朝ドラ『らんまん』と浜辺美波さん | サト_fleetの港

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広く浅く、幅広いジャンルから、その時々に感じたことを “おとなの絵日記” のように綴っていきます。


連続テレビ小説『らんまん』第3週から、

いよいよヒロイン浜辺美波さんが登場した。(第13回)

浜辺さんは、植物学者 牧野富太郎をモデルにした主人公 槙野万太郎 (神木隆之介さん) の奥さんになる寿恵子の役だ。


※万太郎と寿恵子の出逢い。
(左から浜辺さん、神木さん、
志尊淳さん)

※寿恵子 (浜辺さん) は菓子屋の娘。

(以上『らんまん』公式Twitterより)



浜辺さんが朝ドラに出演するのは、これで2度目になる。

最初は2015年度前期の『まれ』の時で、

この時は、田中泯さんと田中裕子さん演じる能登に住む夫婦のもとへやって来る東京の孫娘役。

孫娘は二人姉妹で、妹役が浜辺さん、姉役は恒松祐里さんだった。

恒松さんも先ごろ、『おかえりモネ』でヒロインの友人役で朝ドラに帰って来ていた。

まさに、あの時の姉妹役の二人が成長して相次いで朝ドラに凱旋してきたようだ。


※左から田中泯さん、恒松祐里
さん、そして浜辺美波さん。

※浜辺さん、当時14歳。
(以上、朝ドラ『まれ』より)


ところで、
万太郎の幼少期を演じた“ チビ万太郎” こと
森優理斗くんは、
以前、映画『約束のネバーランド』(2020年公開) で浜辺さんと共演したことがある。

※幼少期の槙野万太郎を演じる
森優理斗くん。
(『らんまん』公式 Instagramより)


今回の『らんまん』では、優理斗くんは幕末の高知編の出演だったので、浜辺さんとの共演シーンはなかったのだが、
収録中、スタジオで浜辺さんと会うことができたようだ。
かつて共演した優理斗くんを見つけて浜辺さんは、
「優理斗ーーーー!!」
と、声を掛けてくれたそうだ。
子役から成長していく優理斗くんに自分を重ね、嬉しかったのかもしれない。

※“時空を越えた” 2ショット。
(森優理斗くん Instagramより)


ご存知の方も多いと思うが、

浜辺美波という名前は本名だそうだ。

“浜辺に打ち寄せる美しい波” とは、

あまりにも詩的でロマンチックな名前なので、芸名を付ける必要がなかったのだろう。

しかし、浜辺さんの郷里 石川県の津幡町は海に面していない。

一説によると、浜辺さんのお父さんが漫画『タッチ』のファンで、

登場人物の浅倉南の “みなみ” にちなんで命名したとか。


余談になるが、
私は数年前、ある映画のロケにエキストラで参加した際、浜辺さんに会っているらしい。
自分のことなのに、“らしい” というのには理由がある。
事前にその映画に浜辺さんが出演することは告知されておらず、ロケの現場にいらっしゃるとは思ってもみなかったのと、
その時、浜辺さんがメガネにオカッパヘアというスタイルだったため、浜辺さんだと気が付かなかったのだ。

一緒に参加しているエキストラの若い女性たちが
「すごい可愛い女の子いたよ」
「メガネかけた子でしょ?」
という会話をしていて、それが浜辺さんだった。
私も出演者の中にそういう女の子を見かけたので、間違いなく浜辺さんに会っているのだが、
本人と気付かなかったのに “会った” と言ってよいものかどうか・・・。


話を『らんまん』に戻そう。
今回の朝ドラでの浜辺さんの役どころは、
『エール』の二階堂ふみさんのような位置付けだろうか。
浜辺さんが登場するのは、明治から昭和にかけての日本の大きな変動期。
好きなことに情熱をかけて生きる夫を支え、ともに激動の時代を駆け抜けたエネルギッシュな女性として描かれるのではないかと思う。

※高知の牧野富太郎ふるさと館
(生家の造り酒屋跡) にて。
(浜辺美波さん lnstagramより)


・・・が、
このドラマについてのNHKのコメントを見ると、
「実在の人物である牧野富太郎をモデルとしますが、(中略) ある植物学者の波乱万丈の物語として大胆に再構成します」
とあり、
史実通りではないことをうかがわせる。

というのも、
【注】(このあと、ややネタバレ含む)
実際の牧野富太郎という人物は、
植物学の分野に大きな業績を残したのは事実だが、
偉人にありがちな、自分の興味があること以外にはまるで無頓着なタイプだったようで、それが金銭感覚や結婚問題にも表れていた。

富太郎に関する本はいろいろ出ているが、
それらによると、
植物の研究に没頭するあまり、富太郎は金銭を湯水のように使い、いつも金策に追われていた。
そのため、東京に出てからも、実家の造り酒屋に金の無心を繰り返し、
それが原因で、後にこの店は傾いてしまうほどだった。

富太郎が継がなかった造り酒屋を代わりに経営していたのは、
富太郎の祖母 (ドラマでは松坂慶子さんが演じている) と “妻” だった。
つまり、富太郎は結婚していて郷里に妻がいたのだ。
この妻は富太郎の従妹 (いとこ) で、祖母が縁談を進めて結婚させたのだが、
これが富太郎の意にそぐわなかったらしく、実家に放ったらかしにしていたようだ。

やがて祖母は亡くなるが、郷里の妻は健気に造り酒屋を切り盛りしていた。
そのころ、富太郎は東京で美人の菓子屋の娘と恋に落ち、子供までもうける。
郷里の妻は、それを知ったあとも富太郎に金銭を送り続け、懸命に支援を続けたそうだ。
(実家の造り酒屋が経営破綻すると、富太郎は郷里の妻と正式に離婚する)

※破天荒な植物学者はドラマの
ではどう描かれるのか?
(写真は神木隆之介さん)


一方、東京の妻は富太郎と子供 (13人生まれ、その内6人は夭逝) を残し、55歳で世を去ってしまう。
富太郎が94歳まで生きたのに対し、末永く添い遂げるとはいかなかったようだ。
浜辺さんが演じるのがこの女性なのだが、
おそらくNHKは、朝ドラのヒロインが “略奪婚” では視聴者の支持が得られないと判断して、
そのあたりの話は “大胆に再構成” して描くと思われる。

しかし、私だったら、この二人の妻を軸にドラマを作ったほうが面白いと思うのだが・・・。
いずれにしろ、
今回の朝ドラは、浜辺さんにとって新境地になるかもしれないやりがいのある仕事だと思う。
過酷といわれる朝ドラヒロイン、
健康に留意して演じ切ってほしい。


※クランクイン当日、ガッツポ
で気合十分の浜辺さん。
(『らんまん』公式 Instagramより)