第1396回('20) 名松線の山間部小駅を自動車で訪問 | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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前回の続き…
 
2020年11月1日、日帰りの日程で三重県伊勢地方(中勢地方・南勢地方)へドライブしました。今回は列車本数が少なくて乗り鉄・降り鉄で訪問するには不便な紀勢本線や名松線の小駅を中心に駅訪問しました。
本来は列車で降り鉄したかったのですが、それですと1日に4~5駅しか回れない日も発生し、あまりにも非効率であるため今回は降り鉄を補完する形の駅訪問を決行しました。
いつもと同様にマスクの着用、アルコール消毒液の携帯といった新型コロナウイルス対策を講じました。
 
今回は後半の内容です。
伊勢自動車道・嬉野パーキングエリア(PA)で昼食後は一般道に降り、伊勢八太駅を皮切りに名松線の小駅を訪問しました。途中の主要駅である家城駅まではほどほどにして、到達難易度が高い末端区間・家城~伊勢奥津の途中全駅を集中的に訪問しました。
そして最後は伊勢奥津駅を訪問して、奈良県の山間部を通り針インターチェンジ(IC)から名阪国道~西名阪~近畿道~中国道~山陽道を乗り継いで兵庫県加古川市の自宅へと帰りました。
 
今回の日程 2020年11月1日  (日)   【後半】
 
嬉野PA1225(自動車・伊勢道→一志嬉野ICから県67)1235伊勢八太1245(県58→県15)1305関ノ宮1318(県15)1328伊勢竹原1343(県15)1350伊勢鎌倉1400(県15)1405伊勢八知1415(県15)1425比津1440(県15→R369)1448伊勢奥津1456(R368→R369→針ICから名阪国道→西名阪→近畿道→中国道→山陽道→三木小野ICから一般道→東播磨道)1830自宅
 
【帰宅】
 
昼食後、12時25分頃に嬉野PAを出発し、伊勢自動車道を少しだけ北上して一志嬉野ICで高速を降りました。ちなみにこの日は全日本大学駅伝が行われていて、近くの松阪市街は昼頃にランナーが通過しました。高速を下車後は関ノ宮駅を目指すべく伊勢道に並行する県道67号を北上しましたが、途中で名松線と踏切で交差しました。踏切を渡った先の信号で停車時にナビを見ると近くに伊勢八太駅(いせはたえき)があり、ちょっと寄り道してみる事にしました。信号を左折して初瀬街道に入り、さらに横道へそれると難読駅名である伊勢八太駅に到着しました。駅舎は存在せず(開業時よりなかった可能性あり)、ホームには昭和5年(1930年)の開業時より使用されている木造の待合所が現存しています。ホームは1面1線です。ホームを観察していると踏切の音が鳴り、伊勢奥津方からキハ11形の松阪行き列車がやって来ました。私は列車を撮影してから伊勢八太駅を後にしました。
 
 

 

 
今度こそ関ノ宮駅を目指します。一旦県道67号に戻り、少し北上して近鉄大阪線の踏切手前の交差点を左折し、県道58号を西へ走ります。右側に近鉄大阪線が完全並走していますが、列車は来ませんでした。
 
 

 
そして川合高岡駅前で近鉄線と分かれましたが、すぐ近くには名松線の一志駅もあり、この両駅は乗換や乗り鉄時の抜け道ルートとしても利用できます。この両駅は列車で訪問したいので今回はパスしました。その後は旧一志町(現在は津市)の市街地を通り抜けて次第に山間部へと入っていきました。最終的に名松線とつかず離れずになる雲出川沿いも走りました。また伊勢大井駅付近では名松線と完全並走し、伊勢大井駅も見えましたが時間の関係でパスして関ノ宮駅へと急ぎます。名松線をオーバーパスしてから山間部をトンネルで越えてのどかな農村風景の中を走り、集落に入って関ノ宮交差点を右折すると関ノ宮駅に着きました(13:05頃着)。関ノ宮駅は津市白山庁舎(旧・白山町役場)への最寄駅ですが駅は開業当初から1面1線で駅舎すらなく、調べると1日平均乗車人員もここ10年は10人~14人の間で推移していて名鉄だったら廃駅になるレベルです…。
 
 

