(渡邉理佐side)
「理佐、起きて、着いたよ」
友梨奈の呼ぶ声が聞こえた私は
静かに目を覚ました
するとそこには広大な海が視界に入ってくる
また、これたんだ・・・
友梨奈とまたこの海にこれたんだ。
私は自然と笑みがこぼれ落ちる。
友梨奈はそんな私の姿を見て
安堵の表情を浮かべる。
「友梨奈、お願いがあるの。
あの海辺の近くまでいきたいの」
「了解。」
友梨奈は私をおぶって海辺に向かった。
「楽しんでおいでよ。」
そう言って、玲奈さんは
私と友梨奈を見送ってくれた。
友梨奈は海辺近くの段差に着くと
私を座らせその隣に座った。
風が温かい・・・
私はまだ生きているんだ!
これからも生きていくんだ。
海を目の前にしてそう決心したんだ。
そして、私は友梨奈にお願いする。
「友梨奈・・・キスして・・」
友梨奈は私の申し出を
無言で受け入れ、優しく唇を重ねた。
そして、私達は暫く無言で手を握り合い、
時がこのまま止まってくれればと
願っていたんだ。