ソロモンの偽証(後編・裁判) | 想像と好奇心でできている

想像と好奇心でできている

はじめての方は、カテゴリーの「はじめに」をご覧ください。
日々、思ったことを書いてます。
野いちごでは、 『テレビの感想文』ときどき更新。

ネタバレしてます。ご了承ください。



 

前編のあらすじ。

中学の屋上から落ちた、柏原君。彼は生前、不登校だった。

クリスマスイブの朝、雪が積もった校庭で亡くなっていた柏原君。

 

警察は自殺と判断。が、彼の死は他殺だ、と差出人不明の告発状が届いた。

その中に、父親が警察官の涼子もいた。

 

担任の森内先生は、ポストに入っていたはずの告発状を受け取っていなかった。捨てたのでは、と疑われていた。

 

涼子は森内先生の隣家の女性が、嫌がらせで告発状を盗んでいたことをつきとめる。

森内先生に突撃インタビューをしたテレビのニュース番組。

本当のことを報道しなかったマスコミに、不信感を持つ涼子。

 

樹里は、告発状を書いてるところを母親に見られてしまう。そして、声が出なくなった。

 

大人は信じられない。事実が消される。ならば、自分たちで裁判をしよう。

 

加害者の疑いがある、いじめっ子三人のリーダー格、大出は被告人。

他校の生徒、柏原君の友達だった神原は、大出の弁護側に。が、裁判に出たくない神原は、自宅に説得しに来た神原と言い争い、キレてケンカになる。

 

一方、涼子は検察側として、聞き込み。

制服で、スマホと手帳を使い、いじめっ子三人の写真を見せて探偵のように話を聞いたりしていた。


 

森内先生、隣の家のホラーな女が訪ねてきて、ビール瓶でガシャンって殴られ、病院に。怖い。

体育館で、松子の両親に会う涼子。娘がもてあそばれているようで、裁判には行かないと父親。

涼子、樹里の家に行く。声、出るようになっていた。裁判に来てほしいと言う。

 

学校内裁判、始まり。生徒。保護者。体育館の前には、裁判を始める生徒たち。

ざわつき、ふざける生徒がいる中、松子の父親が発言してくれたおかげで、ざわつきがなくなる。松子の遺影が。

 

初日。証人、自殺だと主張する女刑事。大出と面識があり、補導したこともある。少し大出に情がありそうな言い方。

屋上の南京錠は、いじめっ子三人が壊した可能性を涼子が指摘。

 

二日目。証人、津崎校長。マスコミから生徒を守ろうとした、と。

二人目の証人は、森内先生。頭に包帯巻いてる。(生きてた……)検察側から、柏原君はどんな生徒だったかたずねられ、「柏原君があつかいずらかった。あの眼が怖かった」「もう悩まされなくて済む、と思った」

 

三人目は樹里が証言台に。事件を目撃したのは松子。自分じゃなくて、松子が屋上まであとをつけた。告発状を書いたのは松子で、自分はポストに出しに行く松子に付き合っただけ。(樹里、告発状を書いたことを隠すため、嘘ついた)

涼子、確認する。樹里、嘘つき通して終了。今度は弁護側……、と思ったら、もう話したから、と帰っていく。母親に抱きしめられ、いっしょに体育館を出て行く樹里と母親。

 

大出の家の放火事件を担当した弁護士、大出のアリバイを証言。「よっしゃあ」と嬉しそうな大出。

 

その日の午後、大出本人に質問。判事に「終わったらぜってー殴る」と。あーあ、心証悪いよ。

弁護側の神原、柏木君をいじめていたかどうか、さらに別の人をいじめていたか、暴力を振るっていたかいたか、はいかいいえで答えさせる。

 

樹里の顔が映る。おそらく、みんなの前で大出の悪事をバラしたかったんだろうね。それならすっきりしたでしょう。大出、いままでしてきたいじめが、ひどいことばかり。

 

「いじめられた人の気持ちを考えたことがありますか」と、まっすぐ問いかける神原。

「ちょっとふざけただけだよ」

「きみが追い詰めたんですよ」

 

樹里の気持ちを代わりに言うかのようなことを言う神原。

眼が泣きそうになってる樹里。急に倒れた。

 

保健室にいる樹里に会いに行った涼子。

雨の日の夜、樹里は松子と会っていた。大出が柏木君を殺した、嘘つくのは嫌だと言い、わーって泣きながら走っていった松子。そして、車にはねられた。

 

結論が出るのは明日。泣いてる樹里の前に立ち尽くす涼子。保健室に入ってきた樹里の母親に「出てって!」出ていく涼子。

「あの神原って子、食わせ者ね。樹里ちゃんに同調するフリなんかして」 うーん、この人、毒親か?

 

8月19日。学校内裁判、最終日。

神原がなんで他校の生徒なのにこの裁判にかかわろうとしたのかが、本人の口から語られる。

 

神原は、自殺すると言い続ける柏原君を止められなかった。うーん、なんでそんなに友達を困らせたかったのか。ひどいかまってちゃんにも見えたけど。「口だけの偽善者だ」と責めたり。

 

結局、柏原君は自殺だった。好きにしろよと帰ってしまった神原は、次の日、ニュースで柏原君が飛び降りたことを知る。友達の自殺を止められなかった後悔は、自責の念になった。

 

嘘をついた樹里。松子とケンカになったあと、走り出していった松子(このシーン、前編で松子が自宅を出たあとにあった。家を出たあと、樹里と会っていたことが後編で判明)。

車にはねられてしまった松子を、樹里は見ていた。それで本当のこと言えなくなってしまったわけか。

 

大出が殺していなかったことが証明される。陪審員たちの結論は、無罪。

これで終わり。だけど、自分を裁いてほしい神原。終われないと主張するけど、これはそのための裁判ではない。閉廷。

 

裁判が終わったあと、体育館を出る涼子たち。大出、母親に無罪だったと報告。神原につかみかかったが、殴らないで、神原と無言で握手。

涼子など、ほかの生徒たちは両親と笑顔でいる。家庭環境の違いが出てる。


 

まあ、すっきりしない結論なんだろうなーとは思っていたけど。

真実がわかったところで、自殺だった柏原君、車にはねられた松子は帰ってこない。

 

大出はこれからみんなに避けられるだろうし、判事をした優等生くんはまじめに受験勉強するんだろうし、みんな、自分の人生を生きていくしかないわけで。

 

亡くなった人のことは忘れないでいられるけど、亡くなった人の分まで、本当の意味では生きられない。

他人の命の分量は、もらえないもの。その人だけのもの。

 

最後、大人になった涼子が職員室で話してる。回想シーンになり、中学生の亮子たち。神原もいる。

 

校庭から校門へ。校門の前で散り散りになって帰る。ラストシーンはさっぱりしていた。