ポピュリストが都知事になるのか?
今年の都知事選は最悪だった。選挙ポスターもなんだかおかしな様子だった。たいてい、都知事選には売名行為を目的とする泡沫候補が出るのが日常だが、今回はひどい。
しかし、その中でも泡沫候補とされていたが、Youtubeなどで人気を博した石丸伸二 という候補には危機感を感じる。彼の言動にはポピュリストの匂いがプンプンする。はっきり言う。個人的にはお友達になりたくないタイプだ。仕事場にいたら毎日が憂鬱になる。もし上司にいたら?即、退職したくなる。
彼は相手の質問に対して論点をずらし、相手を全否定し、まともに答えようとしない。その質問自体が認識不足ですよ!なぜそこまでデイスならなければならないのか?その上から目線はなんだ?
そんな候補にかなりの票が入った。まさかと思ったが蓮舫議員を抜いてしまった。東京都にもポピュリズムがやってきた。自分さえよければいい、東京さえよければいい、という都民ファーストよりひどい。
暗黒日記
なんとも救いようのない題だが、清澤洌(きよさわきよし)という人が書いた戦中の日記。戦後70年以上たっているから、パブリックドメインで青空文庫で読める。読めるが、現代文(現代仮名遣い)にしても、昔の単語でわからないものが多いので、ちょっと読むのに苦労するかもしれない。日泰とか伯林とか読めないし何のことかわからないであろう。(日泰は日本とタイのこと、伯林はベルリン)。1945年5月、大東亜中央病院で急性肺炎で死亡したらしい。が、大東亜中央病院て知らないので、さすがにもうないだろうなと思いつつググってみるとなんと聖路加国際病院のことだった。ちなみにせいろかは誤りでせいルカが正しいらしい。病院の名前まで変えてしまう恐ろしさ。たぶんキリスト教の病院だからけしからんというのだろう。
少年Hが当時の子供から見た戦争ならばこれは知識階級から見た戦争の記録である。国民の窮乏が上流階級からもでているのがわかる。このころは配給なので金を出しても店に物がないので買えないのだ。闇で買うしかない。東條英機の悪口も多い。当時の様子がよくわかる貴重な資料だと思う。
ゴミ箱をチェックする総理大臣
東條英機は最後には東京裁判でA級戦犯にされ、絞首刑になるのだが、かなり細かい性格だったという。
連隊長の時は兵隊が飯を食べているかどうか残飯の残りをゴミ箱をあさって調べたという。兵隊が食べるものがうまくないので残す。そんなことはあってはならない。いい連隊長である。(笑)
ここまでは、いい話だなあ~とすませられるが、なんと総理大臣になってまでやったのである。
大東亜戦争により逼迫した食糧事情。衣服の配給。(おどろくなかれ当時は服さえ配給になり、商店には置いてない。配給の切符と交換する。つまり金を出しても買えない。)国民の生活はどうなっているか?東條は庶民の物干しにある洗濯物を自分で触って「まだ木綿だ。」と安堵する。 食料については自分でゴミ箱をあさって残飯をみて何を食べているのか、確認した。
これを見て内大臣の木戸幸一は「もっと大局的な見方をしてくれ」と言ったが、これは連隊長時代からの性格なのでなんともしようがなかった。国民は呆れた。
こういう手合いは職場にも多々いる。プレゼンの書類にこだわったり、文言にいちいち小姑のように指摘してくる輩だ。そういう上司を持った部下は苦労する。しかし少なくともアジアの植民地を欧米から開放すると言っている国のリーダーがこれでは困る。他に人材はいなかったのか。そこに戦前の日本の不幸がある。