第395回('06) 日田彦山線で英彦山へ。最大級のスロープカーに乗車 | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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前回の続き…

2006年6月3日~4日、1泊2日の日程で四国・九州へ乗り鉄などの旅行へ出かけました。

今回は2日目前半の行程です。
四国・松山から夜行フェリーで九州入りした後は日田彦山線に乗り彦山駅まで移動しました。
そして以前から乗りたいと思っていた英彦山スロープカーに乗車できました。
今回の日程 2006年6月4日(日) 【前半】

小倉705(日豊本線→日田彦山線・929D)844彦山850(タクシー)900幸駅922(英彦山スロープカー山麓線)929花駅930(英彦山スロープカー山頂線【緩行線】)937神駅945(山頂線【緩行線】)950花駅951(山麓線)956幸駅(徒歩)銅の鳥居1004(添田町営バス)1015彦山駅(徒歩)彦山1043(日田彦山線→久大本線・939D)1125日田

【後半へ続く】
小倉駅からは日田彦山線の日田行929Dに乗車しました。車両は、非電化時代の篠栗線列車のスピードアップのためにキハ47形の機関を換装したキハ147形2連で、私は空いているボックス席に座りました。1ボックスに1人といった乗り具合でした。ちなみに、日田彦山線の城野口(小倉口)では下り始発が7時05分と、とても遅いのが不便です…。

列車は小倉を発車し、城野までの日豊本線区間は気動車に似合わぬ都会の風景の中を走ります。城野からは日田彦山線へと入り、北九州モノレールに乗換可能な志井公園を過ぎると一気にローカル風景へと変わりました。スイッチバック駅の遺構が残っている呼野を過ぎると山越えをして筑豊地区へと入りますが、この山越え区間の辺りは石灰石や銅などの鉱山が多いようです。そして平地へ出ると平成筑豊鉄道田川線と合流して田川伊田に到着。続けて田川後藤寺に到着して車内はガラガラになりました。尚、成立の経緯から田川市の中心部は伊田と後藤寺の2ヶ所あります。ちなみに市役所は両駅の中間にあります。
田川後藤寺を過ぎると再びローカル色が濃くなってきて、添田からは彦山川の谷を進んでいきます。当時、「歓遊舎ひこさん駅」はまだ設置されていませんでした。そして次第に山深くなってきて、小倉から1時間39分で目的地の彦山駅に到着しました。日曜日の午前中の列車でしたが、下車したのは私だけで行楽客はいませんでした。



イメージ 12枚とも彦山駅にて。
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彦山駅からはタクシーで英彦山神宮へ向かうことにしました。一応、コミュニティバスが出ているのですが、本数が少なくて時間が合わなかったので今回は事前にネットで彦山駅にタクシー(田川構内タクシー)が待機していることを確認した上で予定通りタクシーを使いました。旅行の行程で正式にタクシーを使うのは今回が初めてで、2013年6月現在ではこの時が最初で最後です。
タクシーは山道をひたすら走ります。運転手と会話しながらの移動になりました。そして、10分で目的地の英彦山スロープカー山麓駅前に着きました。運賃は1,680円と高かったですが、仕方ありません…。

さて、次はいよいよ英彦山スロープカー(当時の愛称:花公園電車)へ乗車するのですが、次の便の発車まで時間がありました。まずは自動券売機でチケットを買いましたが、ここのスロープカーの駅は「幸(ボヌール)駅」「花(フルール)駅」「神(ディウ)駅」と、神社でありながら?フランス語の読みも併記されていました。しかし、あまり注目されなかったからか、後年になってフランス語表記は廃止され、「幸(さち)駅」…などと括弧内が日本語読みに変わったようです。



イメージ 3幸駅にて。

そうこうしているうちに、スロープカーの発車時刻になりました。まずは下部路線に乗ります。私は早速搬器(幸号)に乗り込みましたが、固定クロスシートが並ぶ車内に乗客は私だけでした。そして30歳くらいの男性ガイドさんも乗車して、幸駅を発車しました。石垣積みの棚田などを見ながらスローペースで進みます。乗車中は鉄道ファンであるというガイドさんとの会話が弾みました。また、私が彦山駅10時43分発の列車に乗ることを伝えると、中間駅である花駅での接続が良過ぎるので、乗換をスピーディに行う必要があることを教えてくれました。そして7分の乗車で花駅へと到着し、エレベーターで下階へと下りて、上部路線へと乗り換えました。乗車後はすぐに発車しましたが、こちらは乗客が5人ほどいました。ガイドは女性でした。また、自動車では花駅までアクセスして、上部路線だけに乗れば英彦山神宮へ行けるようでしたが、花駅の駐車台数は少ないようなのでご注意を。

