久松山ロープウェイの廃線跡(鳥取県鳥取市。2017年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回は、鳥取県鳥取市の市街地北東部にそびえる久松山(きゅうしょうざん)で1969年~1976年に運行していたロープウェイ路線、
久松山ロープウェイの廃線探索記を簡単に紹介します。
尚、今回の記事は全国の索道廃線を取り扱っているサイト『失われたロープウェイ』を参考に記事を作成しました。

 

久松山ロープウェイは、戦後に久松山山頂に存在した鳥取城天守の復元を見込んで1969年に開業しました。しかし山麓駅の立地条件の悪さが災いし、次第に客足が減少して1976年に廃止となりました。山麓駅跡は現存していて、鳥取市埋蔵文化財センターの施設として利用されています。また、山頂駅跡も現存していて、荒廃が進んでいるものの登山道の休憩所として利用されています。尚、ロープと搬器は撤去されています。

 
 

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(Mapion地図を使用)

 
 

区間  全長  高低差  方式 
山麓駅~山頂駅  590.88m  172.20m  三線交走式普通索道(41人乗り搬器×2基) 

  

訪問・撮影時   2017年10月  

  

  

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山麓駅跡は久松山の北西方の中腹、市街地と中ノ郷地地区を結ぶドライブウェイ状の道路沿いにあります。
駅舎は綺麗に残存しています。
山麓から徒歩では行きづらい場所にあり、一定の広さの駐車場は存在していたと思われます。
現在、駅舎の下方に鳥取市埋蔵文化財センターの建屋がありますが、現役時代はそこに駐車場があったかもしれません。


 

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ホーム部分を拡大。ホーム跡も残存しています。
前述のようにロープと搬器は撤去されています。


 

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山頂方を望む。久松山の森となっています。
現役当時は山麓駅付近のロープ直下の木は切られていたと思われますが、廃止から相当年数が経過し、自然に還っています。


 

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鳥取城の正面(県庁、市街地側)より久松山を望む。山頂に天守跡があります。
こちら側からロープウェイが架けられていれば現在も営業を続けられていたかもしれませんね…。


 

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山麓から徒歩で登山道を歩き約1時間、天守跡より東方のやや低い位置に山頂駅の駅舎跡が残存しています。


 

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山頂駅跡は登山者の休憩所および避難所として利用されていて、山麓駅跡とは違い中へ入る事ができます。
窓口は閉鎖され、ベンチが設置されています。当時の構造そのままで、上写真の通路に改札口が、奥にホームがありました。


 

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ホーム跡も残存しています。しかし前述のようにロープは撤去されており、搬器もありません。


 

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山頂駅の近くに(と言っても少し離れた場所ですが…)久松山の山頂があり、そこに天守櫓跡があります。


 

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その天守櫓跡やその近くからは鳥取市街や鳥取砂丘、日本海などを望めます。
久松山ロープウェイの車窓からは鳥取砂丘や日本海の絶景を味わえたのでしょうね…。
ちなみに、鳥取砂丘には砂丘センターと砂丘を結ぶ観光リフトが営業しています。
観光リフトの記事はこちら

  

  
あとがき  

今回の交通手段は、山麓駅跡が自動車で、山頂駅跡は徒歩(登山)でした。最初に山麓駅跡を探索し、車を停めてから久松山に登って山頂駅跡を探索しました。山頂(鳥取城跡本丸跡)への登山道は結構長くきつかったです。久松山の標高は263mあり、体力に自信のない人はムリです。山麓駅跡も山頂駅跡も駅舎そのものが残っていましたが、山麓駅跡は入れず、山頂駅跡は改札外の部分のみ入れました。尚、ロープや搬器は撤去されています。

  

しかしながら、残存している両駅舎跡は老朽化が進行しています。いつ撤去されるか分からないので、早目の訪問をお勧め致します。  

  

  
山頂駅跡へのアクセス  

公共交通機関:山陰本線(京都方面米子方面)および因美線の鳥取駅下車。鳥取駅前バスターミナルより昼間帯に運転の鳥取市100円循環バス「くる梨(くるり)」緑コースに乗り8分、仁風閣・県立博物館で下車、徒歩7分で鳥取城跡入口へ。または土休日昼間帯のみ運転の『ループ麒麟獅子バス』(1乗車大人300円、小人150円)に乗り鳥取城跡バス停まで約8分。尚、どちらのバスも循環系統で、復路は「くる梨(くるり)」緑コースで約25分、『ループ麒麟獅子バス』ですと復路は1時間以上かかりますのでご注意を。終バスの時刻が早いので16時までには下山しましょう。鳥取城跡入口から本丸跡近くの山頂駅跡まで約1時間。登山に適した服装、靴を着用しましょう。また、雨天の日は登らない方が賢明です。

  

マイカー:鳥取自動車道・鳥取ICより鳥取市街方面へ。鳥取駅前から国道53号線を北上し、鳥取県庁前を左折の上で鳥取城跡交差点を右折すれば到達できます。駐車台数が少ないので注意が必要です。尚、少なくとも鳥取県庁の休庁日には駐車場の一部が開放されています。  

  

(参考:『失われたロープウェイ』、Wikipedia)