ガラスを割れ ~暗闇の中の絆~4 | じゅりれなよ永遠に

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じゅりれな・坂道小説書いてます。

喫茶『ブラックレイン』の店内は、

いつものように静かだった。

 

しかし、その静けさは、

今日は何かが起こる前触れだった。

 

店の奥のテーブルに、

元締めの内藤剛が座っていた。

彼の目は、いつも以上に鋭く

何かを物語っていた。

 

彼の前には、

三つの写真が並べられていた。

 

それは、防衛大臣木下、

その第一秘書の松岡、

そして部下の君島の写真だった。

 

店の扉が開き、

平手友梨奈、白石麻衣、

そして北村匠が入ってきた。

 

彼らは、内藤の元へと向かい、

無言で座った。

 

「新たな依頼が入ったよ。」

 

内藤が言った。

その声は、いつものように冷静で

その中には重みが感じられた。

 

「的は、この三人だ。

報酬は一人100万」

 

内藤が写真を指差した。

 

「また大物政治家が的なの?

日本も世の末だわ。」

 

麻衣がため息をついた。

 

「権力を持った奴は

始末に負えないなあ・・・」

 

巧がつぶやいた。

 

友梨奈たちは、

それぞれの写真を見つめ

その情報を頭に刻み込んだ。

 

「ただ、君島が行方をくらましている。

彼の居場所を突き止めるのまでもう少し

時間をもらいたい。」

 

内藤が言った。

 

「へえ~~内藤さんの

情報網を使ってもわからないのか?」

 

北村巧が感心した

 

「居所なら、

松井珠理奈から聞いて知ってるよ。」

 

友梨奈が座りながら

ポーカーフェイスで言った

 

「誰よ、その女性は?」

 

「怪物の元彼女だよ。」

 

麻衣の質問に友梨奈が答えた。

 

「怪物??」

 

「松井珠理奈、現職の刑事だよ。

 昔俺と仕事していた

  松井玲奈の元恋人だ。

 友梨奈、お前、珠理奈と会ったのか?」

 

内藤が説明して友梨奈に問いかけた。

 

「うん」

 

「だったら、

 お前が君島の居場所を突き止めて

 仕事を完遂してくれ。」

 

友梨奈は、黙って君島の写真を見つめ

その顔を覚え込んだ。

 

彼女の目は、獲物を追い詰める

猛獣のように鋭く光っていた。

 

麻衣は、内藤から

木下防衛大臣を殺る手筈を静かに聞き、

その情報を頭に刻み込んだ。

 

彼女の目は冷静で

しかしその中には炎が燃えていた。

 

巧は、第一秘書の松岡の写真を

見つめその顔を覚え込んだ。

彼の目は深い闇に包まれ

その中には強い決意が見えた。

 

「じゃあ、行きますか!」

 

友梨奈が発言すると麻衣と巧は立ち上がり

店を後にした。