非日常的日常ブログ -3ページ目

非日常的日常ブログ

日々過ごしていく中であった出来事や、なかった出来事、夢で見た出来事を淡々と綴ったり、綴らなかったりしていきます。

春の陽光が降り注ぎ、いつものんびりとした空気が流れる公園。
しかし今日、その平和は奇妙な形で打ち破られていた。広々とした芝生の上を二頭の堂々たるライオンが悠然と歩いている。
その間をけたたましい音を立てながら、一台の事務机が走り抜けていく。

机の上にはカーリー・ガブリエル(仮名)と、もう一人の女性が必死にしがみついていた。

振り落とされたら最後、あの黄金色の瞳を持つ獣たちの餌食になるだろう。
恐怖で喉は張り付き、額には汗が滲む。

もう一人の女性はカーリーの肩を強く握りしめ、震える手を必死に抑えていた。



されどライオンたちはそんな滑稽な光景にもさしたる興味はないようだ。

まるでそこに何もないかのように、静かに、そして堂々と、公園の主として君臨している。

彼らにとって机の上で震える人間など取るに足りない存在なのだろう。

その圧倒的な存在感だけが、カーリーの絶望を深くしていた。


どれだけ逃げてもライオンたちは、一定の距離を保って追いかけてくる。

彼らの目はまるで、カーリーの狼狽ぶりを楽しんでいるかのように遊び心に満ちている。


春の陽光が降り注ぐ公園は異様に静かだった。
桜の花びらが舞い散る中、ブランコや滑り台は古びて色あせている。
公園全体に時間が止まってしまったかのような、不自然な静けさが漂っている。
そしてライオンたちの動きにも、どこかぎこちない、作り物のような感じがする。
彼らの咆哮は聞こえず、ただ地面を擦るような低い音が聞こえるだけだ。

一緒に机にしがみついていたもう一人の女性が震える声で呟いた。
「これって…夢、なんじゃないかな?」

その言葉を聞いた瞬間、カーリーはハッ!とした。

そうだ、あまりにも現実離れしている。
ライオンが放し飼いにされている公園なんてありえない。
キャスター付きの事務机で逃げるなんて、まるで漫画の世界だ。
そう思った瞬間、周囲の景色が歪み始めた。
色あせた遊具はさらに色褪せ、春の柔らかな日差しがまぶしく感じられる。
けたたましい事務机の音も、ライオンの気配も、全てがぼやけていく。



まぶたを開けると見慣れた天井がそこにあった。
窓の外からは明るい光と、心地よい鳥のさえずりが聞こえてくる。
昨夜、けたたましい音を立てる事務机の上で、ライオンから必死に逃げていたあの恐怖はまるで幻だったかのようだ。
しかし、胸の奥には奇妙なざわめきが残っている。
あの古びた遊具が並ぶ公園の異様な静けさ、獲物を定めるライオンたちの冷たい眼差し、そして、必死にしがみついた事務机のひんやりとした感触が、まだ手のひらに残っているような気がする。
あれは本当にただの夢だったのだろうか?

ゆっくりと体を起こし、窓の外を見る。
見慣れた朝の風景が広がっていた。
隣の家の赤い屋根、電線にとまる数羽の雀、そして、かすかに聞こえる子供たちの声。
ああ、やはり夢だったのだ。

カーリーは安堵の息をついた。


急いでベッドから出て、朝の支度を始めた。
朝食の準備をし、顔を洗い、着替える。
日常のルーティンが夢の残滓を少しずつ洗い流していくようだった。
「さあ、今日も一日頑張ろう」

そう心の中で呟き、カーリーは玄関のドアを開けた。


「!」


目の前に広がった光景に、カーリー・ガブリエルの足は完全に凍り付いた。

昨夜の夢で追いかけてきた二頭のライオンが、そこに悠然と座っていたのだ。
朝日を浴びて輝く毛並み、大きな前足。夢と寸分変わらぬ姿。

静かに立ち上がり、ゆっくりとカーリーに向かって歩いてこようとしたその時、信じられないことが起こった。

地面が激しく揺れ始め、まるで巨大な生き物が地中を蠢いているかのようだ。
二頭のライオンはその異変に気づき、周囲を警戒し始めた。

揺れがますます激しくなると、目の前の地面が裂け始め、姿を現したのは巨大なミミズだった。
太さはおとなの胴体ほどもあり、ぬめぬめとした体表が月明かりに不気味に光っている。