  
関ノ宮駅の次は山間部の各駅を回っていきます。13時18分頃に駅前を出発し、県道15号を南西へ走ります。左側には山並みが近づいてきています。主要駅である家城駅は2016年の乗り鉄時に長時間停車を利用して降り鉄しているのでパスして、先を急ぎます。家城駅前の住宅地を抜けると雲出川の渓谷区間へと入り、対岸には名松線が見えました。車窓からの車窓風景が美しい区間でもあります。山間部を南下して、最後は君ヶ野ダム方面への県道29号を少しだけ進むと伊勢竹原駅に到着しました(13:28頃着)。私が今回訪問した中で初の木造駅舎が現存している駅でした! ホームは1面1線ですが木造駅舎があるために昔ながらの雰囲気を味わえました。ホームを観察中に列車がやって来たので撮影しました。
 
 

 

 
次は伊勢鎌倉駅を目指します。一旦県道15号に戻り、踏切で名松線を渡ってから雲出川を渡り、名松線から見て対岸(西側)を南下します。道路は2車線の快適路ですが、名松線の存廃問題が発生した三十数年前はバイパスもなく道幅も狭かったようで、バスの通行が困難だった事も廃止を免れた一因でした。
 
 

 
走行中次第に山深くなり、渓谷区間に開通したバイパスのトンネルを1本抜けてから谷筋に沿って蛇行する旧道に逸れると伊勢鎌倉駅に到着しました(13:50頃着)。集落は駅から離れた北側と南側にあり、その中間の民家がほとんどない山間部に駅が設けれられた印象で、駅舎は存在せず、1面1線の小さな駅でした。
 
 

 
伊勢鎌倉駅を14時頃に後にして、次は伊勢八知駅です。旧道を進み、渓谷を抜けるとバイパスに合流し、山あいの農村風景の中を走ります。途中、左手にプールのウォータースライダーなどの設備が見えましたが、これはかつてホテルを経営していた「魚九」が建設したもので、「魚九」が倒産した後、現在は「火の谷温泉 美杉リゾート」が引き継いでいます(ホテルはさらに左側にあり、プールとホテルの間には名松線が通っています)。その後は半ば廃墟になっている「魚九」の本館跡の横を走り(美杉リゾートのホテルは元々「魚九」の別館でした)、旧・美杉村の中心部に入ると伊勢八知駅に着きました(14:05着)。駅前に大きな無料駐車場があり、そこに駐車できましたが車は私の1台のみでした…。駐車場は旧・美杉村役場(津市美杉庁舎)の跡で、美杉庁舎は西側に移転しています。
 
 

 
伊勢八知駅は美杉村の代表駅だっただけあり、村により研修施設併設の立派な駅舎が建てられています。但し、駅舎部分は右側の平屋部分ですがw 駅舎内には窓口があり、平日は乗車券を発売している簡易委託駅です。しかしこの日は日曜日だったため窓口は閉鎖されていました。またホームは幅が狭く単式1面1線でしたが、かつては2面2線だったような配線でした。
 
 

 
伊勢八知駅の次は最後の中間駅である比津駅を目指します。美杉の中心地を南下してから左へ折れ、雲出川を渡ると名松線とともに山深い渓谷区間へと入っていきます。2車線あった道路も1車線~1.5車線の狭路になり、すれ違い困難な箇所も多々ありました。乗用車でもスムーズな通行ができないのに、さすがにバス代行は少々しんどいなぁ…と現地で身をもって感じました(それでも災害による名松線の不通時は代行バスがこの狭い道路を走っていましたが、大型バスは厳しいです…。そして現在の輸送量では末端区間はマイクロバスでも大丈夫なレベルではあるのですが…)。また、結構険しいので災害により名松線が被害を受けるリスクが高いなぁ…とつくづく感じました。
 
 

 
延々と渓谷を南下すると谷が少し開けてきて、比津駅前に着きました(14:25着)。駅から離れた広い所に車を止めて、集落の風景を撮影してから駅を目指そうとしましたが道路が分かりません。スマホで地図を見ると谷から駅へ向けて小道が延びているので登ってみると、斜面にある民家の所で行き止まりになっていました。そこに少年がいて駅の場所を尋ねると、すぐ上にあるという事で、その民家の敷地を通らせてもらって比津駅にたどり着きました。比津駅は単式ホーム1面1線で駅舎が存在しない小駅で、ホーム中央に比較的新しい待合室があるのみでした。私は偶然停車していた列車を撮影してからホームを撮影し、ホームを出てからは公道を迂回して車まで戻りました。また、駅の近くには雲出川が流れていて、上流なのでさすがに水は透き通っていて綺麗でした。
 
