三ノ輪橋停留場(三ノ輪橋駅)【東京都】(都電荒川線。2019年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

当ブログでは、私の鉄道乗りつぶしの過程や、最近の乗り鉄のレポート等を中心に紹介いたします。


今回の【駅】コーナーは、
東京都荒川区東部の市街地にある、三ノ輪橋と早稲田を結ぶ路面電車・都電荒川線【愛称:東京さくらトラム】の起点駅、
三ノ輪橋停留場 (みのわばしていりゅうじょう。Minowabashi Station) です。
 
 
電停名 (駅名)
三ノ輪橋停留場 (SA 01)
(※) 記事内では「三ノ輪橋駅」「三ノ輪橋電停」と表記する場合があります。
 
所在地
東京都荒川区
 
乗車可能路線
東京都交通局:都電荒川線【愛称:東京さくらトラム】
 
隣の停留場 (電停・駅)
早稲田方……荒川一中前停留場
 
乗換可能駅
東京メトロ:日比谷線……三ノ輪駅まで徒歩10分
 
訪問・撮影時
2019年9月
 
 

三ノ輪橋電停の出入口です。東より西を望む。
「三ノ輪橋」の銘板が掲げられたアーチが乗客を出迎えてくれます。
駅舎・改札口はなく、当停留場への出入りは自由で駅西側へも抜けられます。
出入口の先に乗車ホームがあり、その右奥に降車ホームがあります。
そしてアーチの左側には餃子店と後述の「三ノ輪橋おもいで館」があります。
右奥の降車ホームへ向かう通路沿いには公衆トイレもあります。
 
 

こちらは乗車ホーム終端部より駅東側を望む。
右側(南側)に「三ノ輪橋おもいで館」があり、実質的に駅舎として機能しています。サービス内容は都営交通の案内、乗車券販売(都電定期券や都電一日乗車券など)、都電グッズの販売などで、さらに都電沿線をモチーフにしたジオラマや都営交通の貴重なお宝の展示なども行われています。
また、駅の東側(写真奥)には国道4号線(日光街道)に抜けられる通路があり、沿道には商店が並んでいます。途中でレトロなビル(梅沢写真会館)の1階を通り抜ける形になります。このビルは「旧三ノ輪王電ビルディング(王電ビルヂング)」で、都電荒川線の前身である王子電気軌道により1927年に建てられた自社ビルです。1942年に王子電気軌道の軌道部門が東京市電気局に引き継がれると「王電ビルヂング」は売却され、現在は「梅沢写真会館」として残存しています。
そして国道4号に出て南へ進むと常磐線のガードをくぐり、その向こう側に東京メトロ日比谷線の三ノ輪駅があります(降車ホームから日比谷線出入口まで約350m、徒歩7分程度)。
 
 

こちらが「王電ビルヂング」(写真中央)です。
現在は周囲のマンションに埋もれてしまっていますが、昭和初期には目立つ存在だったと思われます。
ビル中央の1階を通り抜ければ三ノ輪橋駅にたどり着きます。
手前の左右方向の道路は国道4号(日光街道)です。
 
 

駅前(北側)の様子です。
すぐ北側には上部に都電の絵が描かれている商店街「ジョイフル三ノ輪」のアーケードがあります。メインの商店街はこのアーケードを奥(北側)に進むと交差する東西方向の道路となります。
商店街を離れると周辺には住宅街が広がっています。
 
 

こちらは駅前(南側)の様子です。
アーケードこそありませんが、南側にも商店が立ち並んでいます。南側にも住宅街が広がっています。
すぐ先には常磐線のガードがあります。こちら側からも日比谷線の三ノ輪駅へアクセスできます。
 
 

乗車ホーム側面に設置されている駅名標です。
時刻表、路線図、周辺地図、運賃表(写真は2019年9月撮影)と一体になっています。
路線図の部分には「都電荒川線」より「東京さくらトラム」の方が大きく書かれています。
また、駅ナンバリングも併記されています (SA 01)。
ナンバリングの英文字も「東京さくらトラム」の「さ (SA)」となっています。
ちなみに都電荒川線で駅ナンバリングが導入されたのは2017年と、都内の路線では相当遅い方です。
 
 

降車ホームの終端部近くより乗車ホームを望む。
乗車ホームは1面1線の構造で、折り返し線部分にホームが設置されています。
降車ホームとは場所も離れていて、完全に乗降分離がなされています。
そして乗車ホームの奥(東側)に「三ノ輪橋おもいで館」と駅出入口があります。

また、軌道敷沿いにはバラの花が植えられています。荒川区内の都電沿線では各所にバラが植えられていて、「都電=バラ」のイメージが浸透しているようです。なので、都電荒川線の愛称が「東京さくらトラム」と、「バラ」ではなく「さくら」になった事、さらに「荒川」の名も消えた事から、特に荒川区では「東京さくらトラム」の愛称に困惑している区民も多いかもしれません(Business Journalの記事を参考に推測)。まぁ、都電荒川線が走っているもののバラのイメージの薄い北区、豊島区、新宿区にとってはそれほど問題にしていないかもしれませんが…。

しかし、長年にわたり「都電荒川線」の名称が定着していただけに、「東京さくらトラム」の愛称を浸透させるのは簡単ではないようです。
 
 

