家電の取説で見るリチウムイオン電池(ダイソン掃除機編)
家電の取説で見るリチウムイオン電池という事で前回、ルンバの取説について書きました。今回は、ダイソン掃除機について、ルンバの時と同じように取説をすべて読んで、リチウムイオンに関する記載内容を確認しました。前回も書きましたが、取説は必要な時に必要なページだけ見るという使い方が多いと思いますが、大切な注意事項も書かれています。リチウムイオン電池は正しく使えばとても便利なものですが、取扱いを誤ると発火する危険もあるので、取説内のリチウムイオン電池の記載内容を確認しておくことは大事です。早速、ダイソン掃除機の取説を見ていきましょう。対象は、ルンバ同様、HIKAKINさんの動画で紹介されていた「Dyson V12s Detect Slim Submarine」という製品です。(クリックするとpdfファイルがダウンロードできます)黄色でハッチングした部分が、取説記載の文章です。充電したり、使用する際は、ダイソン社製充電器とダイソン社製純正バッテリーを使用してください。他のバッテリーを使用すると破裂するおそれがあり、けがをしたり製品が破損したりする可能性があります。リチウムイオン電池は種類ごとに、使用できる電圧範囲が異なるため、充電電圧も異なります。充電器は決められた種類の電池を最適に充電するために設計されているので、純正以外の組み合わせでの使用はやめましょう。本製品を長期間保管する場合は、バッテリーを本製品から取り外してください。バッテリを製品に取り付けたままだと、少なからずバッテリが消費されます。その結果、バッテリが過放電状態になり劣化してしまうため、取り外しておくことで、少しでも放電しないようにします。バッテリーを使用しない場合は、ペーパークリップ、コイン、鍵、釘、ネジなど、バッテリー端子間を通電させる可能性があるものから遠ざけてください。バッテリー端子のショートも、火傷や火災の原因となります。短絡により大電流が流れ、バッテリの発熱につながります。バッテリーまたは本製品を火気や高温にさらさないでください。火気または60℃以上の高温にさらすと、発煙発火ならびに破裂のおそれがあります。高温で使用すると、電池内部で電解液の分解などの副反応が起こりやすくなり、結果として電極表面の劣化させてしまいます。60℃という温度は、生活の中で起こりにくい温度であり、また様々なリチウムイオン電池の評価データでも劣化が顕著になる温度として使われています。万一バッテリーが液漏れした場合は、炎症や火傷が起こるおそれがあるため、漏れた液に触れないように次に従ってください。・皮膚に触れた場合: 石鹸と水で洗い流す。・吸飲した場合: 新鮮な空気の所へ移動し、ただちに医師の診察を受ける。・目に触れた場合: すぐに目を水で洗浄する(最低15分間)。その上で必ず 医師の診察を受ける。・廃棄の方法: 濡れた液が手などにつかないように手袋をするなどし、 地域の条例に従ってただちに破棄してください。具体的な対処方法が記されていますので、従いましょう。ダイソン社純正バッテリーを2つお持ちの場合は、性能を維持するためにバッテリーを交互に使用することをお勧め致します。1つのバッテリだけ使用していると、使っている方は充放電の繰り返しによるサイクル劣化が進み、もう一方のバッテリは蓄電しているだけで劣化します(保存劣化)。条件にもよりますが、一般的にサイクル劣化の方が劣化の進みは早いです。各地域の条例や規制に従って、バッテリーや電池を廃棄、もしくはリサイクルしてください。電池は取り外すことができ、リサイクルマークもついているので、一般社団法人JBRC回収協力店(家電量販店等)に持ち込むこともできますが、よくわからない場合は、お住いの自治体に確認しましょう。エコモード、もしくはオートモード/中モードを使用することで、バッテリの性能と寿命を長く保つことができます。この商品のもう一つの清掃モードに強モードがあります。強モードはエコモードや中モードなどに比べ、多くの電流が流れます。多大な電流の方が劣化は早く進みます。如何だったでしょうか。ルンバに記載してあった内容と似た内容の記載が多かったですが、バッテリの液漏れ時の対処法や、バッテリ寿命を長く保つ運転モードについての記載などが特徴的でした。