(平手友梨奈side)
楽しい時間はあっと云う間だ。
勇気を出して理佐の家前まで
送ることを申し出て了承され、
私は久しぶりに理佐と恋人気分に戻れたんだ。
だが、もう理佐の家のまえだ。
楽しかった分、
この後の寂しさは
計り知れないものがあるだろう。
でも、今の理佐を
ほっておくことは出来なかったんだ。
私が寂しい想いをすることで
理佐が少しでも元気になるなら
喜んでその道を歩もう。
「久しぶりに理佐の家をみたよ。
懐かしいなあ・・・じゃあ、私は帰るからね」
「うん・・・ありがとう。」
理佐は笑顔で堪えてくれた。
まだ、この場所にいたい
ず~~~と理佐の傍にいたい
そんな欲望にかられてしまったんだ。
でも、我慢しなければ・・・
もう、あの時にはもどれないんだから・・・
私は手を振りながら振り向き
駅へと向かうのだった。
だが、次の瞬間
背中に温もりが感じられたのだ。・
「いかないで、もう少し傍にいて
お願い友梨奈・・・」
なんと理佐が
私の後ろから抱きついてきたのだ。
「うん、理佐が望むならいるよ。」
私は理佐に招かれて実に3年ぶりに
理佐の部屋に入ったんだ。