新太郎が帰宅し、
すぐに理佐と友梨奈、新太郎、秘書の4人で
夕食を取った。
その時に新太郎は買収のことを理佐に話、
何故新太郎が上機嫌なのか理佐は理解した。
「まあ、今年も昨年以上に利益がでるよ!
理佐もしっかり頑張ってくれよ。」
新太郎は扇子を広げ、
この寒い時期にも係わらず
自分を仰ぎだした。
そして、また扇子を閉じ、
それでテーブルをバンバン叩きながら
自慢話を始めた。
この扇子でテーブルを叩くのは
新太郎のクセで
理佐はこの行動に嫌悪感を抱いていた。
その時だった、その姿を見ていた友梨奈が
頭の中で新太郎の顔がフラッシュバックしてきた。
(何故、理佐さんのお父さんの顔に
見覚えがあるの?)
友梨奈から笑顔が消えた。
それを理佐は敏感に感じとていた。
そして、食事が終わると
新太郎は帰り支度をして玄関をでた。
理佐達は表にでて新太郎を見送った。
「じゃあ、また連絡するからな・・」
「お父さんも無理しないでください。」
こうして新太郎は去って行った。