風神 あ~る・ベルンハルトJrの「夜更けのラプソディ」 -59ページ目

お休みだった月曜は、午後から雨の予報が出ていたので、短い睡眠で自転車を川辺に向けた。

わずか数ミリの、カタバミとオオイヌノフグリが土手に咲き並ぶさまは、可憐という言葉が似あう。

花壇に咲いたら迷惑もののカタバミも、野にあれば無上に美しい。


カタバミ


オオイヌノフグリ

足早に川辺を離れ、公園に向かった。雨が降り出す前に読書をしたい。リミットは一時間ぐらいだろうか。空模様が怪しくなったら退散しよう。

ベンチに腰を下ろした僕は、バリスタブラックを一口飲み、煙草に火をつけた。
そして、一冊の本を広げた。


本多孝好/真夜中の五分前sideーA

店内の様子はあまり変わっていなかった。もっとも、『サンタ・マリア』という店名になぞらえた船の模型や古びた海図や小さな地球儀なんかが店のあちこちに見受けられるくらいがせめてもの個性で、あとは学生街にいくらでもあるほかの喫茶店たちと大した違いがあるわけでもない。

え? なに? 何が起こったの?
寝不足の上に蓄積された疲労のせいか、僕の頭には何も入ってこなかった。

僕はもちろん、この作家さんの本を読んだことがある。印象は悪くなかったはず。

パラパラとめくってみると、その後は、普通に読点が打たれているように見える。
読点が少なくて読みにくいこの書き出しには、なにか意味があるのだろうか。

店内の様子はあまり変わっていなかった。もっとも、『サンタ・マリア』という店名になぞらえた船の模型や、古びた海図や、小さな地球儀なんかが店のあちこちに見受けられるくらいがせめてもの個性で、あとは学生街にいくらでもある、ほかの喫茶店たちと大した違いがあるわけでもない。

これぐらいなら、疲れた頭にもすんなり入ってきたはずなのに。

そして僕は、プロの書いた小説に手を加えるという暴挙を犯す!

店内の様子は、あの頃とほとんど変わっていなかった。店名の『サンタ・マリア』になぞらえた船の模型や、古びた海図や、小さな地球儀などが店のそこここに飾られている。けれど、それらを取り去ってしまえば、学生街にいくらでもある喫茶店と、大きな違いがあるわけでもない。

本多孝好さん、スマソ……死語か。

そういえば、「スマソ!」の、おさる、見なくなったけど、生きてる?
奥さんの山川 恵里佳は元気だろうか。

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「読点の少ない文章を書く」

僕はどこでこの一節に触れたのだろう。本棚を見ても思い出せない。

それだけに誤解をしている恐れはあるのだけれど、心がけていた時期があるのは確かだ。

これ以外の内容は、きれいさっぱり忘却の彼方。

そう、僕は読んだ小説の内容さえ忘れてしまう男なので、同じものを買うことがあるのです。(笑)

日常をつづったブログ、子育て奮闘の中でのさまざまな気づき、趣味のブログ。

世に溢れるブログの内容はさまだまだけれど、僕は突如小説を書いてみたいと思った。だったら文章に関する本も読んでおくべきだ。そんななか、出会った一文だろうと記憶している。



僕が思うに、文章は一方通行の道、あるいは細い川。
読点「、」の少ない書き方は情報を一気に流すことになるから伝わりにくい。それどころか、読む人を洪水に巻き込む。

だからこそ整理して書かなければ、内容が読み手の頭の中で上滑りするばかりで、息苦しくなる。

僕はその書き方を捨て去ってしまったけれど、正確に意味が伝わるように交通整理をしながら文章を書く。それは、文章力を上げるのにはいい方法かもしれない。

読点はそれぞれのリズム感で、好きと嫌いは明らかに出る。伊坂幸太郎の小説を読んだとき、それに気がついた。

え? ここで入れる? みたいな。

僕が読点の迷路から抜けたのはそこに尽きる。リズムでいいんだ、と立ち返ったことになるのかな。

うん、難しいルールはいらないんだ。
誤読を防ぐ? 読点で文章を長くつながない?
それは文章を書く以前の問題かな。

主語の後に打つ? それも意識しない。あくまでリズムでいいんだと。



僕のプロフィールに、好きな作家は、その「読点」の恩人ともいうべき「伊坂幸太郎」と書いてあるけど、それもそろそろ外そうかなと思ったりしている。
あるいは、「伊坂幸太郎の初期作品」と書き直すべきかと。

