「石鎚山に抱かれて」 写真展開催   | ア-ルの写真記

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四国の山間(主に石鎚山系)で「人と自然」をテーマに
写真を撮ってます。写真は記録!旅は人生の肥やし!
(日本写真家協会 会員)
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この度、下記の日程と会場で「石鎚山に抱かれて」一色龍太郎 写真展を開催することになりました。四国の西日本最高峰石鎚山はじめ、石鎚山系の山間で暮らす人々や民俗文化など、10年余り撮り続けてきた中から約50点をセレクトした写真展です。

よろしくお願いします。

会期 2024年 7月3日(水)~7日(日)

   AM9:40~PM5 最終日はPM4まで

会場 愛媛県美術館2階

 

石鎚登山ロープウェイがまだ運行してなかった高校一年の夏休み、東之川集落から瓶ヶ森に登り、縦走して石鎚山へと行く登山合宿に参加した。初登山で、自然が織りなす雄大な景色に感動してからは、石鎚山系山々の頂を目指し、多くの登山口を訪れた。

いつのころか、行き帰り途中の山間集落で、林業や農業に勤しむ人々の営みがつくる光景に感動し、目を奪われはじめ、立ち止まっては写真を撮ることが多くなっていた。

黄色いトウモロコシが軒下にぶら下がる茅葺きの家。美しく積み上げられた石垣が層をなす段々畑。静かな山あいで山仕事や農作業に勤しむ人々の姿。陽がすっかり傾きかけた夕方、山肌に点在する家の煙突からは、飯の仕度や風呂を沸か時に白い煙が上がる。煙は1日の野良仕事の終わりを告げるかのように静かにたなびき、ゆっくり拡がり、そっと消えていく。山間で流れゆく数々の営みの光景が、心地良いひと時を与えてくれた。

今日、林業や鉱業をはじめとする第一次産業の衰退など、産業構造の変化により、若者中心に多くの人たちが、仕事を求めて山間集落を後にしはじめてから久しい。そして山間集落の人口減少は進んだ。高齢過疎化の波は石鎚山系山間にも押し寄せ、人々の営みは減り、静まりかえる限界集落や人知れず無住と化した集落は数知れず、今も増え続けている。

西日本最高峰・石鎚山を中心に拡がる石鎚山系山間で、太古の昔から人は自然の恵みに支えられながら暮らし、時には自然の脅威にさらされながらも、神仏を尊び懸命に生きてきた。そして、悠久の時の流れの中で、あまたの地域特有の文化や慣習が育まれていった。しかしながら、過疎や限界集落化で継承できずに失われつつある。すでに消滅してしまった文化や慣習も多くあるが、今ある暮らしや、先人たちが築いた価値ある有形無形の民俗文化を写真で残そうとの念いで、山間を訪ねて、歩いている。