 

 
これにてこの日の訪問予定駅を全て回る事ができました。後は帰るのみですが、できるだけ18時までに家に着きたかったです(翌日から仕事のため)。しかし、比津駅は結構辺境の地で、高速道路のインターが近くにありませんでした…。このまま先へ進んで奈良県へ入り、榛原を経由して針ICから名阪国道に乗るか、それとも来た道を戻って久居ICから伊勢自動車道~新名神経由で帰るか、この2択で迷いましたが、久居経由は距離ロスが大きく感じ、また名神の草津~高槻で渋滞に巻き込まれるリスクが高いため、前者の針経由を選びました。
 
14時40分頃に比津駅前を出発し、雲出川と名松線に沿って県道15号を引き続き南下しましたが、相変わらず通常のバスがスムーズに通れない狭路が続きました。
 
 

 
やがて渓谷区間を抜けると信号があり、右折して快適な2車線の国道368号を西へ走ると伊勢奥津駅前を通過しましたが、私は2016年の乗り鉄時に訪問した伊勢奥津駅にも行ってみたくなり、国道をそれて急遽伊勢奥津駅に立ち寄りました。2016年当時と設備や風景に変化はないのですが、当時は災害から復旧して間もなく、私が乗車した際は多くの乗降客で賑わっていたため普段のひっそりとした駅を味わえませんでした。この日は『青春18きっぷ』期間でもないため乗り鉄の人は『青空フリーパス』利用と思われる1人のみで、普段通りの駅や駅前の風情を味わえました。本当は列車で来たかったのですが、また機会があれば名松線を乗り鉄したいです。
 
 

 

 
伊勢奥津駅を14時56分頃に後にしましたが、10分ほどロスしてしまいました。引き続き国道368号を西へ走りますが、この道路は伊勢奥津駅と近鉄の名張駅を結ぶ路線バスに乗った際に通った事がある道路でした。しばらく走り、石名原地区に入ると前方から黒い煙が立ち込め、嫌な煙だな…と思っていたら、案の定火事でした…。国道沿いにある廃ガソリンスタンドの裏手にある小屋または廃タイヤから出火したようで、消防車が消火活動をしていました。消防車が国道を塞いでいたため私は近くで停車してその様子を眺めていましたが、救急車が来ていなかったため人的被害はなさそうでした(実際に人的被害はありませんでした。「ガッコム安全ナビ」より)。
 
 

 
数分後に消防車が脇に避けて道路が開通したため私は出発しましたが、ここでも5~6分のロスをしてしまい、18時までの帰宅は少し厳しくなってきました。その後は国道368号を快調に西へ走り、奈良県御杖村に入ると敷津交差点を左折して国道369号に入りました。交差点を右折すると国道368号を北上して名張へ抜ける事ができ、交差点を直進するとツーリングのバイクが目立つ「道の駅伊勢本街道御杖」があります。国道369号も山間部を通る道路ですが、概ね2車線の道路で、快適に走れました。御杖村から曽爾村に入り、交差点を左へ曲がると栂坂峠越えに挑みますが、トンネル主体の栂坂バイパスが完成していて一瞬で峠越えができました。
 
 

 
その後は宇陀市に入り、下り坂が多いものの快調に走れましたが、菟田野方面への県道218号が左へ分岐してからは宇陀市榛原の中心部に近づくにつれて国道369号の流れが悪くなってきました。ここで私はAMラジオを付けて、テレビでは見られない天皇賞(秋)の実況を聴こうとしましたが、山間部で電波の状態が悪く途切れ途切れでしたが、榛原の中心部に向かうごとに聞こえは良くなりました。そして榛原市街の東を迂回する榛原バイパスに入り、近鉄大阪線を陸橋で越えましたが、ここから先で不自然な渋滞が発生していました。私は陸橋辺りで渋滞にはまっていた時に天皇賞(秋)の実況を聴き、見事にアーモンドアイが国内GⅠ8勝目を挙げた事を知りました。ちなみに私はアーモンドアイを本命にしたものの馬券を外しましたww 
 
