『SAOアリシゼーション』 | ボクとその周辺

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あと、日常のこととか、気が向いたら心理学関連も書くかもです。

今回は『ソードアートオンライン アリシゼーション』超個人的レビューです。



2クール目の最初から眠ってたキリト君が、3クール目の半ばにやっと目覚めましたね。

うーむ、1クール目は大冒険で良かったです。
2クール目の最初の方もアリス視点で悪くはなかったです。
しかし、戦争勃発後が微妙でした。

『ソードアートオンライン』でなければ録画をやめてたかもしれません。

主人公不在だからというのも心情的にはありますが、ちょっと違います。



作者さんは洋画の『TAXI 3』をやってしまった、という感じがします。

あれは雪山が舞台になって、スピード感が全然ありませんでした。

自分の得意じゃないことをやってしまったのです。


この人は軍隊の戦いを書くのは苦手なのです。

ここで敵がこう来るから、味方をこう配置してー、みたい戦略とかは無かったですよね。


それは『幼女戦記』の人の十八番ですし、『オーバーロード』の人の方がまだ書けてます。

『幼女戦記』はあの隊の戦いを描きながら、偉い人の会議を挟んで、全体の動きを見せてますね。
そしてそれにより、ターニャの部隊の戦いの、全体の戦略に対しての意味が説明される訳です。



ホントに思うのが、この人の場合、ある個人にスポットした方が格段に面白かっただろう、と言うことです。

それで、戦略会議を間に挟んで、どこで何のために戦ってるのか、その戦いの結果どうなったのかを描いたら完璧です。


整合騎士の中で、すごく頼りない奴いましたよね。

彼を主人公にして、戦いの中で成長して、隊を率いる者としての才能(書くのが難しければ 自覚 とかでも)に目覚めてゆくようなお話でも良かったと思います。


そのあいまに、キリトが高校のような場所でさまよう描写を、何回か、数カットだけ、挟んでいっても良かったです。

復活した回で、その描写が長めに1回入っただけで、簡単に復活しちゃった印象でした。

それまでに、あの空間で苦しんだり迷ったりする様子を、何度も入れてた方が良かったです。



あと、主要キャラの強さの設定も、軍隊の戦いを描きづらくしてますね。

主要キャラの強さが軍の中に混じって戦うには強すぎです。
最初はキリト達もゴブリンに囲まれたらヤバかったのに、強さがインフレしてますね。


それに、ピンチを作るために、急に弱くなったりします。

アスナの神のアバターや、コンバートした高レベルアバターなら、アメリカの人達の新規アバターにいくら攻撃されても「1」のダメージの山が築かれるだけのはずです。

一般兵を倒してたので、パラメータを底上げされてたのでしょうか。
でも、休日や放課後に延々とゲームやってる人達のアバターにプレッシャーを与えられるものでしょうか。

アメリカの人達が出てくるところは、ストーリー的に要らなかったかもしれません。



このアンダーワールドの大戦争は、結末ありきで書かれてる感じですね。

実際に設定の通りに戦争になったらどうなるでしょうか。
そういう感じで考えて欲しかったです。


敵も味方も、隊長クラスの強さなら、ある程度の時間があれは相手の軍のザコを一掃できます。

双方がそうしたい。
でも相手の隊長クラスがそうさせない。

そして両者が激突。

相手を早く倒さないと、敵軍に面で制圧されてしまう。

そして、周りの巻き込まれたザコを吹き飛ばしながら、隊長同士が激突する。

そんな感じが妥当かな-。


隊長同士の戦いの勝ち負けと、軍としての勝ち負けが違うところも生かして欲しかったです。

ガンダムの『第08MS小隊』みたいに。
体を剣で貫かれた方が「勝った!」って言って、貫いた方が「負けた…」って言う、みたいな。



まあ横から見てる、責任ない立場だから言えるんだと思いますが。

今回は、気になるところばかり見てしまってますが、魅力もある作品です。
システムへの介入が魔法とか、サイバーパンク好きにはたまりません。
でもそれだけに、色々惜しいです。

この作者の秀でてる点って、世界観ですよね。
もう少し、アンダーワールドの世界観と、戦争が結びついたら良かったのですが。
この世界の神とはどういうものか、そのアバターが顕現した場合の意味とは…みたいな。

とりあえず、この辺で終わっときましょうか。