風神 あ~る・ベルンハルトJrの「夜更けのラプソディ」 -91ページ目

そこは、ちゃんとした道路ではなく、それこそ、人が作った「けもの道」みたいなところだった。
僕は、小学校の低学年ぐらいだったろうか。

生まれてたいした歳月も流れていない少年にとって、知らない道なんてたくさんあったし、それこそ日々が冒険だった。

その急な上り坂は、人がすれ違うのも楽ではないぐらいに狭くて、土の上に大きな石がボコボコと突き出し、ふうふう言いながら登るような道だった。

その道を、僕は多分初めて歩いていた。
転ばぬように用心しながら俯いて登っていた。そしてふと目を上げた僕の眼前にあったものに息を呑んだ。



雨上がりの道の横に咲いていたのは紫陽花だった。
あの光景は、いまだに忘れられない。

紫陽花が道端や庭に咲いているような土地ではなかった。
よく見かけたのは椿やユリ。庭にはハイビスカスやバナナ。

だからこそ、雨に濡れた鮮やかな青が心を捉えたのだろう。

坂を上りきると坂道に出た。
凄い! 新しい道だ! と思って左右を見渡したら、僕の知っている道だった。

家に帰るには、いくつかルートがあったけれど、どの道を通って帰ったのかなんて覚えていない。

でも、雨に濡れたあの紫陽花の色だけは、いまだに心に残っているんだ。
人の記憶って、面白いね。

木曜の夜辺り、みなさんのブログを読みに行けるかな。
もう、時間がなくて、大変です(汗)


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誰もが自分の物差しを持っています。だから、正義のあり方も異なるのは当然のことです。

しかしながら、この世に「絶対正義」があると思い込んでいる。あるいは自分は正義だと勘違いしている。そんな人が多いような気がします。
とあるシーンで、今日ふと思ったことです。

仲に入った僕に対して、一方は胸をなでおろし、一方は憤懣やるかたない。そんな風情でした。
ま、そんなものです。そもそも物差しが違うのだから。

たとえば違う人が仲に入ったら、真逆の判定を下した可能性もあります。でも僕は、ベターと思える方法をとりました。自分の正義ではなく、ベターと思われるものをです。

人間の社会的関係において実現されるべき究極的な価値。善と同義に用いられることもあるが,善が主として人間の個人的態度にかかわる道徳的な価値をさすのに対して,正義は人間の対他的関係の規律にかかわる法的な価値をさす。
─コトバンクより─


正義というのは概念だから、ここから正義で、ここからは悪、なんて線引きをするのは難しいものです。

何を信じるかの違いによって、恐ろしいことにテロリストも、正義の志に燃えている人々になるのかもしれません。

一方、覚せい剤は犯罪です。でも、よく使われるのは「被害者なき犯罪」という言葉。

手を出した本人が悪いのは明白だけれど、麻薬というものに取り込まれてしまった、一種、心の弱い被害者と呼べなくもないのです。それが罰せられます。

これも、罰しなければ際限もなく広がりますから、当然のことですけど、新たなる被害者を作らないために、被害者を罰しているということにもなるのです。

正義とは実は簡単なことなのです。困っている人を助けること。ひもじい思いをしている人に、パンの一切れを差し出す行為を「正義」と呼ぶのです。
─やなせたかし─

いい言葉ですね。飢餓を経験してきた人ならではの表現です。やなせさんのこの言葉、僕は大好きです。

でもそれが、強姦魔で殺人鬼だったら、幼い女の子、多くの女性を犯し、殺した男だったとしたら、パンの一切れを与えることが正義なのだろうか。

多くの人がとNOと拒否することは間違いない。

では、腹を空かせて動けなくなったそいつを捕まえて、集団リンチにすることは正義なのか。
うん、それは警察に任せるべきだね。

でも、もしも警察も司法も機能していない国に、時代に僕が生まれていたとしたら、YESというに違いない。リンチにせよ! と。

これを罪に問わない広い心と、世の真実を知るのは、イエス・キリストしかいないでしょう。

イエスはオリーブ山へ行かれた。 
朝早く、再び神殿の境内に入られると、民衆が皆、
御自分のところにやって来たので、座って教え始められた。
そこへ、律法学者たちやファリサイ派の人々が、
姦通の現場で捕らえられた女を連れて来て、真ん中に立たせ、
イエスに言った。 
「先生、この女は姦通をしているときに捕まりました。 
こういう女は石で打ち殺せと、モーセは律法の中で命じています。
ところで、あなたはどうお考えになりますか。」
イエスを試して、訴える口実を得るために、こう言ったのである。

※イエスはユダヤ教の異端児でした。だから律法学者やファリサイ派の人々はイエスを敵視していたのですね。(あ~る注)

