12月23日、冬の寒さが身に染みる季節を迎えていた。
私はドラマの撮影でスタジオにいた。
スタジオの中は暖房で暖められ、
外の寒さを忘れさせてくれる。
カメラの前で演技をする私の周りは、
スタッフや共演者で賑わっていた。
その日の撮影は長丁場で、
私たちは何度もシーンを繰り返していた。
その休憩時間、私は一息つくために楽屋に戻った。
楽屋のソファに座り、スマホを手に取ると、
通知が一つ。
それは友梨奈からのラインだった。
“24日の夜から1
時間ぐらいなら時間が取れるかも・・・”
その言葉を見て、私の心は一瞬で明るくなった。
クリスマスの夜、友梨奈と会えるかもしれない。
その思いだけで、私の心は躍った。
“私もその時間帯なら行けるよ!”
私はすぐにラインを返した。
その瞬間、
私の顔が自然と緩んでいくのがわかった。
それは、
友梨奈との再会を楽しみにしているからだ。
「なに、ニヤケているんですか?」
その時、楽屋のドアが開き、
今日一緒に収録している
長濱ねるちゃんが入ってきた。
彼女は私の顔を見て、
すぐに何かを察したようだった。
「ちょっとね~~」
私はおどけて見せる。
しかし、”ねる”はすぐに私の心情を見抜いた。
「どうせ、友梨奈さんがらみでしょ?」
彼女の言葉に、私は驚いて彼女を見た。
「え??なんでわかるの?」
「理佐さんがそこまで
うれしそうな顔をするのは、
友梨奈さんのことしかありえませんもの~~」
”ねる”は自信満々に言ってのける。
その言葉に、私は思わず笑ってしまった。
「私って単純なんだね!」
”ねる”と顔を見合わせて笑う私達。
その笑顔の裏には、
友梨奈への深い思いが隠されていた。
でも、この手でクリスマスプレゼントを渡せるんだ。
その思いだけで、私の体に
エネルギーが注入されたように感じた。
「理佐さん、テキパキしすぎですよ!
その動きに併せられません。」
撮影が再開され、
私の動きの速さに共演者たちから
ツッコまれる始末に。
しかし、私はそれを気にせず、
友梨奈との再会を心待ちにしていた。
それが、私の力の源だったのだ。