その後は気持ちを切り替えて運転に専念しましたが、渋滞の要因が陸橋を越えて3つ目の、榛原消防署方面からの市道と交わる玉立橋北詰交差点の青信号の時間が非常に短く、こちらの国道369号より交差する市道の青信号の時間の方が倍以上長く感じました。奈良県警察には玉立橋北詰交差点の国道側の青信号の時間を延ばしてもらいたいです。その手前にも青信号の時間が短い交差点があり、榛原バイパスは冷遇されているようでした。
 
 

 
この信号を何とか通過後は快適に走行できましたが、今度は香酔峠を越えて奈良市の旧・都祁村を北上していると、どこかは忘れましたが1ヶ所またも青信号の時間が短い交差点がありました。明らかにこちらの国道369号の方が交通量が多いのに、わざと青信号の時間を短縮しているのか?と思ってしまいますw そうこうしているうちに、16時過ぎに何とか名阪国道の針ICに着きました。陸橋前で国道369号を右に曲がり、ライダーの聖地とも言われる「道の駅 針T・R・S (針テラス)」へ分かれる交差点を過ぎるといよいよ名阪国道に入りました。 
 
 

 
名阪国道(国道25号)は亀山~天理の全区間が無料なので慢性的に交通量が多く、私の地元の加古川バイパスや姫路バイパスと似たような流れでしたが、名阪国道は山間部を走るためアップダウンが激しく、カーブも多くて走りづらいのが加古川バイパスとの違いです。また、日曜日なのでトラックは少なかったものの代わりにバイクが多く車間を詰めてくるので走りづらかったです。そして福住ICを過ぎると、いよいよ名阪国道一の事故多発区間であるオメガカーブへと入ります。かなりの高低差で、左手には奈良盆地や生駒山地を一望できました。私はエンジンブレーキを効かせつつ走行車線をゆっくり走りましたが、追越車線はかなり流れが早く危険でした。
 
 

 
オメガカーブで一気に下った後も緩やかな下りが続き、名阪国道と有料の西名阪自動車道との接続点である天理ICを過ぎてようやく平坦になりました。西名阪道も交通量が多かったです。私は伊勢奥津駅から運転し続けて疲れてきたため、大阪府との府県境に近い香芝SAで一旦トイレ休憩をしました(16:30~16:40頃)。
 
 

 
香芝SAを出たのは16時40分頃で、伊勢奥津駅への寄り道、美杉地区の火事、榛原地区の渋滞など様々な要因が重なり18時までの帰宅は絶望的になりました。急いでも仕方ないのでマイペースで帰る事にします。香芝SAを出てすぐに大阪府に入り、松原ジャンクション(JCT)から近畿自動車道に入りました。そのまま阪神高速道路に入っても良かったのですが、大阪市街や神戸市街で渋滞に巻き込まれるのは目に見えていたので迂回を選択しました。近畿道も交通量が多かったのですが西名阪同様に流れていて渋滞は発生しませんでした。門真からは大阪モノレールと並走して走り、吹田JCTからは中国自動車道に入りました。段々と暗くなってきて遠くが見えづらくなると兵庫県に入り、宝塚ICから西宮北ICの間は上り坂が連続しました。反対側の上り線は行楽帰りの車で渋滞していました。
神戸JCTからは山陽道に入りましたが、交通量が少なくなり快適に走行できました。そして17時50分過ぎに三木小野ICを降りて、一般道を走り地元のガソリンスタンドで給油してから18時40分頃に自宅に着きました。予定より大幅に遅れましたが、まぁ旧:美杉村から3時間で加古川市まで移動できるわけがありませんねwww

 
 

 
久しぶりの長距離運転で疲れましたが、列車のみでは到底回りきれない数の駅を訪問できました。
本来は列車で降り鉄すべきですが、本数が極端に少ない線区を降り鉄しようとするとあまりにも非効率なので…。
 
 
(つづく)
 
 
今回の新規踏破路線、新規探訪廃線跡はありません
 
 
(参考:Wikipedia)