二見浦旅客索道【ロープウェイ】の廃線跡(三重県伊勢市二見町。2013年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回は、三重県伊勢市(旧・二見町)の夫婦岩近くの旅館街で1932年~1942年に運行していたロープウェイ路線、
二見浦旅客索道の廃線探索記を簡単に紹介します。

  

二見浦旅客索道は名勝・夫婦岩にほど近い二見浦の旅館街と、南側にある音無山山頂を結ぶ交通機関として1932年に開業しましたが、観光用に特化していたためか、戦時中の1942年に資材供出で廃止になったようです。
現役時代は、6時から18時まで10分間隔での運行で、日の出遙拝客のために日の出の30分前より臨時運転することもあったそうです。

  
  

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(Yahoo!地図を使用)  

  
  

区間   全長   高低差   方式  
二見浦~音無山  250m  約100m  三線(?)交走式普通索道(所要時間2分)  

  

  

訪問・撮影時   2013年7月  

  

  

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参宮線の二見浦駅から歩いて約15分、山麓駅に相当するロープウェイの二見浦駅跡に着きました。
二見浦駅は写真右側の旅館「海洋楼」の位置にあったそうです。
写真奥にそびえる山が音無山で、ロープウェイはここと音無山を結んでいました。

  
  

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上の写真の中央に写っている道路を音無山方向に歩きました。
音無山駅跡を探索する場合は、当然ながら山を登る必要がありますが、登山道が整備されているので、運動靴でも大丈夫でしょう。

  
  

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登山道から二見浦駅跡方向を見下ろします。
眼下には素晴らしい風景を見ることができます。「ロープウェイがあったらなぁ~」と思ってしまいます。

  
  

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道中に遺構を発見することはできず、
展望台を経由して15分ほど登り続けると山頂駅に相当する音無山駅跡に着きました。
コンクリート造りの遺構が残っていました。二層構造になっているようでした。

  
  

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音無山駅跡を終端方より望む。外観だけ見ると比較的まともな状態で残存しています。

  
  

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階段を使って上層部へと上がりました。床面には草がびっしりと生えています。
草に埋もれていて分かり辛いですが、床面には溝があり、溝から下層部の機械室の跡らしき空間を見ることができると
『鉄道廃線跡を歩くⅨ』に書いてありましたが、実際は暗くて何も見えませんでした…。
懐中電灯を持って来れば良かったです…。

  
  

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また、上層部の終端方には錆びついた支柱の根元が残存していました。

  
  

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上層部より二見浦駅方向を望む。木々の間からですが、正面一帯には伊勢湾を望めます。
「ロープウェイから見る景色はさぞ素晴らしかっただろうなぁ~」と思ってしまいます。
日の出の風景も美しかったのでしょうね。ただ、地形的にロープウェイから夫婦岩が見えていたかどうかは分かりませんが…。

  

  

あとがき   

今回は国道から音無山に登り、遺構を、確認してから下山しました。標高は100mほどあるので、結構疲れました…。

  

また、音無山駅には遺構が残っていますが、いつ撤去されるか分からないので、早目の訪問をお勧め致します。

  

  
音無山駅(山頂側)へのアクセス  

公共交通機関:参宮線・二見浦駅より登山口まで徒歩12分、登山に徒歩15分(体力により個人差あり)。ちなみに、二見浦駅跡までは徒歩16~17分。

  

マイカー:伊勢二見鳥羽ライン・二見JCTを二見浦方面へ。約5分(小規模な駐車場あり)。さらに登山に徒歩15分(体力により個人差あり)。

  

(参考:JTBキャンブックス「鉄道廃線跡を歩くⅨ」、Wikipedia)