多くの小説家さんがいるけれど、文章がうまいだけで売れたら苦労はない。筋は面白いけど、文章が下手なものは読みにくいし、残念感が漂う。

なぜこんなことを書いているかというと、公園で開いた本を一ページと一行で閉じてしまったからだ。

でも、この作家さんを下手だとは認識していない。
再び挑むことになるだろう。

ちなみに僕は、接続詞の使い方が下手だ。いや、使えないと言い切ってもいいぐらいだ。それは自覚している。

接続詞に関する本を一冊買ったのだけど、新潟に住む大切な人の息子さんにあげてしまった。

だから僕は、相変わらず接続詞がうまく使えない。

つづく


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ひとはそれぞれ、いろんな秘密を持っている。

100%の打ち明け話ってあると思う?
ううん、ない。どんな話にも70%の秘密が隠されているんだ。

それを嘘というのは大人げない。だって、自分を守る権利は誰だって持っているんだから。
だからこそ、人は生きてゆけるんだから。

Can You Keep A Secret?
秘密にできる? ふたりだけの、秘密に。

本当に、秘密にできる?

宇多田ヒカル/Can You Keep A Secret?



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岐路に立った時、人は迷い、目を閉じる。
どちらを選んでも、きっと少しの後悔(リグレット)はあるはずだから。

だけど僕は思う、選ぶ道に天国もない代わりに、地獄もないはずだと。それはきっと、心が決めることだと。

いつも 君と 待ち続けた 季節は
何も言わず 通り過ぎた
雨はこの街に 降り注ぐ
少しの リグレットと罪を 包み込んで

泣かないことを 誓ったまま 時は過ぎ
痛む心に 気が付かずに 僕は一人になった

"記憶の中で ずっと二人は 生きて行ける"
君の声が 今も胸に響くよ それは愛が彷徨う影
君は少し泣いた? あの時見えなかった

自分の限界が どこまでかを 知るために
僕は生きてる訳じゃない

だけど 新しい扉を開け 海に出れば
波の彼方に ちゃんと"果て"を感じられる

僕は この手伸ばして 空に進み 風を受けて
生きて行こう どこかでまためぐるよ 遠い昔からある場所
夜の間でさえ 季節は変わって行く

雨は やがて あがっていた

"記憶の中で ずっと二人は 生きて行ける"
君の声が 今も胸に響くよ それは愛が彷徨う影
君は少し泣いた? あの時見えなかった

Hello, again a feeling heart
Hello, again my old dear place

Hello, again a feeling heart
Hello, again my old dear place

Hello, again a feeling heart
Hello, again my old dear place

Hello, Again 〜昔からある場所〜 - MY LITTLE LOVER


ヴォーカルのakkoが女性のせいか、うっかり聴くと男性目線の歌だということを忘れてしまいがちになりますね。

akkoはもう、40歳を越えたでしょうね。心に染み入るようないい歌です。

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小鳥たちは一日中エサを探している。
いや、小鳥だけじゃなくて、動物はみんな腹を空かせて地面を這いずっている。

腹がくちればいっとき眠り、起きてはまた、エサを探す。
それは何のため?

お腹が空いているから。

ううん、違う。
それはね、子孫を残すため。

でもそれって、人間も似たようなものだな。
本能に突き動かされて生きている。

だからというわけじゃないけど、「そのうち」なんて、果たされない約束は、いらないな。
お腹は膨れないし、期待した自分がぽつりと佇むから。

I just want to be with you tonight.
I know that you want to be my babe.

約束は要らないわ
果たされないことなど大嫌いなの
ずっと繋がれて居たいわ
朝が来ない窓辺を求めているの

どうして歴史の上に言葉が生まれたのか
太陽 酸素 海 風
もう充分だった筈でしょう

淋しいのはお互い様で
正しく舐め合う傷は 誰も何も咎められない
紐解いて命に擬(なぞら)う

気紛れを許して
今更なんて思わずに急かしてよ
もっと中迄入って
あたしの衝動を突き動かしてよ

全部どうでもいいと云っていたい様な月の灯
劣等感 カテゴライズ
そういうの忘れてみましょう

終わりにはどうせ独りだし
此の際虚の真実を 押し通して絶えてゆくのが良い
鋭い其の目線が好き

約束は要らないわ
果たされないことなど大嫌いなの
ずっと繋がれて居たいわ
朝が来ない窓辺を求めているの

気紛れを許して
今更なんて思わずに急かしてよ
もっと中迄入って
あたしの衝動を突き動かしてよ


まだ鼻の横にホクロのあるころの、二十歳そこそこだった椎名林檎は衝撃的だった。
4枚目のシングルだけど、世間に認知されているのは、やっぱりこの曲かな。

椎名林檎/本能


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うむ、もう「め組のひと」を変換できない時代になった。「恵の人」じゃないってば……。