乗車ホーム終端部より早稲田方を望む。
ホーム有効長は2両分ですが、ホーム早稲田方にポイントがある関係で1両しか入線できないと思われます。
通常は終端側(手前)の1両分を使用します。レトロ調の木造上屋も、その1両分にのみ設置されています。
そして手前側には「三ノ輪橋おもいで館」方面への出入口があり、奥(早稲田方)には駅西側から入場できる出入口があります。
ホームにはベンチが設置されています。
 
 

乗車ホームの西端より降車ホーム、早稲田方を望む。
前述の通り、結構離れた位置に降車ホームがあります。
電車が三ノ輪橋駅に到着して降車ホームで乗客を降ろした後、乗車ホームまで回送され、方向転換してから乗車扱いを行います。
ちなみに都電は前乗り後降りで、乗車時に運賃を支払います(均一運賃:大人170円(IC168円)、小人80円(IC84円) )。
 
 

こちらは降車専用ホームです。早稲田方を望む。ホーム幅は相当狭いです。
降車ホームも単式ホーム1面1線で、有効長は1両分です。上屋はホーム全体に設置されています。
手前側には乗車ホームや「三ノ輪橋おもいで館」方面への出入口が、奥側には駅西側方面への出入口があります。
 
 

降車ホーム西側より終端方(東側)を望む。
左側に降車ホームがあり、奥の電車が停車している場所に乗車ホームがあります。
こちら側から「三ノ輪橋おもいで館」方面へ向かうには降車ホームを通るか、線路南側(右側)の道路から乗車ホームを経由する必要があります。
 
 

降車ホーム西側(早稲田方)にある踏切前より北を望む。
駅西側にも商店が多く見られ、写真奥ではアーケード商店街「ジョイフル三ノ輪」と交差します。
ちなみに踏切南側も似たような雰囲気です。
 
 

こちらは降車ホームです。終端方を望む。
前述のように幅が相当狭いです。照明がレトロな雰囲気を醸し出しています。
ホームと駅外の段差は降車ホーム、乗車ホームともスロープで結ばれています。

降車ホームで乗客を降ろした後、電車は写真奥の乗車ホームまで回送され、方向転換してから乗車扱いを行います。

 
 

降車ホームより早稲田方を望む。
ホームのすぐ先に踏切があり、右側(北側)へ少し入った場所に商店街「ジョイフル三ノ輪」があります。
この先、住宅街の中を北西へ走り、荒川区立第六瑞光小学校(左側)を過ぎると荒川一中前停留場へと至ります。
尚、都電荒川線は大部分の区間(全体の約86%)が専用軌道区間で、その事が他の都電路線と違い廃止を免れた一因です。
 
 

乗車ホームより終端方を望む。
車止めがあり、その先に「三ノ輪橋おもいで館」と出入口があります。
尚、1969年までは前述の日光街道上にも都電の線路があり三ノ輪橋電停も設けられていましたが、荒川線とは繋がっておらず、離れた場所に2つの三ノ輪橋電停が存在していました。
都電荒川線の三ノ輪橋電停と日光街道上の三ノ輪橋電停を接続する構想があったのかどうかは不明です。
 
 
あとがき
私が都電荒川線の三ノ輪橋電停で下車(乗車)したのは1999年、2002年、2010年、2019年の計4度です。1999年は都電荒川線の乗りつぶしのため、2002年は三ノ輪橋から町屋まで移動するため。2010年は都電荒川線の車窓風景撮影のため、そして2019年は実現できるかどうかは未知数ですが東京都の全駅を訪問する目的の一環で下車しました。なかなか訪問できませんでしたが、2019年にようやく駅訪問が叶いましたw 駅は初訪問時と比較して変化があり、車止めの場所にあった時計や小屋が撤去され、乗車ホーム手前に「三ノ輪橋おもいで館」という案内所ができていました。駅前には昭和レトロ感漂う下町の商店街が健在でした。
 
新宿駅からですと山手線外回り(池袋方面)に乗車して大塚駅で下車。駅前に発着する都電荒川線の三ノ輪橋行きに乗車して終点下車です。、または中央・総武緩行線で秋葉原駅まで行き、東京メトロ日比谷線に乗り換えて三ノ輪駅下車。駅を出て北へ徒歩5分ほどで三ノ輪橋電停に到達できますが、分かりにくい場所にあるので注意が必要です。余裕で日帰り訪問可能です。
一方、大阪からですと東海道新幹線に乗り東京駅へ。京浜東北線北行(大宮方面)に乗り換えて王子駅まで行き、さらに駅前に発着する都電荒川線の三ノ輪橋行きに乗車して終点下車です。あるいは東京駅から京浜東北線または山手線内回りに乗り秋葉原駅で下車、以降は上記のルートで到達できます。じゅうぶん日帰り訪問可能です。
 
食料・飲料について、駅近くにコンビニがあり、スーパー「イトーヨーカドー食品館」や「業務スーパー」も近くにありますが、駅前に気軽に入れる飲食店が少ないです。東京メトロ日比谷線の三ノ輪駅前(徒歩5分程度)まで行けば多くの飲食チェーン店があります。時間に余裕があれば用意する必要はありませんが、心配な場合は事前に用意しておきましょう。
 
大阪からの到達難易度もさほど高くありません。都電荒川線を乗り鉄される際は、ぜひ一度は三ノ輪橋電停も観察されてみて下さい!
 
(参考:東京都交通局のHP、地理院地図、Google地図、Wikipedia)