足首の内返しの捻挫は多くの人が一度は経験したことがある症状かと思います。
『捻挫したあとは、絶対安静にした方がいいんですか?動かした方がいいんですか?』
よく受ける質問ですが、受傷直後は安静にし、様子をみて可能であれば動かしてください。
可能であればという表現になるのは、捻挫には症状の善し悪しがあるためです。
激痛が走って荷重ができないほどの捻挫では、靭帯が断裂していることも考えられます。
その場合には、再建手術が必要になり、絶対安静が求められます。
動くことができそうな捻挫の場合、動かしてあげてください。
ただし、正しく動かすという前提がつきます。
損傷する靭帯があるということは、その靭帯が働かない分を負担する靭帯や筋肉があることを意味します。
これらの部位に負担をかける癖がつくと、損傷した靭帯に負担がかけられない身体の使い方が身に付きます。
そうして強度が下がった靭帯に不意に強い力が加わることで簡単に捻挫を繰り返してしまいます。
では、捻挫をする際にどこに負担がかかるのか?
内返しの捻挫をする際に、まず最初に損傷する靭帯が前距腓靭帯です。
さらに外力が加わった場合、踵腓靭帯が損傷します。
よほど大きな力が加わると後距腓靭帯も損傷することがあります。
これらは、外側側副靭帯になります。
外側部の靭帯が損傷するということは、足が内反しやすい状態です。
内反を防ぐために脚の外側に存在する筋肉の緊張が急激に高まります。
下腿の外側に位置する腓骨筋群、腓骨頭から筋連結する大腿二頭筋の緊張が高まっていきます。
また、足部の安定を意図する際に緊張する筋肉群があります。
スリッパなど、不安定な履物で移動すると緊張する筋肉群、
前脛骨筋~腸脛靭帯~大腿筋膜張筋が明らかに緊張していきます。
そうすると膝・股関節の柔軟性が極端に落ちてしまうのです。
実は、膝と股関節を柔軟に使える人は、足首を捻挫することはめったにありません。
足首にかかる外力を膝・股関節で逃がすことができるからです。
逆に、膝と股関節が固いと内反のストレスがかかった際にその負担がピンポイントで足首にかかるのです。
つまり、膝・股関節の柔軟性を高めることは、捻挫の予防にも繋がるのです。
『膝・股関節の柔軟性を高めるワーク』
①足のクロスポイント(土踏まずの中央、やや内寄りのポイント)を両母指で強く押さえて、グーパー運動を10回行う。
②膝のクロスポイント(膝裏中央)を押さえて、屈伸を10回行う。
③股関節スクワットを10回行う。
動画:https://www.youtube.com/watch?v=JZhzBeB1dH4
足首の捻挫は、身体の使い方の結果として受け止めるべきかと思います。
捻挫を機に股関節や膝の繋がりを知り、柔軟性を高めることは、受傷後のパフォーマンスアップに直結します。
*捻挫の直後は、基本処置のRICEを守り、無理に動かないようにしてください。
R(Rest):安静
I(Ice):冷却
C(Compression):圧迫
E(Elevation):挙上
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