涙の滴 9 | じゅりれなよ永遠に

じゅりれなよ永遠に

じゅりれな・坂道小説書いてます。

理佐は友梨奈の異変に気づいていた。

 

新太郎が帰った後

部屋にもどり友梨奈を呼んだ。

 

3人がけのソファーに

ふたり並んで会話を始める。

 

「お父さんのこと知ってるの?」

 

理佐は友梨奈の顔を見つめて聞いた。

 

「わからないの・・・

なにか昔に会った気がしただけなの

気のせいかもしれないけど・・」

 

理佐は友梨奈の記憶が戻って、

ここを出て行かれることが一番心配であった。

 

「記憶が戻りそうなの??」

 

「なにも思い出せないから大丈夫よ、

今日は寝るね。」

 

友梨奈は理佐の部屋を出ていった。

 

友梨奈もまた、記憶がもどることで

理佐との関係が壊れるのではないかと

不安が襲った。

 

もし、自分に帰る家があり

家族が待っていたらどうしよう。

 

もし、記憶がもどり

今の記憶が消えたらどうしよう。

 

友梨奈は理佐との別れに怯えていた。

 

しかし、その恐れが現実となる日が

もうすぐそこまで迫っていたのであった。