アイヌの楽器ムックリは、ロックな楽器だった! | Baby you a song

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 さて、今年北海道白老町にオープンした民族共生象徴空間「ウポポイ」。
アイヌ民族をテーマとした国立博物館ですが、ウポポイとはアイヌ語で「みんなで歌う」という意味だそうですね。

(ちなみに「歌」のアイヌ語が「ウポポ」なんだとか・・・)

民族共生象徴空間「ウポポイ」
民族共生象徴空間「ウポポイ」(北海道白老町)

 


 そんな感じで今回はアイヌの代表的な楽器、ムックリについて考えてみようと思います♪
ムックリは小さな竹のリードを震動させて、口腔をサウンドホールにして鳴らす楽器ですね。

アイヌの楽器ムックリ
アイヌの楽器ムックリ

 北海道のお土産屋さんに行けば売ってるはずですが、なかなか店頭には並んでいない商品かもしれません。
「ムックリありますか?」と聞いたら、店員が奥のほうからゴソゴソ出して「あんまり買う人いないんだよね~」と言うようなシロモノでしょうか。
 お土産品だと、価格は1000円程度です。

 このムックリ、ユーラシアに広く伝わる口琴(こうきん)の一種とされているんですが、口琴の音色でお馴染みなのはこれでしょう。


イントロやエンディングに使われている「ビヤ~ン、ボヨ~ン」という音ですね。


 実はこの口琴、文政7~8年(1824~1825年)に江戸市中で「ビヤボン」と呼ばれ“大流行”したという記録があります。
 はじめは子供の遊びだったそうですが、ビヤ~ン、ボヨ~ンの面白さが大人にも受け、とにかく誰もかれもが市中でビヤボンを鳴らしたんだとか・・・。

(「ビヤボン節」なる歌も流行ったそうです)

第11代将軍・徳川家斉
時は第11代将軍・徳川家斉の時代

 面白いのはこのビヤ~ン、ボヨ~ンが、時の政治風刺にも使われたという記録です。
(文政7~8年頃は、役人の賄賂が横行し、治安が悪化した時代)

 おそらく・・・
「ビヤ~~ン老中が、ボョ~ンのお触れで、ビャ~ンお定めが、ボヨ~~ン」みたいな?

 表立って言えない政治批判を、ビヤ~ン、ボヨ~ンで隠語化したのでしょう。
うん、これは流行るわ(笑)。

※ 後に口琴禁止令が出たそうです


 ここまで考えると、この口琴~ムックリというのは、やはり社会へ反抗する「ロックな楽器」と呼ぶべきものではありませんか!
ロックバンド、ザ・フーは「ジョイン・トゥゲザー」という曲で、ズバリこの口琴を使用してます。

 

「Join Together」/The Who


「ジョイン・トゥゲザー」/ザ・フー

※ 「音楽は世界共通の言語だから、国や民族の違いを越えて一つになろう」というテーマの楽曲だと思います。(口琴は、まさにその象徴なのでしょう)

 また、このビヤ~ン、ボヨ~ンは、ヴォコーダー(Vocoder)という電子楽器にも影響を与えてますね。
ヴォコーダーはダフト・パンクの「アラウンド・ザ・ワールド」、コールドプレイの「メジャー・マイナス」、レッチリの「バイ・ザ・ウェイ」等の曲で使用され、これらのサウンドは現在のEDMへも受け継がれてゆきます・・・。

「Around the world」/Daft Punk


「アラウンド・ザ・ワールド」/ダフト・パンク


かようにロックなこの楽器!!

ロックミュージシャンなら、ぜひともマスターしておきたいではないですか♪
 

 

ではでは最後に、アイヌのムックリの演奏をご紹介します。
 


しだいに倍音が加わり・・・

テンアゲ、ウェーイなEDMと共通するエクスタシーがっ!?


 ムックリは口琴の中でも、比較的入手しやすい楽器だと思います。
ネット通販でも扱ってますし、北海道へ行った際のお土産に、是非お一ついかがでしょう♪

(はじめは鳴らすの難しいです;;)

あと、これ
文政年間のように、また流行りませんかね~?

「ビヤ~~ン政権の、ボョ~ン大臣が、ビャ~ン政策で、ボョ~~ン」みたいな!?