ギャップタームには、富裕の世代連鎖を加速させない仕組みが必要 | 人材系シンクタンク研究員 本日の雑感

人材系シンクタンク研究員 本日の雑感

インテリジェンスHITO総研の研究員として、人材関連の調査や人材マーケット分析、人材活用システムの開発などを行っています。
このブログでは人材に限らず、毎朝のニュースから得る学びや気付きを綴って参ります。

おはようございます。

先週お送りしたHITO総研メルマガの
https://entry.hito-ri.inte.co.jp/a.p/101/
雑感部分をご紹介させて頂きます。

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東京大学の発表に端を発した秋入学への移行。


各大学に追随の動きが見られ、
時事通信『秋入学、総合大5割が前向き』によると、
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012020600021&j4
総合大23大学のうち11大学が
導入に「賛成」、もしくは「前向きに検討する」とのこと。


先日、人事の方々をお招きした勉強会でも
秋入学への対応方法をお伺いしたところ、

「良い人材の採用が目的なので、時期は柔軟に合わせていく」
という声が多い一方、
「育成まで踏まえたコストを考えると、とても対応できない」
といった意見もあり、まさに賛否両論でした。


さて、今回の秋入学。


企業だけでなく大学もグローバルな競争時代に入ったことを象徴していますが
競争」と必ず対になってくるのが「公平性」。


今回も教育機会の公平性や学生の格差が問題となってきそうです。


例えば
高校卒業~大学入学までの空白期間「ギャップターム」。


現状では、この時期の留学が推奨されていますが、
留学の費用は恐らく親が捻出することになるかと思います。


そうなってくると
『余裕のある家庭の子供は留学をし、
そうでない子供は、たとえ留学したくても日本に留まらざるを得ない』

そんな格差が新たに生まれてくるのかもしれません。



日本は諸外国のような「貧困の世代連鎖」ではなく、
むしろ「
富裕の世代連鎖」が強い国だとされていますが、


東北大学 佐藤教授などの分析
『貧困の世代間連鎖の実証研究』をみて興味深いのは、
http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2007/06/pdf/075-083.pdf


財の直接移転による連鎖ではなく、
"教育"や"職業"という変数をはさんで富が受けつがれている点。

つまり、
親の所得⇒子の資産ではなく、
親の所得⇒子の学歴⇒子の職業⇒子の所得
といった形で富裕の世代連鎖が起こっているようです。



今回のギャップタームも、
もし仮に親の所得が高いほど留学などの"教育"機会に恵まれ、
それが良い"職業"にもつながってくるようであれば
ますます格差に拍車がかかってしまう可能性もあります。


例えば入試の成績順に留学の権利や奨学金を与えるなど、
機会の平等に即した仕組みにして頂きたく思います。