イエスはかがみ込み、指で地面に何か書き始められた。
しかし、彼らがしつこく問い続けるので、
イエスは身を起こして言われた。 
「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、
まず、この女に石を投げなさい。」 
そしてまた、身をかがめて地面に書き続けられた。 
これを聞いた者は、年長者から始まって、
一人また一人と、立ち去ってしまい、
イエスひとりと、真ん中にいた女が残った。 
イエスは、身を起こして言われた。 
「婦人よ、あの人たちはどこにいるのか。 
だれもあなたを罪に定めなかったのか。」
女が、「主よ、だれも」と言うと、イエスは言われた。
「わたしもあなたを罪に定めない。行きなさい。
これからは、もう罪を犯してはならない。」




誰もが納得する正義を探すのは難しいけれど、未来の確定していない子供を救うことは、諸手を挙げて正義でしょう。それが飢えであろうが、高いところから落ちそうになっているような非常事態であろうが。

僕に言えることはひとつだけ、正義は振りかざすものではないかな。


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空に残る残照が、道端の紫陽花を、気怠い菫色(すみれいろ)に染め上げるころ、なんてこともないこの道を、君とふたりで歩いたことを思い出す。



通り過ぎる僕の横で、紫陽花は風にふるふると震える。知ってるよ、と言いたげに。


風のエレジー / 井上陽水


バネ指になった夢を見た。それも二度も見た。
左手の中指が曲がらない。
曲げて伸ばそうとすると伸びない。

あ、バネ指かも……。
僕は、まだ目覚めぬ意識の中で思った。

なんで夢かと思ったかというと、起きたら何ともないからなんだけど。

そしてそれが夢ではなかったことを、今日、あ、日が変わったから昨日、知った。

バネ指って、要は指の関節炎なんだけど、僕は以前右手の人差し指をやったことがある。
ジェラートを金ベラで混ぜ混ぜし過ぎたからだろう。

関節がなんだかかくかくして、引っ掛かりを感じて伸びなくなった時点でうっと力を入れて伸ばすと、ビョンと伸びる。だからバネ指なんだろうね。

引き出しに張り薬があると思ったけど、見当たらない。
探し物って必要な時には見つからないもんだね。

関東地方、梅雨入りしました。
さ、もう寝なくちゃ(><;)


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頑張りと努力って似ている気がするけど、どう違うのだろうと考えてみる。

僕は頑張っただろうか。
うん、確かに頑張った。耐えて忍んで頑張った。

でも、努力しただろうかと問うてみる。
いや……していないような気がする。

頑張るって、時に汗をかき、時にじっと耐えているようなイメージがある。

努力って、それだけじゃなくて、明確な目標が設定されているような気がする。だから、たとえば眠気と戦っても、汗をかかないこともあるのだろう。

君はきっと、努力をしたね。

外ではお祭りの音。


二色の独楽 / 井上陽水


夜半からの雨も上がって、日が差してきました。
関東地方は、そろそろ梅雨入りしそうですね。

梅雨とは全く関係ないけど、マヨネーズの容器はもっと改善できないのだろうかと、さっき思った。
だって、どうしても底の方に残ってしまうから。

クリクリと容器を丸めて絞っても残ってしまう。
マヨラーの僕としては、画期的な改善を望んでいる。

はさみで切っちゃう主婦の方もいるだろうけれど、僕にはそんなことをする時間すらない。
皆さんのブログを訪問する時間さえないのだから。

それでも、一日一本ブログを上げると決めているから、プレッシャーではある。

今日は夜勤明けで、少し眠って、また夕方から仕事に出かけます。これは、努力っていわないんだね、きっと。


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人の歩く道はさまざま。だから、その眼に見えている景色も十人十色。

色とりどりの花が咲き乱れる、穏やかな道かもしれないし、色彩を失い、渇きと飢えと疲労が支配する、荒野みたいなところかもしれない。

でも僕たちは、どこかに向けて歩き続けている。
いったいどこへ向かっているのだろう。そのあとはどこに帰るというのだろう。
いや、戻ろうとしているのだろう。

戻ると帰る……。

どう違うのだろうと考えてみる。

戻るってUの字が浮かぶ。
帰るってまっすぐな感じがする。

「忘れ物をしたから帰る」と誰かが口にすると、状況次第で戻ってこない感じもする。
「忘れ物をしたから戻る」と聞くと忘れ物を手にしたらすぐに追いついてくる気がする。

いずれにせよ、Uターン禁止ではないのだろうと、理解はするけれど……。

成長はまっすぐな矢印。挫折と理解と熟成は循環。その繰り返しの中で、僕たちは何かを学んでいる。

それでも時々、いや、年がら年中、僕は、どまどうペリカン。


とまどうペリカン / 井上陽水



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下に簡単に書きますので、面倒な人はすっ飛ばしてください。

