傷物語〈Ⅱ熱血篇〉 その3 | 想像と好奇心でできている

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ギロチンカッターの戦いで、人間ではなくなった暦。連れ去られた羽川さんは助けられたけど。

 

4月6日。

忍野といる暦。「MADISON SQUARE GARDEN」というロゴの、紺色のバッグ。

かつて、キスショットの右足を入れて運んだり、羽川さんが暦に着替えを持ってきて、暦があけたらブリーフが入っていて暦が固まったり(笑)したバッグ。

今回は、「ハードアンダーブレードの両腕が入っている」と忍野さん。

 

これでキスショットの四肢、すべて回収できたので、人間に戻れる暦。忍野さんに「おめでとう」と言われる。でも、無言で雨が流れ落ちるガラスを見ている暦。

なんで自分があの3人に勝ったのか。疑問を持った暦に、胸ポケットからタバコを出したあと、赤い何かを取り出す忍野さん。

出したのは、キスショットの心臓。動いてる。暦に投げて渡す。びっくりしてる暦の両手の中で、拍動するキスショットの心臓。

心臓奪われてるから弱くなっていて、負けたキスショット。とはいえ、3人相手に戦えたのがすごい。でも、忍野さんによると、キスショットは心臓がないことに気づいていない。手足を奪われただけだと思っているという。

 

その心臓を、「気づかれないように、こっそりと心臓を抜いた」のは、忍野さんだった。ええ!

暦は心臓を取り戻さないと、キスショットを完全体にできない。

なので、4戦目、暦と「戦うはずだった」、と忍野さん。でも、その気はない。もう返してるし。

 

赤い傘をさして歩いている羽川さん。一般人がからんでくるケースは珍しいそうで、自分から怪異にかかわってきた羽川さんを「普通は、人は怪異から逃げるものだから」「あの子は少し、常軌を逸しているよね」。

 

なんで羽川さんが少々ヤバいのか。熱血篇で、吸血鬼に会いたいと思った理由を「現実逃避」と言っていたけど、それはアニメ版で、羽川さんが置かれている家庭環境の複雑さが原因でしょう。そのせいで、猫に憑りつかれた(大きなストレスがかかったことで、多重人格が生まれた、ともいえる)わけだし。

 

火のついてないタバコくわえたまましゃべる忍野さん。暦に「怪異に行き会った人間は、それからも引きずられやすくなる」と、これからなにかありそうな、怖い言い方で警告。

料金の200万と300万は、失敗したから「チャラってことでいい」と0円に。「バランスがとれてりゃ、うるさく言うつもりはない」なんて言ったけど、結局、お金いらないって言うつもりだった? のかも。

一人残った暦、「なんだよ……」。そりゃあ面食らうよなぁ。

 

キスショットと屋上で話す暦。「古傷物語」と題した、キスショットと1人目の眷属の人との話(侍とか、遊女とか出てきて、時代は江戸時代くらい?)。その人は自殺して亡くなった。吸血鬼は200年くらいで死にたくなる。

1人目の眷属の形見だという、妖刀・心渡を体内から引き抜いて出したキスショット。刃がすごく長い日本刀。

一回、暦の胴を斬った、と言うけど、血は出てないし服も切れてない。キスショットだからできることだそう。

 

なんだか楽しげな暦。セブンイレブンで食事を買ってきて、戻ってきたら。キスショットが獣みたいな姿勢で、なにか食べてる。両手に持っていた、コンビニのビニール袋落とす暦。死体。

待っている間にギロチンカッターがやってきた。生首持ってるキスショット。人間を殺して、食べてた……。

「メガネでみつあみの、あの携帯食、持ってこんかったのか?」

羽川さんのこと。そう、キスショットにとっては、羽川さんもそういうモノでしかなかった。

暦、精神的ショックが強すぎたんだろう。吐いてしまう。

 

4月7日。

絶叫する暦。ギロチンカッターの頭、あごからかじりついてるキスショット。

1人目の眷属も、それ以外の人間も、ずっと食べて生きてきた。人間はキスショットにとって食べ物でしかなかった。そのことに気づいた暦。羽川さんや、妹たちなど、誰かがキスショットに食われたら、「それはすべて、僕の責任だ」。

キスショットに血を飲ませ、生かしたせいで。

 

そのキスショットと同じ吸血鬼になった、ということは。空腹を感じ、羽川さんを思いだす暦。体育倉庫で、羽川さんとキス……してる妄想が、唇からかじついて、羽川さんの顔の皮膚がずり落ちて暦の口の中に。顔が骸骨になってる羽川さんが。

笑いだし、ハッとして、「死ぬしか、ない」。暦の前、1人目の眷属が自殺したのも、こういう理由だったのかな……。

バラバラになってる跳び箱たち。マットの上で横になる暦。羽川さんの携帯番号は、熱血篇で羽川さんを傷つけるために消去した。

 

画面を見て、涙がにじみ出る暦。勝手に、また羽川さんがアドレス残してた。(! いつ暦のケータイに入れたんだろう。なれなれしい、なんてレベルを超えてるよ羽川さん)

連絡したら、羽川さんが来た。体育倉庫、天井に十字架の形の穴があって、十字架の光が射してくる。(吸血鬼なのに、十字架はまったく平気)

 

新学期に阿良々木君と会いたいから、と正座してにじり寄って、「死んじゃ、ダメだよ」と暦の腕をつかんだ羽川さん。心に響いた暦。キスショットに血をあげたとき、こんなことになるとは思ってなかった暦。(あの時点で、3人と命がけの戦いをしたり、人間を捨てるなんて未来は予想しようがないし)

 

エピソード、ドラマツルギー、ギロチンカッター、の3人が、人間側の正義だった、なんて思わなかった、と暦。忍野さんの言っていた、こちら側(人間)とあちら側(非・人間。化け物)のことね。

コウモリみたいな羽根にくるまって、さなぎみたいに上下さかさまで、屋上の鉄骨のようなところに留まってるキスショット。眠ってるのか、眼を閉じてる。この外見、化け物らしい姿。その周囲で、鴉が大量に飛んでいる。

 

人間の敵になった、犠牲者が出たし、責任をとるために死ななければ、と言う暦に、死ぬのは罪だから、と説得する羽川。ずっと暦の腕を離さない。

一方、屋上にいたキスショットが目覚め、コウモリの羽根ではばたき、どこかへ飛んでいく。

 

また体育倉庫に戻り。暦、いつかキスショットのように、自分も羽川を食べ物にしか見えなくなる。それは……、と突き放したい暦に、羽川さん、「だったら、食べなよ」。

うーん。これをすごい自己犠牲、と言っていいものか。「相手のために死ねないのなら、私はその人のことを、友達とは呼ばない」。