石鎚 旭の岩屋 | ア-ルの写真記

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四国の山間(主に石鎚山系)で「人と自然」をテーマに
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(日本写真家協会 会員)

四国の南西部、愛媛と高知両県に跨がり石灰岩質の岩がむき出しになったカルスト地帯がある。そこには鍾乳洞が生成しやすく、縦穴で深さ160mといわれている龍王洞や横穴で長さ500mともいわれる羅漢穴といった規模の大きい鍾乳洞がある。ちょっと地域がずれるが高知県香美市の山間にも大規模な鍾乳洞、龍河洞がある。洞穴内部の空間は自然が作りだした神秘的な美しさが広がり、今は観光洞になっている。このあたりも石灰岩質を多く含む地形だったようだ。

もう半世紀も前の学生だった頃は、洞穴探検が流行り、部活で上記3つの洞穴はじめ、あちこちに存在する鍾乳洞を尋ねて行き大自然の中で感動をもらった想い出がある。

そういえば、石鎚山系には鍾乳洞はないな、と思っていたら、あるという情報を一昨年だったか得ていた。そして時々地図を覗いたりはしていた。今は、そこを訪ねて行く人はあまりいないようで道は薄く、所々に残した目印のテープを頼り行くという。鍾乳洞より上には金床岩という修験の匂いが漂う歴史ある大岩もあるようだ。だんだんと行きたいと思う気持ちが膨らんだ。パソコン上の地理院地図をプリントアウトして何度も覗き、行った人たちの情報を集めて場所を定め、記した。

体力はないがなんとか行けるのではと、写友を誘い2人で行くことに。

相方は朝7時半に出発し8時に合流。途中出くわす悪路をジムニーでゆっくり抜けて行った。雨上がりの林道は風雨で落ちてきた枝木や小石を所々で散見、踏むとヤバイなとおもう大きめの枝木などは、いちいち車から降りて取り除きながら進んだ。

 

登山開始。

前を行く相方は、山中の遍路道で鍛えた足なので、足どりは軽そう。心臓の力が弱い私とはだんだんと距離が離れていく。

 

上り始めてしばらく行くと石積みし囲った所がいくつかある。

人が住んでいた気配はないようだが畑跡のようなところはある。収穫した作物を置いておくなど、ちょっとした雨よけの小屋でもあったのか。

 

 

まだ石段道とわかる道を上って行く。

 

谷筋を上って行くと大きな岩が前方を塞ぐ。

さてどちらに行って良いのか迷う。

 

 

 

 

 

山中は天気の良い日でも陽当たりは良くなさそうで、苔がびっしり岩に生えている。

 

松ぼっくり? 

 

急峻な尾根道を、足下に気を配りながらゆっくりと上って行くと、穴が空いている大岩が前方に忽然と現れた。洞穴のようだ。思っていたよりも楽に探せた。立ち止まってまずは写真を撮った。そして、一息ついてから洞穴に近づく。

 

とりあえずは、目指していたふたつのうちの一つ、洞穴までは辿り着いた。

 

洞穴の入り口に金属製の台がある。

新しいもののようだ。

古くはなさそう。

古くても数年前に置いたものだろう。

何のために置いているのだろう?

 

 

 

洞穴入り口に水が溜まっていて、中へ入って行くのは諦めた。

中からはゲッゲッとカエルの声が聞こえてくる。

 

入り口橫に「旭の岩屋」とマジックのようなもので書いた木札が掛かっている。

これも古くはなさそう、古くても数年前に掛けたものか。

誰が何のために掛けたのだろう。

 

 

上方には二つ目の目標、金床岩(実は洞穴よりもここに行ってみたかった)があるが、時計を見たらすでに1時。初めてのルートで、道を探しながらというのもあるが、ゆっくり来過ぎたようだ。登りはじめてから3時間もかかっていた。これから上、今までのペースだと、まだ2~3時間はかかるかも。

山中は日が暮れだすと暗くなるのが速い。

これから上を目指すのは無理。

家を8時出発では遅すぎた。

出直すことに!

 

帰るとなると、時間にちょっと余裕が出来た。

焦らなくてもいい、山中の自然美を満喫しながらゆっくりと下りて行った。