熊本県八代市役所本庁舎の外壁に「キャハーHAARPで全壊も少しだったネー」と落書きした、八代市の会社員・道田健(みちた けん)容疑者が建造物侵入と建造物損壊の容疑で5月28日に再逮捕されました。

道田容疑者は5月26日、益城町の地震で倒壊した住宅外壁に「売国皇室によるテロ地震」と落書きをし現行犯逮捕されており、他にも熊本大神宮などにも落書きした疑いが持たれています。

落書きの内容からも分かるように危険思想の持ち主としてネット上でも話題に。Facebook上のやり取りなどが投稿されています。



高周波活性オーロラ調査プログラム(こうしゅうはかっせいオーロラちょうさプログラム、英: High Frequency Active Auroral Research Program、略称:HAARP)は、アメリカ合衆国で行われている高層大気研究プロジェクトである。

アラスカ大学と空軍、海軍、DARPAの共同研究であり、大出力の高周波を電離層に照射して活性化させ、電離層の挙動や無線通信等への影響を調査することが目的であると説明されている。照射施設はアラスカ州・ランゲル・セントエライアス国立公園の西にあるOTHレーダーの跡地に建設された。

高周波の生体や大気圏への影響を懸念する意見がある。また無線通信の撹乱や人工衛星の破壊を目的とした軍事研究であるとの批判もある。
また、ロシアの軍事専門誌では、HAARPは超強力なビームを生成する究極の地球物理学兵器であるという記事が書かれている。

陰謀論者の間ではハイチ地震 (2010年1月12日)、クライストチャーチ地震(2011年2月22日)、東北地方太平洋沖地震(2011年3月11日)は自然に起きた地震ではなく、地震兵器であるHAARPシステムを試すためにアメリカが起したもので、HAARPシステムはこれまでに何回も使われているとの説がある。

─ネットより拝借─


熊本で起こった落書き騒ぎ、要は高周波活性オーロラ調査プログラム「HAARP」が地震発生兵器だという説があるんだけど、それを踏まえたものなんだろうね。

犯人は47歳の会社員らしい。何をやってるんだか……。

真実なんて僕は知らないけど、思いもしないことが、裏で起こっていたりするのが現代社会ですからね。事実は小説より奇なり、かも。

このあたりの怪しげな話は、ちゃとらさん改めしーちゃんさんの方が詳しいかも。



もうひとつ僕が気になっているのが「オバマは光の子」というマシュー君のメッセージ。
任期が残り少ないけど、広島訪問で少し何かを見せてくれたような気がします。

オバマは本当に光の子なのか!?
調べている時間がなかなか取れないけど、近々ブログに上げたいと思います。

マシュー君って誰? あはは、意味わかんない人にはちんぷんかんぷんのブログになりました(汗)


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生きてるとさ、辛いことあるよね。
腹の立つこと、あるよね。

なんで自分だけ!?
って、誰かを、あるいはこの世を恨むことだってあるよね。

うん、わかる。そんな時期って絶対あるんだ。
僕ができるのは、その同意だけだけどね。

周りがみんなバカに見えたとき、君は孤立の道に入っちゃったのかもしれない。

確かに、君は間違えてはいない。ただ、誰だって完全じゃないことを覚えておこう。
それに、君は少し落ち込んで、焦って、周りが見えにくくなっている。

風に向かって立とうよ。ぐっと辛抱してさ。だってそれは君が吹かせたもの。だから意味のない風じゃない。

 

諸行は無常。
やがて風向きは変わるさ。

辛い時は、肥しの時期なんだ。それがあるから、実は結び、花は咲くんだ。

だから、ちょっぴり気分を変えるためにもさ、明日は違う道を歩いて帰ろうよ。空を見上げて深呼吸してみよう。誰を恨むことなくさ。

何かを吹き飛ばすような、短くておっきいため息でもいいかもね。お誕生日のろうそくを吹き消すみたいにさ。


斉藤和義 / 歩いて帰ろう



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テレビでやっていたけど、公園に保育所を併設する動きが加速しているみたいだね。
杉並区の久我山東原公園で住民の反対運動が起こったようです。

まあ、それぞれ言い分がありますけど、譲り合うしかないんじゃないのかな。

とはいえ、住民に愛されている公園らしいので、その4割を使うのはちょっと厳しいかな?

