ボージョレ・ヌーボーといえば、毎年11月の第3木曜に解禁になる新酒のワイン。日本にいた頃は、欠かさず飲んでいたひとも多いはず。

 

けれど、このワインをタイで飲むことは不可能に近いですよね。バブルで人気をえたこのワインは、世界市場の出荷量の半分が、日本で消費されています。つまり、日本だけのイベントのようなもの。タイでは、ボージョレ・ヌーボーなんて聞いたことがないというワインショップの店員もいるくらい。

 

 

タイ人とタイのアルコール事情

ところでボージョレに限らず、仏教徒が多いといわれるタイ人は、あまりアルコールを口にしないといわれます。2011年の調査では、飲酒習慣のあるタイ人は、およそ25%なのだとか。ですが、実際は酒税が高く、飲みたくてもそんなに飲めないだけ。低所得者層では、ラオカオという泡盛のルーツとよばれる低価格・高アルコール酒が愛飲されています。

 

しかし会社の飲み会で、いくら誘っても、飲まないタイ人女性もいますよね。お財布事情とは関係なく、30代以上のタイ人女性では、人前で飲まないようにしているひとは多いんです。

 

その理由は、近所のひとにお酒を飲んでいるところをみられたら、お嫁に行けないくらい恥ずかしいことだと考えているのだとか。夜の嬢たちや女子大生が聞いたら、ほとんどがお嫁に行けなくなるでしょうね。ですが、案外こういった古風な考えをもつタイ女は多いんです。

 

たとえば、機会があればワインの注ぎ方に注目してください。普通は、ラベルをうえにして逆手にボトルを持ち、グラスに注ぎます。

 

 

ですが、タイ女たちは、ラベルがみえないように順手でボトルをもちます。それは、ボトルをもち慣れていないからではありません。逆手は、亡くなったひとの棺を引く紐の持ち方。なので、逆手でなにかを持つということはしないんです。

 

ほかにも、自影り好きのタイ女も、いくらおしゃれでも、モノクロの写真は撮りません。というのもそれは、遺影を意味するから。試しに、撮ってみると・・・、すごい剣幕で怒りますよ。

 

日常のささいなところに、仏教の影響は色濃くあります。タイ女の理解には、タイ仏教への理解が必要なんです。