「名前」
うなぎが美味しくなってくる季節ですが、
子供の頃、おふくろに、
「うな丼が食べたいよ~」
と言ったら。
「いいよ。食べさせてあげるから、釣っておいで」
と言われて
うなぎを釣りに言ったことを思い出しました。
近くの清流で、確か、5~6匹釣ってきたと思います。
2匹ほどさばいて貰って、家族でいただきました。
残りのうなぎを庭の小さな池に放流して、
それぞれに名前をつけました。
ところが、
たとえうなぎでも、名前をつけると情が移ってしまいます。
名前をつけると、その瞬間から「ペット」に変貌してしまうのです。
結局、どうしても、食べることができずに、
川に返してしまいました。
先日弟が、江ノ島の住まいの近くで釣りをしていたら、
めずらしく、カレイが釣れたそうです。
バケツに海水を入れて、泳がせていたら、
とても可愛い顔をしていたので、名前をつけたら、
もう、食べることができなくなったと
言っていました。
「言葉」というものは面白いと思います。
それひとつで、食べ物がペットになってしまいます。
「トスカーナ」
先日、書き込んだベネチアロケに続いて、
フィレンツェ~トスカーナに移動しました。
この日記は昨年書き込んだものですが、
ベネチアに続いて、印象的なできごとに遭遇したので、
再掲載します。
ロケ先のシエナを早朝暗いうちに車で出発して
フィレンツェ方面に向かっていると
トスカナ名物の霧で先が見えないような状態になり
道に迷ってしまいました。
仕方なく、そのまま進んでいると、
小高い山に迷い込み、
行き止まりにある修道院につきあたってしまいました。
聞けば、その修道院はモンテ・オリベト修道院といって
イタリア国宝のセントベネディクトのフレスコ画があるところです。
編集者と、よい機会だからと、あちこち撮影させてもらいました。
撮影後、英語の分かる担当の修道士と話をしていると、
私が身に着けていた、セントベネディクトのお守りが
その修道院で作られたものであることが判明。
私は、昔お世話になっていた目黒のベネディクト修道院で
その「メダイ」(お守り)を入手したのですが、
ちょっと神がかった偶然に
驚いてしまいました。
イタリアの片田舎の修道院から、
はるか彼方、ローカルな東洋の都市にたどり着いたお守りが、
再び、イタリアへと里帰りしたわけです。
それも偶然、霧で道に迷ったせいで、、。
このお守りはいつも身に着けているわけではありませんが、
旅のときは必ず身に着けています。
今も大事に傍らに置いてありますが、
それを身に着けるたびに、
この不思議な偶然を思い出します。
代々キリシタンだった
私のご先祖様が導いてくれたような気がしてなりません。