子供たちや親子連れの遊び場、お年寄りの憩いの場として存在しているのならなおさらね。



行政って、住民に説明会を開いた時点ですべて決めてしまっているという悪い癖があります。
これこれこういう案がありますけど、どうですかって姿勢じゃないんだよね。

出かける支度をしながらちらっと耳に入ったのは、近くに児童数の少ない小学校があるらしいこと。
そこを使えばいいのにね。

住民の反対運動って、あまり実らないのかなあ。
桜を切らないで! の声を無視してマンションが建ったりします。これ、千歳烏山の粕谷で実際起きた出来事でしたけど。

まあ、本体を切ったわけではなく枝をバッサバッサと切ったんですけどね。桃太郎侍みたいに。

桜伐(き)る馬鹿梅伐(き)らぬ馬鹿ですかね。

桜は枝を切るとそこから腐りやすくなるので切らないほうがよく、梅は枝を切らないとむだな枝がついてしまうので切ったほうがよいとされることから。
また、桜の枝は切らずに折るほうがよく、梅の枝は折らずに切るほうがよいことからともいわれるが、桜は折ることもよくない。

─故事ことわざ辞典より拝借─

そんないわくつきのところに、僕や君は住んでいるのかもしれないよ。

.


もうひとつ、保育所建設のニュースでやっていた都立祖師谷公園の最寄駅は千歳烏山です。住んでいたころは自転車でよく行きました。公園のある住所は上祖師谷。祖師谷大蔵や成城学園前駅からも行けます。

急な坂を下りて行くと公園の下に行きつきます。公園の中を仙川が流れています。



谷にできた公園だから起伏が激しいです。坂を上がって公園を抜けると眺めのいい景色が待っていそうだけど大間違い。普通の道に出ます。

だよね、そもそも低いところから登ったんだから。そのせいで上祖師谷は電波が届きにくくてテレビの映りが悪いと、住んでいた人が言ってました。



話はガラッと変わって、祖師谷公園といえば、いまだ解決していない「世田谷一家殺害事件」の現場です。

あれは大晦日のことでした。ほぼ敷地内ではないのか、というところに宮澤さん一家の家があります。当時ご夫婦ともに40代、生きていれば今頃お孫さんの世話に追われていただろう年齢です。

僕が住んでいたころに起こった事件で、なんであの家、警察のキープアウトのテープが張り巡らされているんだろう、と自転車を止めてじっと見つめた記憶があります。

ローラー作戦で警察の人が僕の部屋にも来たので、ずっと気になっています。犯人逮捕を強く望んでいます。

話は再び変わって、ポチポチが三つもあるのは、ポチポチポチだなあって思っていたのですが、一番長く使ってきたブログ村から撤退することにしました。


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本棚の前にしゃがみ込み、よいしょと小さく呟いて引っ張り出した途端、君は尻餅をついた。そんな、かなり分厚いアルバムの表紙を、君は長い間見つめた。そして、愛おしそうに撫でた。

それは持っていくと決めていたものだけれど、やはり君は開いてしまう。フローリングの床に正座して、めくっては戻り、戻っては進みながら、飽くことなくふたりの写真を見た。

光ひとつ差さない洞窟の中に佇(たたず)み、君は毎夜震えた。そんな君を目の当たりにするのはつらかったけれど、巡る季節は、立ち上がる力を君に与えた。

そう、君自身が光になればいいんだ。
いい人を見つけたら結婚すればいい。そして、力を合わせて幸せになりなさい。



思えば愛とも呼べないような、おもちゃみたいなふれあいだったけど、俺も君もそれなりに楽しく、そしてちょっぴり頑張った。さあ、しっかりと前を向いて歩きなさい。

手紙、ありがとう。母が墓前に供えてから、俺が上京するまで使っていた机の引き出しにしまうだろう。

事故があって会えなくなったあの日から、今にも崩れそうな君を、俺は両手を広げて守ってきたんだ。

先に逝っちゃってごめんな。でも、出会えてうれしかったよ。


─FIN─


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桑田佳祐 / 明日晴れるかな



まだ波と戯れる季節じゃないけど、あの海はきっと、君を優しく迎えてくれる。寡黙になった君を俺は心配している。あの海も、きっと案じている。



俺の両親の前で、少しだけ笑おうとした君の顔は、努力とは裏腹に見事に崩れた。
そんな君にかける言葉を持っていたのは、俺だけだった。

前回来た時もそうしたように、俺のじいちゃんやばあちゃんも眠る新藤家の墓にお参りをした。
君の前髪を揺らした風は、五月の空に線香の煙を舞い上げ、そばの竹林をサワサワと鳴らして行った。

挨拶をすませて東京に戻った君は、荷物をまとめ始めた。置いていくべきか持っていくべきか、君を悩ませるものは多かった。

何度も何度もため息をつきながら、ふたりの短い歴史をゆっくりと選別していった。

俺の荷物は打ち合わせ通り両親が引き取りに来る。重い足を引きずりながら、俺宛の短い手紙を、君はポストに投函した。


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