上部路線は単線並列の複線になっていて、奈良・生駒の近鉄ケーブルカー宝山寺線のようなイメージです。私の乗った路線は中間駅「花園(シャルダンフルール)駅」(現在の参道駅)にも停車する実質・緩行線でした。急行線も運転していたようですが、今回は乗れませんでした…。今回は英彦山公園のある斜面を登り、途中停車駅で乗降ゼロだった花園駅からは森の中を進み、7分の乗車で神駅に到着しました。



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到着後は英彦山スロープカーの写真撮影や英彦山神宮奉幣殿への参拝を駆け足で済ませ、7分後に発車する折返しの便に乗りました。今回も緩行線の神号で乗客は私だけでした。



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そして景色を眺めながら乗っていると、花駅到着前に急行線の花号とすれ違いました。英彦山スロープカーの上部路線は2路線並列なので、ロープウェイやケーブルカーとは違い上下同時発車をする必要がなく、柔軟なダイヤを組めるのが強みですね。そして下りでは花園駅を通過し、急行線より速いかもしれない5分で花駅に到着しました。

花駅では下部路線のガイドさんが出迎えてくれました。下車後はすぐにエレベーターで2階へと上がり、下部路線のスロープカーに乗車し、直後に発車しました。ガイドさんには感想を聞かれましたが、「今度は余裕を持って訪問したいですねぇ」と伝えました。そして、日本には「彦」の付く山が3つあり、1つは今回の英彦山、もう一つは新潟県の弥彦山、さらには兵庫県の雪彦山だと教えられましたが、私は不覚にも地元・兵庫県の雪彦山だけを知りませんでした…。また、その兵庫県(宍粟市)にもスロープカー導入の話があり、県職員が視察に来たそうですが、私は「税金を無駄遣いして…」と愚痴ってしまいました。しかし、実は今回の英彦山スロープカーも税金が投入されていることを後で知り、私もその税金投入の恩恵を受けたのにとんでもない事を言ってしまったと反省しました…。あと、ガイドさんはスロープカー製造元である嘉穂製作所の話もして下さり、私などより相当詳しくて勉強になりました。そうこう話しているうちにスロープカーは幸駅に到着し、再訪を誓ってガイドさんと別れました。まだ再訪できていないのが心残りですが…。このような熱心な人がいれば、英彦山スロープカーもこれから発展していくだろうと期待を持てました。現に、好評を受けて神号は単行(1両)から2両編成へ搬器が取り替えられ、輸送力がさらに増強されました。



イメージ 6

その後は幸駅の近くにある銅の鳥居バス停から、コミュニティバスである添田バスに乗って彦山駅まで戻りました。バスはマイクロバスで、乗客は私だけでした。ここでも運転手と会話しながらの道中となり、この付近は冬の積雪が凄く、最高で1mほどになることなどを教えてくれました。それにしても、九州は気さくな人が多く、話しかけられることが多いので楽しいです。私が全国を回った限りでは、話し掛けてくる確率は九州がダントツで高いです。関西よりも上ではないでしょうか? バスはノンストップで11分間走り、彦山駅まで戻ってきました。運賃はわずか200円で、タクシーとは比べ物にならないくらい安かったです。まぁ、ここでも税金の恩恵を受けているので、私には無駄遣いを批判する資格はありませんね…。

次に乗る10時43分発の列車まで30分近くあったので、私は彦山駅入口の階段に座り、朝に小倉駅のコンビニで買ったおにぎりを食べて昼食としました。駅舎内の待合室にあるはずのベンチは撤去されていたと記憶しています。
食後はしばらくホームで待っていると、城野方から日田行939Dが入線してきました。キハ125形の単行で、整理券を取って車内へ。ガラガラでした。私はボックス席に座り、5年ぶりとなる日田彦山線の車窓風景を堪能しました。特に筑前岩屋~大行司で見られる石垣積みの棚田の風景は圧巻でしたが、当時の私は写真撮影せず…orz 



イメージ 72011年撮影。

その後列車は大分県へと入り、夜明からは久大本線へと乗り入れて、光岡を経て42分の乗車で終点の日田駅に到着しました。



イメージ 8

日田駅からは久留米方面へは行かずに、大分方面へ向かうことにしました。

(つづく)


今回の新規踏破路線

路線名区間距離備考
英彦山花園スロープカー山麓線 幸駅~花駅 380m 踏破達成!
路線名区間距離備考
英彦山花園スロープカー山頂線 花駅~神駅 469m 踏破達成!
(参考:Wikipedia)