今日ふと目にした記事の見出しで気になる単語が。
ワンオペ育児で限界寸前!なんでも「義母上げ、嫁下げ」するマザコン旦那についに怒り爆発!
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190825-00010000-fanfun-life
「義母上げ、嫁下げ」って何?
記事を読んでみると
ワーキングマザーの妻に対して
自分の母親を比較する際の夫の発言を指していました。
専業主婦だった自分の母親と
同じレベルでの家事&育児をワーママの妻に求めているため、
妻を非難するような言動となるわけです。
食後に食べ終わった器を、台所に持っていくように頼んだだけで「母さんは、そんなこと頼まなかった」。
というような。
これをもって「義母上げ、嫁下げ」
としているようです。
なんだかちょっとわかりづらい。
ただ記事を読んでみると
その言葉よりも、
記事内で紹介されている家庭の方が気になりました。
この家庭のママは仕事・育児・家事に追いかけられ、
一方でパパは週末もパチスロで
子供と遊ぶ時間すらろくに作りません。
あげく、パパはママを背中から撃つような言葉を浴びせるわけです。
ママは精神的に限界に近づきつつありました。
そんななか4歳の息子が友達に噛みつくなどの
問題行動を起こすようになったのです。
保育園の先生から注意されたある夜、ひとりで抱えきれなくなり、旦那に「家事は一切手伝わなくていいから、せめて子どもと遊ぶ時間を作って欲しい」と頼みました。
ところが、旦那は彼女の訴えを鼻で笑い、「俺は父さんと遊んだ記憶なんてない。母さんはひとりで子育てしたんだぞ。なんでお前には出来ないんだよ。息子が問題を起こすのも、お前の育て方が悪いんだろう」と言い放ったのです。
昭和時代のドラマに出てきそうな価値観というか。
記事は友人からの伝聞形式なので
エピソードに脚色があるかもしれませんが、
それをさっ引いたとしても、
(もし本当にその友人が存在するとすれば)なかなかの旧時代に生きています。
でも、どうやらママも堪忍袋の緒が切れたようです。
そりゃそうですよね。
ついにぶち切れたママは
ガツンと強烈な一言をパパにカマし、
その反撃にパパもびっくり。
で、水戸黄門的な勧善懲悪フォーマットにて一件落着。
僕ら読者は心の中の「スカッとボタン」に
手をかけることになります。
……でも、そのボタンを押す手が止まるのは、
記事の最後がこう締めくくられていたからです。
40年近く純粋培養されきたマザコン旦那が、急にイクメンに変わることはありませんが、最近は靴下を脱ぎ捨てることがなくなり、はじめて保育園の行事にも参加したようです。
そして、マザコンの鼻をへし折ってスッキリした彼女は、ママが大好きな子ども達と一緒に、今日もワンオペで頑張っています。
……え、コレで終わり?
結局、今日も1オペかい!
靴下を脱ぎ捨てなくなったり
はじめて保育園の行事に参加したとしても
それで、マジで奥さんスッキリしたの?
僕が父親側なら、
こんな些細な手数料で納得してくれるなら
安いもんです。
靴下を洗濯籠にいれることは家事参加とは言わないし、
保育園行事に行くことを育児参加とは言わないでしょう?
もちろんこれから少しずつ変わっていく
という話の流れなのかも知れないけれど、
奥さんこれでスッキリしちゃってるから
これ以上の好転はそうそう訪れないだろうし
過酷な準シングルマザー状態は続いていくでしょう。
まぁ、奥さんがスッキリしてるから本人はいいだろうし、
書き手もそれで一件落着という流れで締めくくっているけど……。
子供はそれでマジでスッキリするんだろうか?
友達にまで噛みついてるけど……。
でも、もしかしたら
けっこうこういう家庭ってあるのかもしれない。
いまのアラサー、アラフォーの子育て世代は、
1990年代前後に幼少期を過ごしてる。
その頃の日本はちょうど、
夫婦共働きが標準となる過渡期。
労働政策研究・研修機構の調べによると
専業主夫家庭と
夫婦共働き家庭の比率が入れ替わるのが
1990年代です。
参照元: 独立行政法人 労働政策研究・研修機構
今でこそ夫婦共働きは一般的なライフスタイルですが
かつては「あたらしいライフスタイル」だったし
専業主婦家庭のほうが一般的・伝統的でした。
その頃に幼少期を過ごしている世代が、親になったとき。
現実では機能しない旧世代の価値観のまま子育てをしていると
家庭運営にどうしても無理が生じるし
そのしわ寄せはもっとも立場の弱い子供に向かいます。
そしてその子供は
新時代を生きていかなければならないのです。
この記事の本質って
語られている部分よりも
もっともっと根深いところにある。
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