そしてある夜、
私は友香の部屋をノックする。
「友香、入るよ」
「うん。」
友香は顔にパックをつけて
フェイスマッサージをしていた。
「友香・・・お願いがあるんだ。」
「はい!30万あるわ・・・倍にして返してよ。」
友香はお札の入った封筒を私に渡してくれた。
「え??なんで、わかったの?」
「あなたの考えていることは
手に取るようにわかるわよ。
理佐を向かえにいくんでしょ?」
「うん、そのつもりだよ」
「今度は逃げないのね。」
「今までは、私が臆病だったから
上手くいかなかったんだ。
どんな残酷な現実でも私は受け入れるよ。
そして、今度こそ理佐を
この手で抱きしめたいんだ。」
「そっか!がんばって!」
「ありがとう!」
こうして、私は友香にお金を借りて
理佐が今居る、ニューヨークへと向かったんだ。