巨大ミミズはカーリーとライオンを一瞥し、耳をつんざくような音を発した。

二頭のライオンは巨大ミミズに気を取られ、カーリーのことなど眼中にない。

その隙に逃走を試みるが、地面はミミズの出現によって傾いていた。

すると、さらに信じられないことが起こった。
巨大ミミズが空中に持ち上がり、そこには巨大な鳥が空を舞っていた。
鳥はミミズを掴み、あっという間に飲み込んでしまう。

そして満足げにカーリーの方を向いてきた。


再び絶望的な状況に陥ったカーリーの前に、さらに巨大な影が現れた。

それは空を覆い尽くすほどの大きさを持つ巨大な空飛ぶクジラだった。
クジラは優雅に泳ぎながら巨大鳥に向かって潮吹きを放ち、鳥を吹き飛ばした。

そしてクジラはゆっくり、カーリーの方へと近づいてくる。

その銀色に輝く姿はまるで空を泳ぐ宝石のようだった。

彼女がその壮大な光景に見惚れていると、クジラは優しい声で語りかけた。

「もう、お帰りなさい。」その声が聞こえた瞬間、カーリーの意識は途絶えた。




気がつくと、カーリーは再び疾走する事務机の上にいた。

必死にしがみつくもう一人の女性とともに。

すぐ脇にはあの二頭のライオンも当たり前のようにいる。


いったいどうなっているのか?
今いるこの世界は現実なのか?それとも、ただの悪夢なのか?

いつ終わるとも知れぬ逃走劇の中、カーリーは無性に空腹を感じていた。

今夜がふたご座流星群のピーク。

というわけで少し夜更かしして外に出てみた。


星があまり見えないな、と思ったら
夜空には月が煌々と輝いてる。
そのうえ自分は視力が弱いことにも気がついた。

10分ほど空を眺めて
何度か星が流れたような気もするけど
はっきりと見えないのでよくわからない。


これは無理かな、と思い帰ろうとした午後11時45分頃、
ひときわ明るい火球がおおぐま座の側を流れて消えた。

あれだけの火球を見たのは10年前の獅子座流星群以来だ。
さて、満足したので寝るとしようzzz


          〔イメージ画像〕




気付いたとき、スジャータ(仮名)はUFOの中にいました。

そこはまるで巨大なドームの中のようでした。

いえ、ドームというより、一つの街そのものと言っていいかもしれません。
外から見ている人がいれば、小さな円盤にしか見えないUFOの中にこんな広大な空間が広がっているとは到底信じられないでしょう。
物理法則を超えた何かがここにはあるに違いありません。


スジャータはその不思議な空間を探索し始めました。

清潔感のある白い通路を歩いていくと、次々と驚きの光景が目に飛び込んできます。

広い通路や幾何学的なデザインが施された壁、そしてところどころに点在する柔らかな照明の中をスジャータはゆっくりと進みました。

道すがら、彼女の目に映ったのは巨大なショッピングモールと呼ぶにふさわしい広場で、そこには煌びやかな看板やガラス張りの店舗が軒を連ね、見知らぬ言語がちらほらと飛び交っていました。
ファーストフード店からは焼きたてのパンやフライドポテト、香ばしいコーヒーの香りが漂い、まるで日常からかけ離れた異世界のカフェのような雰囲気を演出していました。

さらに奥へ進むと、仮眠用に用意されたベッドやゆったりと休めるリクライニングチェアが整った休憩スペースも現れ、ここでは多種多様な国籍の人々が笑顔で談笑しながら互いに交流していました。

見知らぬ空間でありながらどこか温かく迎え入れられるような空気が流れ、スジャータは思わず心を解放してしまいました。


この広大なUFO内部はまるで地上の大都市を凝縮したような完璧な生活環境を備えており、訪問者であるスジャータにとって心躍る冒険であると同時に、人間の営む温かな日常を彷彿とさせる場所でした。

