バンコクでは、タイ女たちをいわゆる現地妻、愛人にしている男性がけっこういます。すると当然、そこには「おてあて」が発生しますよね。ちなみに、ひとによりますが、相場は5万B以上なんだとか。平均世帯収入が2万6000B程度(2015年時点)ですから、かなりの破格。愛人であれば、おてあてが発生するのも理解できます。ですが、恋人だったら、対等な関係なんですから、おてあてなんていらない。日本人なら、そう思うでしょう。

 

 

ですが、実際はタイ人女と恋人としてつきあっても、おてあてに相当するようなおこづかいを要求されることがあります。理由は、実家に仕送りするとか、さまざま。そのため、日本人男は悩みます。彼女は、お金が目当てで、本当は愛してくれてはいないんじゃないかと。

その背景には有徳思想が

タイ人女たちは、たとえ愛人関係ではなく恋人関係であっても、男性に金銭を要求することがあります。それはなにも、タイだからという特別なことではありません。じつは仏教的な思想が影響しています。それは現代では失われていますが、日本にもありました。「有徳思想」です。

 

難しくいえば、富裕者が貧困者に応分の喜捨をするのを善とする思想。つまり、豊かなひとは、貧しいひとに分相応に布施をすることを意味します。これは、タイ人のタムブン(布施)好きに、影響しています。

 

 

日本では室町時代に飢饉が起こった際、武家や公家が米を農民に提供し、人びとを救いました。ですが、有徳思想は富裕者にとっては、やっかいなこともあります。というのも、喜捨をうける貧困者の側がそれを権利として考え、ときに喜捨を富裕者に強要するからなんです。

 

つまり、タイ人女からすれば、日本人やファランは、自分たちよりも豊かな存在。対等な関係どころか、喜捨を要求しても当然な存在なんです。タイ女とつきあうということは、対等な関係ではないんです。