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そうこうしてるうちにマンションに着いたんや。

「ここでええワ! あんまり人をおちょくってたらあかんでー!」

そう言うて、降りようとした時や。
「お客さん、悪い事は言わん! 何かあったらここに電話しといで」

そう言いながら名刺を渡して、走って行きよった。
名刺には「心霊コンサルタント 伊吹戸 誠」という肩書きで、後は住所と電話番号が
書いてあった。
こんなもんいるかい、と思うたけど一応ポケットに入れたんや。
あの時、すぐに名刺を捨ててしもうてたら、今頃俺はどうなってたかわからんなあ。

その晩に、俺は、生まれて始めて「金縛り」っちゅうやつを経験してなあ、とうとう
恐ろしい霊まで見てしもうたんや。

いささか気分を害した俺は、シャワーを浴びると缶ビールを二本空けて、ベッドへ直行した。

何事もシンブルがモットーの俺は、寝室にも余分な物は置かへん。窓際のシングルベッド
には、ハワイで買った、スカイブルーの生地に、白いハイビスカス模様のベッドカバーを
かけている。
ベッドの横には、ナチュラルウッドのサイドテーブル。スタンドと読みかけの雑誌が置いて
ある。
6畳間の壁の片側は、ほぼ、壁面と同じ大きさの本棚があり、200冊程の本で埋まっている。
夏の終わりで、まだまだ暑い夜やったから、俺はベッドカバーの上から横になり、
そのまま寝てしもうたんや。

突然、ベッドの振動で目が覚めた俺は、起き上がろうとしたけど何者かに押さえつけられて
いるように、1ミリも身体が動かへん。
サイドテーブルからも、本棚からも、激しい振動音が聞こえて来る。
音がだんだん激しくなって、本棚から本がバサバサと落ちて行く音も聞こえる。
壁際を向こうにも、首も回らへん。
しょうがないから、目だけ動かしてみると、枕のすぐ横の窓だけがなんとか視界に
入ったんや。

その時、ベットカバーと揃いの、ブルーのカーテンの表面に、真っ赤な人型のしみが見えた。

その、カーテンのシミが、ゆっくりと動きはじめよったんや

次回につづきます自宅でゆっくり見てね

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