
大学進学のため長崎から上京した横道世之介18歳。
愛すべき押しの弱さと隠された芯の強さで、様々な出会いと笑いを引き寄せる。
友の結婚に出産、学園祭のサンバ行進、お嬢様との恋愛、カメラとの出会い…。
誰の人生にも温かな光を灯す、青春小説の金字塔。第7回本屋大賞第3位に選ばれた、柴田錬三郎賞受賞作。
「BOOK」データベースより
読んでいて気になったことがある。これ時代が古そうだけどいつの発刊だろう? 確認すると単行本が2009年だ。
どういうことだろう……。
読み進めるうちにようやくその謎が解けた。
20年後がクロスオーバーしてる小説なんだと。
後半になって、歌を始め時代のキーワードはいくつか出てくる。
俵万智の『サラダ記念日』
フィリピンのアキノ大統領誕生。
ということは、横道世之介が生きていれば還暦に手が届く年齢になる。
いい意味で、吉田修一らしからぬ小説だった。
読んでいて笑えるとかすごく面白いという内容ではなかったけれど、後半から期待が高まった。最後まで読み切ったら、後々印象に残る傑作に違いないと確信に近いものを感じた。
終わりに近づくにつれて、ページを捲るのが惜しくなってきた。
結末は哀しいのだけれど、それは途中でネタばらしをしている。
その数行を読んだときは、え?! と驚いてしまった。
「絶望ではなく希望を撮り続けたカメラマン」
「この子はダメだ助けられないとは思わず、大丈夫、助けられると思う子」
学生時代世之介の恋人だったお嬢様、与謝野祥子の言葉が印象的だ。
「いろんな事に『YES』と言っているような人だった」
僕の最高に近い誉め言葉で閉じよう。
いい小説だった。
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