め!
の部分でピースサインの指先を、目元にパッて持っていける人、好きだな。ちょっと体傾けてさ。

僕たちにもあんなに若い時代があったんだね。

それにしてもこの曲、今聴いても全然色褪せてないのがすごい。

盗撮で「ミニにたこ」の言い訳をした田代まさしはどうしてるんだろう。あれは東横線の中目黒駅ではなかったろうか。

あ、覚せい剤でも捕まったっけ。馬鹿だなあ、いいもの持ってたのに。

グループ名を『シャネルズ』から『ラッツ&スター』へと改名した後に初めて発表されたシングルで、1983年における資生堂の夏のキャンペーンソングに起用された。

80万枚を売り上げる久々の大ヒットとなり、オリコンシングルチャートで1位を獲得した。
2014年には倖田來未が、2015年にはギルドがカバーしている。

大瀧詠一が作曲を依頼されたがメロディが浮かばず、「ごめん、大ちゃんにやってもらって」と自ら断念した。曲を聴いて「いなせーだね」の部分で確信したという。
─Wikipediaより─

め!

め組のひと/ラッツ&スター


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夢というものを、君は追ったことがあるだろうか。
がむしゃらに、ひた向きに、ひとつの夢を追いかけたことがあるだろうか。

え……僕?
ちょ、ちょっと待って。

まさかここで、質問には質問で返すという、加藤清正公なみの武者返しを使う? あの熊本城の、地上最強の武者返しを?

やられたなあ……実はね、ないような気がするんだ。だからこんな質問したんだけど……。

左手で描いた似顔絵のよう あやふやな旅支度
体のこっち側にかいた汗が 薄まっていくような気がして
お水がおいしい朝 お水だけがおいしい朝

暮らしづらいのは 街のせいじゃない
暮らしづらいのは大丈夫 夢があるからさ

お尻から生えた スケジュール帳
私の長所は 過去はすべて汚点だと思えるところ
私の短所は 過去はすべて汚点だと思ってしまうところ

いずれにしても まるで赤の他人の胴体を 踏みつけるかのように白々しく
今日も汚して歩くんだ 今日を汚して歩くんだ

暮らしづらいのは 街のせいじゃない
暮らしづらいのは大丈夫 夢があるからさ

ときに高値をつけられ ときに安値をつけられ
手垢をかぶって とっかえひっかえのたらい回し

燃やされて 燃やし尽くされて 跡形もなくなるまで
古本屋に満ちた いたたまれなさ
つまり そんなものだよ

暮らしづらいのは 街のせいじゃない
暮らしづらいのは大丈夫 夢があるからさ

タバコ自体がないってなら まぁしょうがねぇかなって思えるんだ
耐え難いのは タバコがあるのに火がないときだよ

マッチ一本欲しさに 寄り集まるんだよ
うすら寒い愛想笑いを張りつけて 寄り集まるんだよ

暮らしづらいのは 街のせいじゃない
暮らしづらいのは大丈夫 夢があるからさ

今年何度目だよ? と見上げた頬にまた雪が跳ねる
ピカピカのギターケースをぶら下げてそわそわと

あれは東京一年生かな?
例えば人ごみが息苦しかったなら まずは自分が消えることだよ
さもなくば 窒息するまで歌いきるんだ

暮らしづらいのは 街のせいじゃない
暮らしづらいのは大丈夫 夢があるからさ

がんばれがんばれ!! 東京一年生!!
がんばれがんばれ!! 東京一年生!!
がんばれがんばれ!! 東京一年生!!
がんばれがんばれ!! 東京一年生!!

二度目の登場。詩人竹原ピストル。
なぜか画面が真っ暗なYouTubeなので、画像をひとつ。

苦しい時は、竹原ピストルでも聴け!


