※当映画祭は、「激突!」「マッドマックス2」「ヒドゥン」「ターミネーター」などを誰よりも高く評価した俺たちのアボリアッツ国際ファンタスティック映画祭の意志を勝手に継いで、誰から請われるわけでもなく昨年に続いて開催するもの。


第4日は俳優に関する各賞の発表です。
が、前田敦子のためにあるのがこの第4日だと前置きします。

◼️ベスト仕事ぶり賞
アン・ソンギ「よりそう花ゝ」
葬儀屋の手練れの仕事ぶりを見せてくれたアン・ソンギ。僕の時は彼にお世話になりたい(生前遺言)


◼️ベスト狼狽賞
「リバイバル69」での、オノ・ヨーコの奇行に狼狽するジョン・レノンを文化遺産としたい。演技じゃないけど。そんなことは関係ない、僕が決める映画祭だ。



◼️助演男優賞

中島歩
「さよならエリュマントス」
「17歳は止まらない」



最近の脇役界隈で無双続きの中島歩!

「さよならエリュマントス」では、マネジメントしてるアイドルのことなど考えもしないクズマネジャー役が最低で、アイドル映画らしからぬラストを一手に引き受けたのが最高だった。

「17歳は止まらない」では、誰にもクズっぷりを見せず見事にクズ教師を演じる離れ業!ある意味、体を張って主人公に大人の階段を登らせたとも言えるけど、いやはやほんとクズだった。見せてないのに、ああ…と納得がいく見せない演技!
イケメン、イケボ中島歩の快進撃は止まらない!


ところで、日本アカデミー賞の複数作品で俳優に賞を与えるシステムに感じてた以前の違和感は、米アカデミー賞への興味が薄れてからどうでもよくなって、今回、日アカシステムを当映画祭で採用。日アカを褒めてるわけではなく、あくまでいちばん大事な映画祭はヒトリボッチ国際ファンタスティック映画祭であり、ここに日アカシステムを導入させるに至った中島歩を激賞したい。

次点:井浦新
「アンダーカレント」



作業着と首にタオルのフィット感。バス停での逡巡。とぼとぼついていく姿、今泉力哉フォントとの相性も抜群だった。

◼️主演男優賞

高橋一生「岸辺露伴、ルーヴルへ行く」


よく「なりきりが凄い」とか「リアル○○」という、俳優への褒め言葉があるけれど、出来のいいコスプレ程度だったりする。
高橋一生の露伴ちゃんぶりを見てると、衣装や雰囲気だけではなく、役づくりが重要なんだと強く感じる。役づくりとは、役づくりなんかしたことないくせに言うのもおかしいけれど、原作に忠実だなんてことではなく、演じるにあたって自分なりの解釈があり、そこに至る思考の跡が見えるかどうかなのだと思う。正しいかどうかに責任は持てないけど、高橋露伴ちゃんからはそれが見えてくるので映画を観てて幸せだった。

◼️主演女優賞

マーサ・プリンプトン「対峙」


凄いったら凄い。「グーニーズ」のマーサ。
これ以上書かない。地味だから凄い。

「TAR」のケイト・ブランシェットはもう言わずもがな。だけど、「キャロル」のうろたえ演技が好きすぎるのでそれには劣ると当映画祭は考えて、マーサ推し。

以下、次点
山田杏奈「山女」
池田朱那「17歳は止まらない」
伊礼姫奈「シンデレラガール」
杉咲花「市子」
蓮佛美沙子「女優は泣かない」
リリー・ジェイムズ「きっと、それは愛じゃない」

◼️助演女優賞

前田敦子「あつい胸さわぎ」


まさにこの作品を見るキッカケが前田敦子だった。この数年なによりも、神より仏よりも信じてる前田敦子。悩める主人公の母・常盤貴子の職場仲間を演じた。


人生ぜんぶ見切って生きてるように見えるけど、一回りぐらい違う男性(何者かは書きません)といとも容易く「キモい」過ちを犯す役。過ちだったと知ってからの主人公へ対する難しい演技も、いつものことながら役柄を完全に自分のものにしているから安心して見ていられて助演クイーンベルト防衛は大成功。邦画はもっと前田敦子に難役を任せろ。