お休みだった月曜は、午後から雨の予報が出ていたので、短い睡眠で自転車を川辺に向けた。
わずか数ミリの、カタバミとオオイヌノフグリが土手に咲き並ぶさまは、可憐という言葉が似あう。
花壇に咲いたら迷惑もののカタバミも、野にあれば無上に美しい。

カタバミ

オオイヌノフグリ
足早に川辺を離れ、公園に向かった。雨が降り出す前に読書をしたい。リミットは一時間ぐらいだろうか。空模様が怪しくなったら退散しよう。
ベンチに腰を下ろした僕は、バリスタブラックを一口飲み、煙草に火をつけた。
そして、一冊の本を広げた。

本多孝好/真夜中の五分前sideーA
店内の様子はあまり変わっていなかった。もっとも、『サンタ・マリア』という店名になぞらえた船の模型や古びた海図や小さな地球儀なんかが店のあちこちに見受けられるくらいがせめてもの個性で、あとは学生街にいくらでもあるほかの喫茶店たちと大した違いがあるわけでもない。
え? なに? 何が起こったの?
寝不足の上に蓄積された疲労のせいか、僕の頭には何も入ってこなかった。
僕はもちろん、この作家さんの本を読んだことがある。印象は悪くなかったはず。
パラパラとめくってみると、その後は、普通に読点が打たれているように見える。
読点が少なくて読みにくいこの書き出しには、なにか意味があるのだろうか。
店内の様子はあまり変わっていなかった。もっとも、『サンタ・マリア』という店名になぞらえた船の模型や、古びた海図や、小さな地球儀なんかが店のあちこちに見受けられるくらいがせめてもの個性で、あとは学生街にいくらでもある、ほかの喫茶店たちと大した違いがあるわけでもない。
これぐらいなら、疲れた頭にもすんなり入ってきたはずなのに。
そして僕は、プロの書いた小説に手を加えるという暴挙を犯す!
店内の様子は、あの頃とほとんど変わっていなかった。店名の『サンタ・マリア』になぞらえた船の模型や、古びた海図や、小さな地球儀などが店のそこここに飾られている。けれど、それらを取り去ってしまえば、学生街にいくらでもある喫茶店と、大きな違いがあるわけでもない。
本多孝好さん、スマソ……死語か。
そういえば、「スマソ!」の、おさる、見なくなったけど、生きてる?
奥さんの山川 恵里佳は元気だろうか。
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