身延線の旧線跡(富士~入山瀬。静岡県富士市。2008年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回は、静岡県富士市内に存在する廃線跡である身延線の旧線跡(富士~入山瀬)について簡単にレポートします。

  

身延線は前身の富士身延鉄道により1913年に富士~大宮町(富士宮)が開業したのを皮切りに、1928年には甲府まで全線開業しました。富士~大宮町が開業した際、富士駅では東海道本線の神戸方とスルー運転できる構造で、東京方と列車を直通させる場合は富士駅においてスイッチバックが必要でした。
その後、1941年に国有化され、さらに1969年には富士~入山瀬において複線化工事と同時に高架化と大幅な線路付け替えが行われ、富士駅では東京方へスルー運転できる配線に改められました。その結果、旧線は廃線となり、大半が「富士緑道」として整備されました。線路が大幅に付け替えられたのは、当時は富士宮にある日蓮正宗総本山・大石寺参詣のための、主に創価学会関係の団体列車が東京方面から多数運行されていて、その団体列車のスムーズな運行のためにも富士駅での配線が変更されました。尚、1991年に日蓮正宗と創価学会の関係が断絶されたために団体列車は激減しました。

  

尚、今回の区間は徒歩でサラッと辿っただけなので調査が不十分なことをお詫び申し上げます。
また、今回も写真が少ないです。ご了承願います。

  
  

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(Yahoo!地図を使用。廃線跡のラインは実際の廃線跡を完全に辿れていません)  

  
  

路線名   区間   営業キロ  廃止時  
日本国有鉄道:身延線  (※1)富士~入山瀬  5.2km   1969年9月28日  
(※)全区間単線・直流1,500V電化。軌間1,067mm。     
(※1) 実際には竪堀駅の甲府方で旧線跡と現在線が合流します。      

  
  

探訪・撮影時   2008年10月  

  

  

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(1)富士駅にて。
身延線列車が使用する1,2番線ホームの東京方は車止めがありますが、ホーム終端部が左へカーブしています。
これは東回りの旧線時代の名残でしょうか?。
また、このホームの先には貨物ホームがあります。

   
   

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(2)富士駅を発車した旧線列車は貨物側線の北側を東京方へ走っていたと推測されます。
その後、旧線跡は左へカーブして東海道本線と分かれ、引き続き左カーブを続けながら製紙工場に挟まれた区間を走っていました。
現在、旧線跡は舗装道路に転用されていますが、その道幅やカーブの具合に現役時代の面影を感じられます。

  

カーブが終わると直線区間に入りますが、道路は少しだけS字状にカーブしています。線路はそのまま直進していたはずで、これは旧線廃止後に工場の建て替えで旧線跡の用地を使用した結果でしょう。

  
  

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(3)工場地帯を出て住宅地へ入っても道路転用区間が続きますが、しばらくすると旧線跡が遊歩道『富士緑道』に転用された区間へと入ります。
ここから先、現在線との合流地点まで旧線跡は『富士緑道』になっています。

  
  

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(4)この地点(道路の向こう側)には本市場駅がありました。
現在線に付け替えられた際、当駅は現在地へ移転すると同時に柚木駅へと改称されました。
しかし、本市場駅跡と柚木駅は約1.5kmも離れていて、本市場駅の東側住民にとっては不便になってしまいました…。

  
  

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(5)この先も富士緑道区間が続きますが、所々で水路を渡ります。
橋梁によっては旧線の構造物を流用している場合もあるようです。
私の探訪時はその辺の調査が欠落していました。申し訳ありませんm(_)m

  
  

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(6)しばらく北西への直線区間が続きましたが、やがて旧線跡は右へカーブして北へ針路を変えます。

  
  

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(7)そして右カーブが終わると竪堀(たてぼり)駅跡へ差し掛かります。
駅跡は公園になっています。公園のスペースを見ると、竪堀駅跡は割と広い構内を有していたのではないでしょうか?

  
  

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(8)旧竪堀駅を過ぎると旧線跡の沿線には田園風景が広がってきて、天候次第では正面やや右寄りに富士山も見えて来るようになります。

  
  

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(9)その後、旧線跡は右へカーブして、左から来た現在線と合流します。この付近で富士緑道は終点となります。
また、旧線跡は潤井川を渡るために築堤区間になっていたはずですが、一切撤去されています。

  
  

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(10)旧線跡と現在線が合流後は、潤井川を渡ります。
旧線からの橋梁は現在線の上り線が使用しています。
正面には富士山を望む事ができます。

  

この地点は竪堀~入山瀬間ですが、入山瀬駅より竪堀駅の方が近いです。旧線跡はここまでなので、探訪を終えた後は竪堀駅の利用が便利です。

  
  

(おしまい)  

  

  

廃線跡探訪の注意点  

私が訪問したのは2008年でしたが、廃止から相当経過していたものの、旧線跡が道路に転用されていたので概ねトレースできました。
反面、遺構は少なかったですが、当時は橋梁部分に遺構があるのを知らなかったので今は後悔しています…。

  

廃線跡の実質的な距離は3km少々ですが、旧線跡と現在線が合流する潤井川橋梁と竪堀駅の間は1kmほどあるので注意が必要です。また、前述のように入山瀬駅まで歩くとなると最短でも2kmほどあるので、片道探訪の場合は竪堀駅を利用しましょう。片道探訪の場合は1時間半~2時間あればOKです。
食料・飲料についてですが、旧線跡沿いですと富士駅構内にキヨスクとベーカリーが、旧竪堀駅付近にコンビニがあります。また、旧線跡の数100m西側は富士市街で、コンビニや飲食店が散在していますので、さほど心配しなくても良いでしょう。

  

  

接続路線  

接続駅   接続路線  
富士駅   JR東海:身延線東海道本線  
入山瀬駅   JR東海:身延線  
  
(参考:地理院地図、Wikipedia)