この写真を見て、あなたはどう思いますか?
この鍛え方で、大腿側面の筋肉を優位に働かせて行うと、股関節が機能的に使えるようになるでしょうか?
残念ながら、答えはNOです。
このトレーニングはサイドプランクと呼ばれ、メジャーなトレーニング法です。
ですが、実は、股関節の機能を落としやすい鍛え方なのです。
サイドプランクは股関節を外転させる筋肉を鍛えるトレーニングです。
股関節の外転には中殿筋、大腿筋膜張筋が関与します。
大腿筋膜張筋は腸脛靭帯に移行し、優位に働くことで連鎖する大殿筋や前脛骨筋の緊張を高めます。
大殿筋は非常に大きな筋肉です。
連鎖して緊張することで、股関節が外旋した状態になり、内転筋群が劣位に働きます。
また、前脛骨筋は足関節を背屈する役割を持ちます。
前脛骨筋が固まることで拮抗筋の腓腹筋も可動性を失って固まってしまいます。
股関節を外転させる主動作筋が優位に働くことで股関節・膝・足首の動きが悪くなってしまいます。
[股関節が固まる流れ]
中殿筋・大腿筋膜張筋が固まる→腸脛靭帯の緊張→大殿筋・前脛骨筋の緊張
股関節を機能的に働かせたいのであれば大腰筋や内転筋群を鍛えてください。
大腰筋や内転筋群を鍛えることでインナーマッスルの筋連鎖が働きやすくなります。
大腰筋は、横隔膜と筋連結して腹式呼吸を誘導します。
内転筋群は恥骨に付着と坐骨から始まる筋肉があり、坐骨部ではハムストリングスとの連結が見られます。
大腿二頭筋は膝窩筋、ヒラメ筋、長腓骨筋へと筋連鎖していきます。
また、膝窩筋、ヒラメ筋は後脛骨筋に連結し、後脛骨筋は足底で長腓骨筋と筋連鎖します。
大腰筋と内転筋群を優位に働かせることによって、体幹~大腿~下腿~足底のインナーマッスルの筋連鎖が優位に働くようになります。
[体幹が使えるようになる流れ]
1階層目、大腰筋→横隔膜
2階層目、内転筋群(大内転筋)→ハムストリングス→長腓骨筋・膝窩筋→ヒラメ筋・後脛骨筋の促通
これが体軸筋の筋連鎖です。
『股関節周りの体軸筋を優位に働かせるワーク』
花輪のポーズ(ヨガのアーサナ)
①脚を肩幅より広めに開き、足首と膝を外に開いて立つ。
②仙骨を立ててみぞおちの力を抜き、胸の前で合掌する。
③膝が足首より前に出ないようにみぞおちの力を抜きながら、腰を落としていく。
④両肘を両膝の内側に挟み込みながら、骨盤を前後左右に揺らしたり、上下にバウンドさせたりする。
⑤股関節を使ってまっすぐ立ち上がる。
体軸筋の筋連鎖が優位に活動することで、体幹と下半身が連動して機能的に動かせられるようになります。
また、同じサイドプランクであっても体軸筋を優位に働かせながら行うと、中殿筋や大腿筋膜張筋は優位に働かないようになり、股関節・膝・足首が固まることはありません。
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