車を出発させ、私達は病院を後にした。
病院から抜け出してから、
30分後に理佐のお父さんが
病院に全てを話し
混乱をさける手はずになっている。
私は車中では、
理佐の手をはなさなかったんだ。
「理佐、海に着くまで休んでね」
「ありがとう、友梨奈の肩、借りるね」
理佐は私の肩にもたれて眠りだした。
私は不安になった。
このまま、目をさまさないのではないか?
海を見せてあげることができないかも?
すごく心配になったんだ。
そしたら、玲奈さんがバックミラー越しに
私に話しかける。
「心配しないで、理佐は死なないから。
しっかり、理佐の手を握ってあげて!」
「うん、わかった。」
車で30分程度走った頃だった、
海が見えてきた。
また、ここにこれたんだ、
その広大な海を見ることで
私の脳裏にはあの幸せな時間を
思い返すことができたんだ。