関電トンネルトロリーバス【立山黒部アルペンルート】(2007年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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扇沢駅にて。VVVF制御の300形無軌条電車です。
ちなみに、立山トンネルトロリーバスの8000形無軌条電車はこの300形がベースとなっています。


 

今回は、長野県大町市に位置する扇沢駅から、難工事となった関電トンネル(大町トンネル)へと入り富山県立山町に位置する黒部ダム駅までを結ぶ、関西電力が運営しているトロリーバス(無軌条電車)で、立山黒部アルペンルートの一部を構成する
関電トンネルトロリーバス(略称は関電トロリーバス)を紹介します。

 

関電トロリーバスが通る関電トンネルは、建設工事中にいくつもの破砕帯が発見されました。出水が頻繁に発生し、この区間を貫通突破するための工事は大変な難工事となりました。この難工事の模様は1968年に映画化され「黒部の太陽」という名作を生み出すことになりました。

 

尚、私の訪問は2007年と7年前で、しかもほぼ全線がトンネルであるなどの要因で写真が少ないですが、ご了承下さい。
 
関電トンネルトロリーバスは2018年をもって廃止され、翌2019年からは架線集電をしない
関電トンネル電気バスとして営業しています。
ちなみに、関電トンネル電気バスは鉄道路線ではなく、バス路線扱いです。     


 

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(Yahoo!地図を使用)  

  

  

区間   全長   方式  
扇沢~黒部ダム  6.1km  トロリーバス(1両当たり73名乗り)。直流600V電化。無軌条。  
  
  
訪問・撮影時   2007年5月  

  

  

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標高1,433mの扇沢駅の駅舎です。
大町方面(大糸線)へは鉄道路線はなく、大町アルペンライン路線バスに乗り換えです。


 

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扇沢駅のホームは地上にあり、乗降分離がなされています(右側が降車ホーム、左側が乗車ホーム)。
一見、駅というよりはバスターミナルの様相ですが、上空の架線がトロリーバスの駅であることを教えてくれています。
また、駅構内には車庫もあります。

 

尚、関電トンネルトロリーバスの運営は関西電力ですが、路線の拠点は関電のエリア外である長野県にあるため、中部電力による送電となっています。


 


扇沢駅を発車時の動画です。


 

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扇沢駅を発車すると上り勾配で関電トンネルを目指します。
尚、この付近は黒部ダム行きと扇沢行きの線路(道路)が分離されていて、両線路は関電トンネルに入った直後に合流します。
(写真は黒部ダム行き列車が通る線路です)

 

また、架線がなければただの道路ですが、この路線はトロリーバス以外にも関西電力の工事用車両も通行しています。


 


関電トンネルへと入り、トンネル内の交換設備にて黒部ダム駅から来た車両と行き違う場面の動画です。
このトンネル内でいくつもの破砕帯を通過しますが、先人達の偉業のおかげでトンネル内が難所であるということを全くと言っていいほど感じさせず、我々乗客も安心して乗車していられます。


 


扇沢駅を発車して16分、終点の黒部ダム駅に到着する際の動画です。



 

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トンネル内にある黒部ダム駅に着きました(標高1,470m)。
こちらも乗降分離がなされた単式ホーム1面1線の駅です。また、改札・コンコースもトンネル内にあります。
尚、トロリーバスは片運転台であるために折り返し運転ができず、両端駅はループ線の構造になっています。


 

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黒部ダム駅の入口は黒部ダムの東側にあります。
駅の入口というよりはトンネルの入口の様相です。
写真右側が黒部湖です。黒部湖は黒部川を堰き止めた黒部ダムによってできたダム湖(人造湖)です。


 

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黒部ダムにて。うまく写真撮影できませんでした…orz
黒部ダムは水力発電用のダムであり、関西電力により建設され、1963年に完成しましたが、難工事を極め、殉職者は171名にも及びました。
ダムの高さは186mで日本一を誇っています。

 

また、黒部ダムはよく「黒四ダム」と呼ばれていますが、関西電力によると「黒部ダム」と紹介しています。
因みに「黒四」とは、かつて中島みゆきさんが紅白歌合戦で歌ったことがある黒部第四水力発電所のことで、この発電所は黒部ダムより相当下流(北側)にあります。


 

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黒部ダムより黒部川の下流方を望む。6月下旬~10月中旬頃には放水が行われています。
この付近の黒部川は上流に相当し、まだ川幅が狭いです。

  

  
情報(2013年6月現在)  

営業期間  4/10~11/30。冬期運休。 
営業時間  扇沢発8:30~16:00、黒部ダム発9:05~16:35。超繁忙期は早朝~延長運転あり(要確認)。 
運転間隔  一部時間帯を除き概ね20分間隔。多客時は臨時便を増発することがあります。 
所要時間  片道16分。 
運賃  大人片道1,500円、往復2,500円。小人片道750円、往復1,250円。 
(※)アルペンルート内では目的地までのきっぷを片道でも往復でも乗車駅にて一括で購入できるので(例:立山~黒部湖)、各交通機関ごとにきっぷを買い直す必要はありません。  

  

  
乗り鉄の注意点  

関電トンネルトロリーバスは個人旅行でも団体旅行でも乗ることができます。
黒部ダム・黒部湖を訪問されるのであれば富山側より簡単にアクセスできますが、繁忙期は乗車まで長時間待ちが発生することもありますのでご乗車の際は余裕を持ってお出かけ下さい。

  

また、標高が高くて平地より気温が低いので、真夏であっても上着を用意しておいた方が無難でしょう。

  

  
のりかえ  

乗換駅   乗換路線  
扇沢駅   大町アルペンライン路線バス扇沢線(信濃大町駅方面)【立山黒部アルペンルート】  
黒部ダム駅  立山黒部貫光:黒部ケーブルカー(黒部湖駅迄徒歩15分。立山・富山方面)【立山黒部アルペンルート】 
黒部ダム駅  関西電力:黒部トンネル(関電専用道路。「黒部ダム」地点まで徒歩5分)  
  
(参考:立山黒部アルペンルートのHP、Wikipedia)