各所で目にする先進的なテクノロジーと至る所に感じられる非日常感。
その絶妙なバランスはまるで夢の中の一幕のように彼女の記憶に深く刻まれていきました。

数日が過ぎた頃でしょうか。

時間の感覚が曖昧になるほど、スジャータはその非日常的な生活に馴染んでいました。

朝は目覚まし時計の音ではなく、鳥のさえずりのような優しい音色で目が覚め、夜は満天の星空を模した天井の下で眠りにつく毎日。
しかし、ふと、胸の中に故郷を想う気持ちが、静かに、そして強く湧き上がってきました。
家族や友人たちの顔、馴染み深い街並み、愛する家…帰らなければ。
たとえここがどれほど快適であっても自分の居場所はそこにあるのだ、と心が叫んでいました。

「戻らなきゃ!」


その瞬間、まるで巨大な掃除機に吸い込まれるような、あるいは強力な磁石に引き寄せられるような感覚が彼女を包み込みました。
視界が歪み、万華鏡のように色が飛び散る。

轟音が鳴り響き、平衡感覚を失う。



そして次に彼女が意識を取り戻した時、そこは見慣れた自分の寝室のベッドの中でした。
薄暗い部屋の中、いつもの天井がそこにありました。

いつもの柔らかな布団と心地よい暗闇が現実を優しく迎え入れるとは自身の体験が夢か幻だったのかと疑問を抱きながらも、その不思議な記憶に胸を熱くさせました。


ベッドに横たわりながら、スジャータはUFO内部での鮮やかな光景、異国風の人々との何気ない交流、そしてあの圧倒的な広大空間で感じた自由な感覚を思い返しました。

瞬間の中で感じたあの奇妙な引力と急激な転移はまるで宇宙からの訪問の証のように彼女の心に残り、現実の生活へ戻ってもその記憶は消えることなく静かに輝き続けるのでした。

彼女にとってそれは未知の世界への扉がいつでも開かれていること、そしてその扉の向こう側にはこれまでとは違う現実があるかもしれないという、ささやかで心温まる希望のようなものだったのです。

そしてスジャータはあの不可思議なUFOでの体験が彼女にとって大切な何かを導いてくれたような気がして、これからの日常に新たな視点と温かい余韻を抱きながら再び眠りにつくのでした。

昼間だというのに世界は帳が下りたように暗かった。厚く垂れ込めた暗雲はまるで巨大な生き物の皮膚のように脈打ち、光を一切遮断している。自分がどこにいるのか見当もつかない。足元は冷たく硬く、微かに金属のような匂いが鼻をついた。

その異様な静寂を切り裂くように、腹の底から湧き上がるような重低音が響き始めた。それは世界の心臓が悲鳴を上げているような、魂の不安を掻き立てる音だった。音の根源を探ると薄暗い空間の奥に巨大なシルエットが浮かび上がった。

近づくにつれてその影は明確な形を帯びてきた。巨大な黒檀のような光沢を放つデスク。その向こうに堂々とした椅子が鎮座し、そこに威圧的な男が腰掛けていた。顔は影で見えないが、その巨大な体躯、厳格な雰囲気、そして頭上に戴く奇妙な装飾はまるで冥界の王、閻魔大王そのものだった。そして空間全体を震わせるような、重々しい声が響き渡った。



「十」

心臓が凍り付くような恐怖が全身を駆け巡る。一体何が始まるのか? なぜ、こんな場所にいるのか?

「九」

男の声は地を這うような重低音で、ゆっくりと、しかし確実に数を刻んでいく。暗雲はさらに色を濃くし、周囲の景色を飲み込んでいく。

「八」


男は微動だにしない。まるでこの光景を何千回、何万回も見てきたかのように冷静だ。


「七」

世界の終わりを告げるカウントダウン。そんな言葉が脳裏をよぎった瞬間、全身の血液が凍り付いた。何が終わるのか? なぜ、こんな場所で、こんな光景を目の当たりにしているのか?


