阿武隈急行線(福島県福島市~宮城県柴田町。2010年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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丸森駅にて。8100系電車です。

  

今回は、福島県福島市の福島駅を発車して東北本線と分岐し、阿武隈川沿いに走って宮城県柴田町の槻木駅で東北本線と合流する、元々は東北本線のバイパス線(但し、福島~槻木の営業キロはJR・阿武急とも同じ54.9km)として計画・建設された第三セクター鉄道路線、
阿武隈急行線(愛称:あぶきゅう)を紹介します。

  

尚、阿武隈急行線は1986年に国鉄から丸森線(丸森~槻木)を引き継いでスタートし、2年後の1988年に福島~丸森を延伸開業させるとともに全線が交流電化区間となりました。また、明治時代に計画されていた東北本線のルートは現在の阿武急ルートだったそうです。

  
  

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(Yahoo!地図を使用)  

  

路線名   区間   営業キロ   備考  
阿武隈急行:阿武隈急行線  (※1)福島~槻木  (※1)54.9km  (※2)単線・複線混在   
交流20,000V(50Hz)電化  
(※1)福島~矢野目信号場(4.7km)はJR東日本:東北本線との二重戸籍区間。
(※2)福島~矢野目信号場(4.7km)は複線区間。
(※)軌間1,067mm。
  

  

踏破達成時・撮影時   2004年8月  
撮影時   2010年8月  

  

  

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福島駅にて。JRではなく福島交通飯坂線とホーム・改札を共用しています(阿武隈急行には福島交通も出資しています)。
但し、飯坂線は直流電化なので線路の共有はされていません。
尚、以前設定されていた郡山方面への直通列車はJRのホームより発着していました。

  

福島を発車すると東北本線へと入り、市街地~住宅地の中を北上します。

  
  

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そして4.7km地点にある矢野目信号場で右へ分岐して、下り列車は東北本線の上り本線をアンダーパスして上り列車の走る線路と合流し、いよいよ阿武隈急行の単独線へと入ります。

  

まずは東北新幹線をアンダーパスし、駅の南部に福島中央卸売市場や福島卸商団地の広がる卸町に着きます。
卸町を発車後は高架へ上がって都市郊外の景色の中を走り、福島学院前を過ぎると右手に果樹園などの農地を見ながら走って瀬上に着きます。
瀬上を発車後は阿武隈川を渡り、向瀬上を過ぎると山間部へと入って福島市から伊達市へと変わります。駅南側に新興住宅地が広がる高子、そして上保原と進むと平地の田園地帯へと出て、左側に市街地が見えてくると保原に到着します。

  
  

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高子~上保原にて。田園風景を眺めながら走ります。遠方の山麓には東北本線が走っています。

  

保原を発車すると伊達市役所などを見ながら走り、大泉を過ぎると田園風景へと変わり二井田、新田と北東へ進みます。そして右側に車両基地が現れると今度は左手に市街地が見えて来て、運転上の拠点駅である梁川に到着します。

  
  

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(福島方を向いて撮影)梁川駅の手前には車両基地があり、梁川駅は運転上の拠点駅となっています。

  

梁川を発車すると左手に市街地を見ながら走り、やながわ希望の森公園前を過ぎると農村風景の中を走るようになります。そして富野を過ぎると山間部へと入り、やがて阿武隈川に沿って走るようになると兜に着きます。
兜を発車後も山間部を走り、福島県から宮城県丸森町へと変わると羽出庭トンネルへと入ります。トンネルを出ると「あぶくま」駅でに着きます。

  
  

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あぶくま駅から先は左手に阿武隈川の流れを見ながら短いトンネルが連続する区間を走ります。

  

しばらく走ると阿武隈川を渡り、今度は右手に阿武隈川を見ながら走ります。やがて左へカーブして阿武隈川と離れると丸森に到着します。丸森の市街地は駅の南側、阿武隈川の対岸に広がっています。

  
  

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丸森駅にて。丸森線時代、そして福島延伸開業までの間は終着駅でした。

  
丸森を発車すると主に丘陵地帯を北丸森、角田市へと変わり南角田と北上し、やがて丘陵を抜けて右手に市街地が見えてくると宇宙センターで有名な角田市の代表駅・角田駅に到着します。

  
  

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北丸森~南角田にて。仙台平野南部の田園地帯を走ります。

  

角田を発車すると住宅地や丘陵地帯を走り、横倉を過ぎると周囲一面田園風景の中を北上して岡に着きます。
岡を発車後は再び丘陵地帯へと入り、短いトンネルを2本潜ります。柴田町へと変わり、丘陵を抜けて平地へ出ると東船岡に着きます。

  
  

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その後は田園地帯を北北東へ走り、やがて左側から合流してくる東北本線の上り線をオーバーパスして白石川を渡り、住宅地の中を東北本線の上下線に挟まれて北上すると終点の槻木に到着します。

  
  

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槻木駅は単式・島式ホーム1面ずつの2面3線で、阿武隈急行線の電車は中線にあたる2番線より発着します。
かつては3面5線の大規模な駅で、阿武急の電車は現在の1番線(当時の3番線)より発着していました。現在も遺構が残っています。

  

  

あとがき   

本日で、2011年3月11日に発生した東日本大震災から丸2年が経過します。
内陸部を走る阿武隈急行線は、津波による直接の被害はなかったものの、地震そのものなどの影響により長期運休となりました。

  

阿武隈急行線は復旧を果たしましたが、まだ復旧が遅れている線区は多数残っています。
一日も早い被災地の復興を願ってやみません。

  

  
乗り鉄の注意点   

阿武隈急行線では普通列車のみの運転となっています。
列車本数は福島~梁川が最も多く、梁川で幾分減少し、富野で半減て県境を越えます。そして丸森~槻木では本数が増えます。
福島~富野は概ね毎時1~2本の運転、丸森~槻木では概ね毎時1本の運転ですが、県境の富野~丸森では2時間ほど間隔が開く場合があります。

  

運転区間は全線通し系統の他に福島~梁川・富野・角田、梁川~富野・槻木、丸森~槻木の区間運転列車が多数運転されています。
また、梁川から槻木を経て仙台まで乗り入れる列車が2往復設定されています。そのうち1往復は、土休日に『ホリデー宮城おとぎ街道号』として運転しています。

  

使用車両は自社車両のみで、オリジナルの8100系とJRから移籍したA417系の2形式です。
過去の非電化時代にはキハ22形気動車が使用されていました。

  

およその所要時間は、福島(30分)梁川(22分)丸森(22分)槻木で、同区間を並走する東北本線より駅数が多い分、時間を要しています。

  

  
のりかえ  

乗換駅   乗換路線  
福島駅   JR東日本:東北新幹線、(山形新幹線)、東北本線奥羽本線【山形線】  
福島駅   福島交通:飯坂線  
槻木駅   JR東日本:東北本線  
  
(参考:Wikipedia)