魂が揺さぶられる味に出会いたい | レシピのいらない料理術

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サイエンス クッキング プロデューサー 木村万紀子のブログ

魂が揺さぶられる味に出会いたい

こんなこと思ったことありますか?


料理人、美食家は
常に美味しい料理を求めることで、
美食に慣れを感じてくると、

あぁ、昔に感じた
あの心がわしづかみにされるような、
夢中になるような味に出会いたい。
そう思うものではないでしょうか。

そんなときに、
ズキューンとくる味に出会えたら、
「そうなのよ!これ!!」と思う。


その感覚を味わいたい、欲が、
レストランの料理を
進化させていると思います。

私にとって、それは、
「心をわしづかみにされるような、
恋する味❤️」なわけです。

それとは別で、
「魂が揺さぶられる味」に
衝撃を受けることもある。

これは、もっとシンプルに、
素材の味そのものだったり、
素材が活かされた味。

食べた瞬間、
自分の45年間をそれ以上に遡って、
受け継がれてきた
日本人のDNAも総動員して、
美味しさに静かに感動するような味。

「生きているという、
人の根底に語りかけるような、
愛を感じる味」というか。

うまく説明できませんが、
どちらも、
本能 を揺さぶる味なのですが、
別物なのです。

なるべく簡単にご飯を済ませることを
支援するような外食産業、
できあいのものが発展してきた、
ここ数十年。

後者の、魂を揺さぶられる味に、
生まれて30年経っても、40年経っても、
出逢えていない人がいるのではないか。

と、料理の仕事をしていて思うのです。



ここ15年で、
料理が面倒で苦手な人が増えてきたのは、
いくつも理由があって、
もうそれは、社会現象と
私はレッスンで言い切っています。

あなたのせいではない、
料理が苦手になる社会に、
私たちは生かされている。

それでも、毎日、
ご飯を作らなければならない。
自分のために、家族のために。

その「ねばならない」に
苦しめられている人に、
たった1日で、
料理ってこんなに楽しく、
簡単に美味しくできるものだったんだ!
と気づかせるのが、
私の志事だと思っています。


私の料理教室では、
必ずみんなを救い出す、
そう約束して、やっています。

そして、美味しい料理が、
肩肘はらずに、
さらりと作れるようになったら、
私が伝えたいこと。

魂が揺さぶられるような味に出会う

ということなのです。


これに出逢えたら、
自分の中で何かが変わるから。

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1/27に、東京から
土岐山協子さんを招致して、

レシピのいらない料理術の
20名の仲間でお迎えして

「おだしプロジェクト」

のディプロマ講座を
開いていただきました。




   かつおのだし。

口に含んだ瞬間、
心と体に染み渡るような味に
すぅっと心が洗われて、
泣きたくなるような感覚にもなれば、

慈愛に満ちたものを
口にしたようにも思えたり、

乾いていたものが
満たされていくような感覚にもなる。

もう、稚拙な表現すぎて
ごめんなさいという感じで、
上手にお伝えできないのですが、

自分という人間になる
ずーっと前に遡り、
自分が支配できない、
本能に語りかけるような味。

私が次に、
伝えたいと思っているものは、
これなんです。伝えていきます。

魂で感じて欲しい。

料理、素材に秘められた力に。