運動をしたあと、いつも同じところが痛くなりませんか?
いつも同じところが痛くなるのには原因があります。
該当する筋肉が弱いからそうなると考え、その部位をほぐしたり鍛えたりしがちですが、さらに悪化することがあります。
筋肉が弱いから痛くなるのではなく、負担がそこに集まるために痛めてしまうケースが多くあります。
チューペットを思い浮かべてください。小さい頃食べた冷凍庫で凍らすアイスキャンディーです。
ガチガチに凍らせたチューペットは真ん中を支点にして折り曲げると真っ二つに分けることができます。
同じチューペットでも液体の状態であれば、真っ二つに割ることができません。
つまり、身体を固めてしまうと、特定の場所に負担が集中しやすくなるのです。
チューペットであれば、固めてしまった方がいいですが、これが人であれば想像するのが怖いですよね。
関節部を固めてしまうと、大きな怪我をしてしまうことはイメージしやすいと思います。
例えば、肩を壊しやすい人は、肩関節(肩甲上腕関節)の動きが主体になっています。
肩甲骨同士を近寄らせて運動すると、肩甲上腕関節の支点が固定されます。
すると、三角筋、僧帽筋、小胸筋等が固まり、更に肩関節が固定されます。
しかし、肩甲骨を胸郭から立たせることができると、肩関節の運動の支点をズラす(支点を増やす)ことができます。
[テコの原理を上手に使う。支点が変わる。]
ちょっと想像してみて欲しいのですが、状況に応じてテコの支点を変えることができたら、もの凄いことだとは思いませんか?
肩甲骨は臼状(うすじょう)関節なので、支点の移動が多方向なのです。ですので、肩甲骨を寄せるのではなく立たせることができると、肩関節が固定されないのでケガはしにくくなりますし、テコの原理で腕の力を最大限に発揮することができます。
今回の例は肩関節の話ですが、実はテコの支点を移動させることは全身で行うことができるのです。
ケガしにくく高いパフォーマンスを発揮できる人は、全身の支点を状況に応じて変えることができる人であると言えます。
[肩回りに新たな支点を作るワーク]
₋【立甲】(りっこう)₋
①:「前にならえ」を行い、指先を遠くの方に突き出して、肩が挙がらないように脇を締める。
②:①の状態をキープしながら手の平を返して(背屈させて)壁にもたれかかる。
③:①の状態をキープしたまま、胸を壁に近づけるようにする。
立甲は前鋸筋の活動が前提となった動きです。
前鋸筋は外腹斜筋との筋連鎖があり、腕に受けた衝撃を体幹に受け流し、体幹の力を腕に伝えることができます。
今後は肩以外の支点移動の話も出していく予定です。
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