「六」

深淵から響くような声は容赦なく時を刻む。まるで死刑執行の瞬間を待つ囚人のようだ。

「五」

周囲の闇は深みを増し、時間の流れすらもその音に捕らわれているかのようだった。


「四」

心臓が激しく鼓動し、喉がカラカラに渇く。逃げなければ。そう思うのに、足は地面に縫い付けられたように動かない。

カウントダウンは続く。残された時間はあとわずか。この世界の終末を一体どう迎えればいいのだろうか。恐怖と絶望が俺を完全に支配していた。



「三」

男の声は先ほどよりも僅かに大きく、重みを増したように感じられた。暗雲はさらに深く沈み込み、周囲の輪郭を曖昧にしていく。まるで世界そのものがカウントダウンに合わせてゆっくりと崩壊していくようだ。

「二」

遠くで何かが軋むような悲鳴のような音が聞こえた。それはこの世界のどこかで何かが決定的に終わりを迎えている証拠のように思えた。

「一」

男の姿が一瞬だけ強い光に照らされた気がした。その顔は冷酷で一切の感情を読み取ることができなかった。

カウントダウンはあと一つ。世界の終わりがすぐそこまで迫っている。一体何が起こるのか?そして俺はどうなるのか?恐怖と混乱が渦巻き、思考は完全に停止していた。ただ男を見つめ、その次の言葉を待つことしかできなかった。



「零」

その瞬間、全てが静寂に包まれた。暗闇はさらに深く濃くなり、重低音は完全に消え去った。ただそこに何があったのか、何が起こったのか、何もかもが曖昧で理解することはできなかった。まるで長い悪夢から覚めた後のようにただ茫然と立ち尽くすしかなかった。

重々しい沈黙が空間を支配した。カウントダウンが終わったのに何も起こらない。世界の終わりはこんなにも静かなのだろうか?

男は依然として微動だにせず、ただ前を見据えている。その漆黒の瞳の奥にかすかな光が宿っているように見えた。それは怒りか、悲しみか、あるいは単なる静寂なのか、窺い知ることはできなかった。

張り詰めた空気の中、男はゆっくりと、まるで悠久の時をかけて言葉を紡ぐかのように低い声で語り始めた。

「終わりは常に、始まりの隣にある」

その声は地鳴りのような重低音とは異なり、深く、静かで、しかし、魂の奥底に響くような力を持っていた。

「汝は幾度となく終わりを見てきた。そしてその度に新たな始まりを迎えてきたのだ」

男の言葉の意味がすぐには理解できなかった。終わりと始まり?それは一体何を指しているのだろうか?

男はゆっくりと手を挙げた。その巨大な手がまるで天を指し示すかのように、ゆっくりと動く。

「見よ」

その指の先には先ほどまで暗雲に覆われて何も見えなかった空が、ほんの一部分だけ裂けて光が差し込んでいた。それは希望の光というよりも、世界の真実を垣間見せるような圧倒的な光だった。

光の中に無数の光の粒子が見えた。それはまるで星屑のようであり、同時に何かの断片のようにも見えた。

「汝の世界は終わるのではない。形を変えるのだ」

男の声はまるで古い書物を読み上げるように荘厳だった。

「破壊は創造の母。終わりは新たな始まりの胎動」

その言葉と同時に、地鳴りのような重低音が再び響き始めた。しかし、先ほどのような終末を告げる音ではなく、もっと根源的な大地の鼓動のような音だった。

空の裂け目は徐々に大きくなっていく。暗雲はゆっくりと消散し始め、その奥から信じられないような光景が姿を現し始めた。

それは見たこともない色彩に輝く空だった。紫、緑、金色、そして今まで見たことのないような透明な青。無数の星々がまるで宝石のように瞬いている。そしてその中心には巨大な、脈打つような光の塊があった。

「汝がいた世界は一つの終わりを迎える。だがそれはより大きな宇宙の一部へと還るための通過点に過ぎない」

男は静かに語り続ける。

「恐れることはない。終わりは常に新たな始まりを孕んでいる。汝もまたその流れの一部なのだから」

カウントダウンの意味がようやく理解できた。それは世界の終末ではなく、変革の時を告げる合図だったのだ。

地鳴りのような音は次第に高まり、やがて世界全体を包み込むような祝祭の音楽のように響き始めた。暗雲は完全に消え去り、目の前には信じられないほど美しい宇宙が広がっていた。

冥界の王の如き男はゆっくりと立ち上がった。その姿は先ほどまでの威圧感とは異なり、どこか慈悲深く、そして悠然としていた。


「さあ、行け。新たな始まりの場所へ」

男の声が優しく背中を押すように響いた瞬間、俺の意識は光の中に溶けていった。次に目を開けた時、一体どんな世界が広がっているのだろうか。それまでの恐怖は嘘のように消え去り、新たに幕を開けた未知なる時代への期待が俺の心を満たしていた。