“My Favorite Rain Song” | サト_fleetの港

サト_fleetの港

ブログで取り上げる話題はノンセクションです。
広く浅く、幅広いジャンルから、その時々に感じたことを “おとなの絵日記” のように綴っていきます。


梅雨の季節ということで、

雨に関した曲で、私のお気に入りの曲を紹介しようと思うのだが、
一言で “雨の曲” といっても、邦楽・洋楽、クラシックからポップス・童謡・演歌までとジャンルを問わず、たくさんの曲が存在する。
みなさんも、とっさに何曲か思い浮かぶのではないだろうか。

雨の曲の中には、
そのものズバリ、雨のことを歌った曲もあれば、雨の降る情景に人間模様を重ねた曲も多い。
その全部を挙げていては、それこそ枚挙にいとまがない。

それら、すべての曲を聴いたわけでもない私が選ぶのだから、
多少偏った選曲になるのは勘弁していただくとして、あえて1曲を選ぶとしたら、
私が学生時代によく聴いていた大瀧詠一さんの曲から選びたい。


最近、当時を知らない若い世代や、海外の人たちの間で再ブレイクしている大瀧詠一サウンド (ナイアガラ・サウンド)。
私が大瀧さんの曲を知ったのは、
1981年にリリースされたアルバム (当時はLPレコード) A LONG VACATION』(ア・ロング・バケイション、通称 “ロンバケ”) だった。

      
     


このアルバムは、
松本隆さんの詞に、大瀧さんの曲がとてもマッチしていたのはもちろん、
永井博さんによるアメリカンポップ風のジャケットイラストがまた素晴らしく、
アルバムとしては異例の大ヒットとなった。

収録されている『君は天然色』『カナリア諸島にて』『恋するカレン』などの曲は、多くのCMソングに使用されてきたが、
映画やテレビ番組のテーマ曲や劇伴に使用されることも多く、どれも不朽の名曲だ。
『君は天然色』は、発売からおよそ40年を経て、昨年からカバー版が自動車メーカーのCMに流れている。

私は、もちろんA LONG VACATION』のCDも持っていて、カーステレオの常備曲となっている。




A LONG VACATION』の中には、雨にまつわる曲が2曲ある。
『雨のウェンズデイ』と『Velvet Motel』である。
また、大瀧さんの別のアルバムNIAGARA TRIANGLE Vol.2には、やはり雨の曲『Water Color』がある。
この3曲から、ベストの1曲を選ぶことにしたい。

いずれも味わい深い名曲なので、
そこから1曲だけ選ぶというのは、私には辛い選択なのだが、
あえて、最も好きな曲を選ぶとしたら、
それは『Velvet Motel』だろう。


“Velvet Motel”
作詞 松本隆    作曲・歌 大瀧詠一

Green Light   ほのかに
雨に光る  アスファルト
Tail Lamp  数える
お前の  無表情



空っぽな  瞳をしてる
俺たちが  悲しい
壁に傾いてる  風景画ひとつ

Lay Down   お前を
口説く気さえ  忘れて
Lonely Night   Lonely Night


一度は  愛しあえた
ふたりが  石のように  黙る

Lying  嘘でも
いいから  微笑んで ・・・


Velvet Motel の  
中庭から  抜け出して
Blue Pool  小雨に
打たれて  泳いだ



空っぽな  瞳をしてる
俺たちが  悲しい
まるで  人のいない 風景画みたい

Lay Down  今夜は
ソファーで寝て  あげるよ
Lonely Night




大瀧さんの楽曲には、初期の頃にみられるユーモアとパロディ精神に富んだ作品もあれば、
アメリカの青春映画を思い起こさせるようなクールでロマンチックなものもある。
これは、大瀧さんが若い頃、アメリカンポップスに傾倒する一方、
植木等さんの『スーダラ節』などにも興味を持っていたことによるものだと思う。

A LONG VACATION』のリリースは約40年前、しかし、そこにある曲の多くは、さらにもうひと昔前のアメリカ、
映画『アメリカン・グラフィティ』に描かれているような60年代のアメリカのテイストを強く感じさせる。

Velvet Motel』も、そんな曲の一つ。
“Green Light” や “Lonely Night” など、英語の単語を韻を踏ませてちりばめ、
タンゴ調?の軽快なリズムに乗せて綴られるのは、
降りしきる小雨を心象風景にした倦怠期の恋人の様子。

雨や恋の終わりを描いた曲は、ウェットで陰気になりがちだが、
Velvet Motel』には、それがまったくない。
私なんか、この曲を聴くと、
ルート66沿いのモーテルを舞台にした映画の1シーンを想像してしまう。
とにかく、カッコいいのだ。

陰鬱な雨の日も、大瀧詠一さんのマジックにかかれば、ポップでドラマチックな名曲に姿を変える。
そう思いながら、
また、『Velvet Motel』を味わってみたい。




【おことわり】
この動画は、投稿者が削除したり管理者がブロックするなどして、ご覧になれなくなる場合があります。
ご了承ください。