食料・飲料について、駅前にコンビニ、気軽に入れる商店・飲食店は一切ありません。必ず事前に用意して下さい。
 
特に東京からの到達難易度が高いですが、山陽本線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は熊山駅でも途中下車されてみて下さい!
 
(参考:Google地図、Wikipedia)