東京一年生/竹原ピストル


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頁をめくるとラストの一行がある。
それが落ちになっている。
たまたまなのかなあと思ったら、全部そうだった。
とはいえ、あと2話残ってるけど。



「ご主人の欠点は浮気性」帰宅すると不倫相手が妻と談笑していた。こんな夜遅くに、なぜ彼女が俺の家に?二人の関係はバレたのか?
動揺する俺に彼女の行動はエスカレートする。妻の目を盗みキスを迫る。そしてボディタッチ。彼女の目的は何か?平穏な結婚生活を脅かす危機。俺は切り抜ける手だてを必死に考えるが…(「夜の訪問者」より)。愛する人の“秘密”を描く傑作集!
「BOOK」データベースより

この短編集、読後感があまりよくない。
「賭けられた女」ラストの意味がよく分からなかった。だからといって、読み返す気はなかった。

ゾッとさせるなら、もっと思い切りゾッとさせてほしい。展開次第で、それは可能だったかも。
これ、好きな人は好きなんだろうなあ。

僕的には、お勧めできません。百田尚樹、詰めが甘かったか?
でも、さらっと読めるので時間つぶしにはいいかも。

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ハナニラが姿を消し、先週までは低く茂っていた土手には驚くほど高いカラスムギが生い茂り、綿毛となったタンポポが、ときおり風に揺れていた。

何かが消えて、何かが生まれる。それはどことなく、次の世代が旧世代を押し出す、まるで人生みたいなさまだと思った。

僕は明らかに押し出される世代にいる。ずよっと押し出されてところてんになったら、そこはきっとあの世。

お休みだった今日は、川辺の散策の後、BOOKOFFで文庫本を4冊買って公園に向かった。

「ほのかなひかり」 森浩美
「鼓笛隊の襲来」 三崎亜記
「真夜中の五分前 side-A」
「真夜中の五分前 side-B」 本多孝好

初めて読む作家さんはいないけれど、僕が選ぶ傾向は明らかに変わってきたような気がする。
静かに読みたい。もしも驚くことはあっても、良い驚きであってほしい。

「ほのかなひかり」
夫を事故で亡くした私は、小学生の息子をひとりで育てながら、傷心の日々を送っていた。寂しく迎えたクリスマスイブの夜、解約せずにいた夫の携帯電話からメールが送られてきて…(「聖夜のメール」より)。
不倫を疑う妻、若い部下の扱いに戸惑う中年部長、仕事に行き詰まったキャリアウーマン…どこにでもいる普通の人たちに起こった、8つの小さな奇跡。日常の些細な出来事を丁寧に掬い取った、心あたたまる家族小説集。
「BOOK」データベースより


「鼓笛隊の襲来」
赤道上に発生した戦後最大規模の鼓笛隊が、勢力を拡大しながら列島に上陸する。直撃を恐れた住民は次々と避難を開始するが、「わたし」は義母とともに自宅で一夜を過ごすことにした。やがて響き始めたのは、心の奥底まで揺らす悪夢のような行進曲で…(『鼓笛隊の襲来』)。
ふと紛れ込んだ不条理が、見慣れたはずの日常を鮮やかに塗り変えていく。著者の奇想が冴えわたる、驚異の傑作短編集。
「BOOK」データベースより


「真夜中の五分前」
かすみとの偶然の出会いは、過去の恋に縛られていた僕の人生を大きく動かした。あれから二年、転職した僕の前にひとりの男が訪ねてきた。そして、かすみとその妹ゆかりを思い出させずにはおかぬこの男が、信じられない話を切り出した。
物語は、驚愕のエンディングが待つside‐Bへ。今日と明日をつなぐ五分間の隙間を破り、魂震わす極限の愛が生まれる。
「BOOK」データベースより

僕が一番惹かれたのは「鼓笛隊の襲来」だった。三崎亜記の作風は不思議だ。印象的な作品を書く人だ。
「となり町戦争」「バスジャック」など読んだ。

公園のベンチに座り、迷いながら取り出したのは、鼓笛隊ではなく「ほのかなひかり」だった。
この作家さんの本も何冊か読んでいる。

森浩美、三崎亜記、紛らわしい名前だけれどどちらも男性作家だ。僕も何かを、書きたい。


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そのまま止むかと思った雨は、夕刻再び降り出し、そのまま降り続けた。
そんな日の夜空を、君は見上げたことがあるだろうか。

鳶(とび)色いう表現が合っているかどうかはわからないけれど、赤っぽい灰色をしている。
それは低く垂れこめた雲に、街の明かりが映るから。

今夜の夜空はその色だった。不自然に広がる夜空。

それを見過ごす僕たちは、自然から乖離した環境で、暮らし過ぎたのかもしれない。


作詞:作曲 伊勢正三 歌:イルカ/雨の物語



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